話せる
普通のサラリーマン村山俊 そして ワーキングガール片岡花蓮 ドクター鎌田
彼らの 生活にも変化が
そして社会にも変化が?
6月も終わりになる頃 尻尾のことは マスコミに取り上げられることが 多くなってきた
そして 週刊誌などでは 尻尾が有る 人のことを
’若くて 控えめな 心優しい人’と 取り上げたりして
中には ’綺麗’や ’かっこいい ’ などと 何の根拠も無い 噂まで立っていた
そして 偽尻尾 などというものまで 売りだされていた
6月終わりの有る日 花蓮は いつもの様に 会社に行った
いつもの様に まだ誰も来ていない 仕事の準備をしていると
課長が 出勤してきた 花蓮は挨拶をして お茶を入れようかと 思っていると お局様が 出勤してきた 見ると お尻から 尻尾が・・・
花蓮たちは 唖然としてると お局様は
「私みたいな 人間になると やっぱ生えてくる 尻尾も 犬や猫みたいな ありふれたもんや あらへんわ! やっぱりこんな風な 立派な豹のが 生えてくるんやわ」と さも得意げに言ってきた 花蓮たちは お局様 確か小学校高学年の 子供さんが居たはず それに年齢は 40歳??前?? と思っていると お局様は
「今まで隠してたけど やっぱり隠されへんわー」と言った 花蓮は お茶を入れに行き お茶を配っていると お局様は 課長に何か喋っていた
花蓮も 席に着き 仕事をしていると 一旦席に座って 仕事をしていたお局様が 課長の元へ 行ったとき 椅子の 背もたれに挟まった尻尾は あっけなく取れてしまったのである スカートの所にはさんだだけの 簡単なものだったので すぐに外れたようだ
そうとは気づかず お局様は 課長に話しているが 椅子に 尻尾だけが残されていると言うのは 何だかとても格好が悪い
その日は 何とも 機嫌の悪いお局様であった
お昼過ぎ 花蓮は 支店長から 呼び出された
何かと思いながらも 支店長の元へ行ってみた
支店長は おもむろに
「片岡さん あなたも大変なんでしょう その尻尾本物ですよね」と言ってきた 花蓮は
「もちろん本物です!」と言った 支店長は
「大変だったのですね」と言ってきた 花蓮は一言
「はい」と言った 支店長は
「実は 会社の経費削減で いろいろ有ってね 庶務課は 今年度で廃止されることに決まった それで 片岡さんは 総務に戻って欲しいと 言われてるのだよ でも 私は先に あなたの意思を確かめたくて 辞令よりも先に こうやって 聞いているのだけど いかがかな?」 と言ってきた 花蓮は 驚きながらも
「ぜひやらせてください お願いいたします」と頭を下げていた すると支店長は
「あなたは 元々 総務で 色々とやっていた でも同じ総務でも 開発が多くなる部署からのお声賭けだ そして 庶務で気がついた無駄なことなども 提案して欲しい と言うことだ」 花蓮は 嬉しく思っていると 支店長が
「たぶん 8月~9月に 移動になると思う 引継ぎなど よろしくお願いいたしますね」と言った そして「あなたは 総務や営業や本社などからも 心のある仕事をしている人だ と聞いている そのことを今の部署の後輩に 少しでも教えて上げて下さいね」と言った 花蓮は 嬉しくて涙が出そうになっていると 支店長は
「片岡さんの その尻尾とでも言う物 黒猫さんかな?」と言ってきた 花蓮は
「はい そうなんです」と答えると 支店長は
「私の家にも 黒猫が居てね とても人懐っこいんだよ 子猫が生まれても そのお母さん猫が 子猫に躾をしていた とても出来た黒猫だよ」と言い 「あなたの 人柄が出てしまいましたね」とニコニコと笑った 花蓮も笑顔になると 支店長は
「こんなおじさんだけど 何か力に成れるかもしれないから 困ったことが有ったら 相談にいらっしゃい」と言った 花蓮は嬉しさと安心感で 涙が止まらなくなってしまった
その頃 私 村山俊も 会社で上司からの指令に 悩んでいた
私の会社は おもちゃや小型器械を扱っているのだが このところ数年間は 業績は横ばい状態で 今年度は少し下向きに成るかも解らない 状態であった
だから 支出減らしということを 上から言われたのである
そんなときに 今年の秋に行われる イベントに スポンサーとして出資して欲しい と申し出があった
私の直接の上司は 断れ の一言で 私を相手のところに 送り込んだ
この上司は 契約成立や お金を出す など 相手が喜ぶ仕事の時は 自分が率先して行くが
断るや 上手くいかないときは 部下に行かせるという
典型的な 美味しいところ取りの 人なのである
私は 応接室に行くと 相手は
「今年も このグルメ博覧会が行われます 毎年 スポンサーになっていただき ありがとうございます 今年もぜひ よろしくお願いいたします」と 頭を下げてきた 私は
「はー」と答えると 相手は
「今年のテーマは B級グルメ 関西からは遠方の 地域東北からも 出店参加の予定です さらに 産地直送コーナーでは 秋の味覚盛り沢山!」 そして しばらく色々と説明が続いた
私は 元々断るということが 出来ない性格で 話を最後まで聞き 書類を受け取った 相手は
「では 又 後日改めて伺います」と言って 帰っていった
席に 戻ると 上司が
「断ったのか!」と 強く言ってきた 私は
「いいえ 断ってません」と言うと 上司は
「何やってんだか!!」と嫌み いっぱいに言ってきた
席で 書類を見て(花蓮さんの 会社出店するんや)と思った そして(なんか断るの 嫌やなー)と思いながら 書類に目を通した
なかなかの規模で やっている 毎年そこそこ話題にもなってるし でも この会社は お金出すだけで 協賛垂れ幕は 入り口に張られているが 店は出していない
この時 村山は(何で 家の会社 出店してないんやろ 金出すだけやったら ぜんぜん 見返りあれへんやん そんなんで良いの?)と思った
村山は 上司の元に行った すると
「なんで 今日断らなかったんだ!」と凄い勢いで言われた 村山は 勢いに負けそうになりながらも
「うちの会社 何で出店しないんですか?」と聞いてみた すると上司は
「うち から何出すんだ」と言った 確かに 何を出す?と言われれば 言葉には詰まるが 私は
「こんなに いっぱいの人が来るんですよ 何か スポンサーの垂れ幕だけって 勿体無い様に思いますけど」と言った 上司は
「じゃあ 何をするんだよ」と 言ってきた 私は
「明日 までに 考えてきます」と言ってしまった
席に戻っても 考えなしに 言った言葉に 悩まされ 気がつくと 夕方になっていた
同僚が横に来て
「大変だなー あの上司 いっつもああなんだよね」と言ってきた 私も解っていたが 同僚が
「今年の初めに売った あの ペットロボットの時もそうだったんだ」と言った 続けて「去年に ペットロボットの 生産工場と契約で 作ってもらう時は 大乗り気で あの上司が行ったんだ すると デザイナーの人と トラブって 契約が遅れたわけ それで 去年の年末 発売予定が 今年の初めに 発売になったの でも年末商戦で 出遅れて 在庫を抱えることになったんだけど その責任は 一切 無視なわけ」と 説明してくれた 同僚は
「ペットロボット 触り心地 なんかも良いんだけどね 雑誌広告や深夜番組でのCM じゃあ解らないから 結局は 倉庫にあるままだよね」 私は それを聞き
「今 そのペットロボット 倉庫に有るねんな! 触らな 解れへんねんな」 と言った