伝わる
普通のサラリーマン 村山俊 彼の体には 何と尻尾が・・・
これは 彼だけの現象ではない
現代人の退化か?それとも 進化か?
6月の 夕方 村山俊の携帯電話が 鳴った 出ると
「や~! 私だよ ドクター鎌田だよ!」と始まった 私は内心(又か!)と思ってた そして
「はい!」と いつもの様に答えると ドクター鎌田は
「今週の土曜日 空いてるかな!」と聞いてきた 私は(又か!)と思いながらも
「何ですか?」と聞くと ドクター鎌田は
「ちょっとした 会合 非公認の学会 といったところかな」と言った 私は
「何をするんですか?」と聞くと ドクター鎌田は
「手伝って欲しい!」と言ってきた 私は
「何をですか?」と言うと ドクター鎌田は
「来れば 解る」と言った 私は どうしようかと思っていると ドクター鎌田は
「片岡さんも 手伝ってくれるとの事だ」 私は 二つ返事で
「行きます もちろん!!」と答えた
ドクター鎌田は
「では 土曜日 朝11時に ○●センター 前に来てくれ」と言った 私は
「解りました」と答えたが 電話は もう切れていた
6月の始めの 土曜日 私は 指定された時間に 指定された場所にいた
片岡花蓮も もう到着していた 少しして ドクター鎌田が現れ
「いやー お待たせ すまん すまん!」と言った 私は(この人本当に すまんと思っているのだろうか?)と 思っていると 「こっちだ!」と建物の中に入っていった
小さめの会議室の前に行き 私たちに「まずは準備をしよう」と言い入り口の前に机と椅子を置いた そして 中の机椅子の数を数え プロジェクターのスイッチをONにして 今から 何かの発表でもする様なセッティングが出来上がると
ドクター鎌田は
「君たちは 受付をして欲しい」と言った 「参加者は この名簿に書いてある そしてこれが名札 参加者に渡してくれ」と言い 紙と名札の入った袋を渡してきた
私たちは「はい」と紙を受け取ると ドクター鎌田は
「それと これを着てくれ」と二人に Tシャツを渡した 広げてみると 背中に白地に紺色で’YU-BIの会’と書かれていた 二人は 言葉無く 服の上から Tシャツを着た
そして 会合は始まった 学者やドクターなど 20人ぐらいの人々が集まる中 私達も 後ろの方に座った
ドクター鎌田は 壇上で 尻尾についての 現段階での状態 世界全体での様子などを 地図 グラフなどを用いて 解説していた
皆真剣に ドクター鎌田の話を聞いている
ドクター鎌田も いつもの あの軽い口調ではなく はっきりとした 学会などの発表をする口調になっていた
先日 私たちが聞いた事に追加されていたことは
・主に 対人関係のストレスを受けている場合 相手にも気を使うあまり 嫌な表情など出来ずに 隠してることが多いので その結果 脳がストレスを消化出来ずに 脊髄まで刺激をし 結果 個人の性格に合わせた 尻尾となって 出ているのでは? と推測してみた
・尻尾は 色々動くが 抑えてる感情なども動作で 代弁してくれているようだ
・以上の事から 尻尾の役目として ストレスを軽減させるかも知れない ということと 人間の感情が表現が解りやすくなっているのでは?
と まとめられた そして ドクター鎌田は
「ただ 現時点では 解らない 事が多いので ここにお集まり頂いた 先生方 ご協力お願いいたします」と 深々と頭を下げた
その後 色々な質問攻めに ドクター鎌田は有っていた
私たち二人は まだ時間がかかりそうなので 会場前で 片付けが出来るのを 待つことにした
私は
「片岡さんも ストレス受けてるんですか?」と聞くと 彼女は
「はい」と答えた 私は
「どういったものか 聞いて良いですか?」と聞くと 花蓮が話そうとすると 中から人が出てき始めた そして ドクター鎌田は
「いやー すまん すまん! 遅くなった! さあ片付けよう!」と言ってきた 私は 片付けながら(この人 いわゆるKY!)と思った
会場を片付けると もう夕方になっていた ドクター鎌田は
「さあ 今から 飲みに行くぞ!」と言って 歩いて行ってしまった
私達も それに着いて行く事になった
駅前の居酒屋に 入ると ドクター鎌田は
「お疲れさん 今日はありがとう 助かったよ!ここは 私がおごろう! はっはっは!!」と笑った
そして お酒 料理が進むうちに 私は ドクター鎌田に 質問をしてみた
「尻尾って どんなタイプが有るんですか?」と聞いてみた ドクター鎌田は
「何種類ぐらいあるかは まだ 不明だ 猫や犬や猿や牛 といった皆もなじみがあるものは わかり易いが 小さめで どのタイプなのか 解りにくいのもある」と言った 私は
「感情で 尻尾の動きが 有ると言ってましたよね? どんな動きが有るんですか?」と聞いてみた ドクター鎌田は
「私は 動物学者ではないので 詳しくは解らないが 犬は嬉しい時 尻尾を振る とか 猫は警戒や威嚇の時 尻尾を膨らませる などは 解っているが 人間は 動物ではない感情を 持っているので 一概に それらの動物と同じでない 場合も有るみたいである」と ドクター鎌田は説明した 私は感心して 聞き入ってしまった するとドクター鎌田は
「これからも 色々協力してくれたまえ! はっはっは!」と言って 席を立ってしまった あっけにとられた感じで 黙っていた すると 花蓮が
「あのー 良いですか」と私に 話しかけてきた 「又 メールしても良いですか?」と言ってきた 私は
「もちろん 良いですよ!」と言った時に ドクター鎌田が 帰ってきて
「会計は済ませといた はっはっ!」と笑った
店を出て 駅の方に向かって行った 途中で私は もう一つの疑問を ドクター鎌田にぶつけてみた
「すみません 鎌田先生は ストレスって 受けてるんですか? どんな ストレスなんですか?」と聞いてみた するとドクター鎌田は 一瞬ビクッとし
「私に ストレスなど無いー はっは!」と笑ったが その後ろで サラブレッドの尻尾は 上下左右 色々変な動きをしていた
私は このドクター 私たちにも 本心を見せていない と思った