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フラキル

 キーン コーン カーン コーン ある学校の放課後のチャイムが教室に響き渡る、

1年生の教室には2人の少年少女がいた。少年は机の上に並べた漢字のプリントを片づけていた。

 彼は3年生の藤本 健先輩、私が今まさに想いを寄せている先輩ですね。

真っ黒のゴン淵メガネ、常に眠たそうな瞳、そして夕方に近づくにつれ徐々に治る乱れた髪。

 一週間前にお姉ちゃんに健先輩と話す機会をちょうだい、と漢字プリントの問題が分からないという嘘の口実を作りお姉ちゃんが教えてやるという言葉も振り切って得たチャンスです!

漢字のプリントをこの一週間やらなかったのは痛いが、もうそんなことはどうでもいい!!

 時は来た、今こそ二カ月と一週間分の想いを伝えるぞ!!!

少女は椅子をなぎ倒す勢いで立ち上がった。それと同時に健の肩がビクッと弾んだ。

 「先輩、この後暇ですか?」

 「え、ああ・・暇だけど」

健は不思議そうな顔をして答えた。

少女は頬を赤らめることなく

 「私と付き合ってください!」

と発言した。

 健には一瞬、言っている意味がわからなかった。

だからこそ

 「・・・はい?」

と健は言ってしまった。それは言っちゃまずいことは承知のうえである。

が、少女はそれを聞いた瞬間

 「やった!」

と言った。

 「いやまてまて、はいって言ったけどそれ疑問文の方のはいだって」

 「え!?じゃあ先輩は私を騙したんですか?」

 「なぜそうなる!別に俺は騙したわけじゃなくてさ・・・その・・・突然なに?」

 「つまりです、この後暇だったら付き合ってほしいっていってるのですよ」

 少女はさらりと答えていく、実は健はこの少女の姉には何度も話したことがあるのだが、妹とは初めてなのである。

 健はプリントを片付けると口を開いた。

 「別にこの後付き合ってやってもいいぞ」

 無表情であったがそう答えてくれた。

 「じゃあ、次こそ喜んでいいんですね」

少女は尋ねる。

 健はそのままの表情「ああ」と答えた。

 「やったー!!」

 「・・・・あっそうだ、そういえば高橋妹、お前の名前聞いてね~んだけど」

健がそう言うと少女は健の方をジッと見つめて答えた。

 「高橋 なぎさ、1年生です」

教室に風が澄み渡った・・・

 




 

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