魔族の森のウェディングプランナー 〜追憶のサーシャ〜
──魔王と人の王との間に不戦協約が締結されたのが今より300年ほど前。当時の人の王は、ある法律を作りました。
それは……
『婚礼の儀により、番となったモンスターは、冒険者や勇者によるモンスター討伐の対象外とする』
種族番保護法。
以来、モンスターたちは、我が身を守るために、こぞって結婚するようになりました。
魔族の森にて、世界樹を後見人とした婚姻の儀を執り行う者が増えたのです。かくして魔族の森は、平和としあわせに満ちあふれた場所になりました。
この森では、そんなモンスターたちの門出を祝い、婚礼の儀のお手伝いをするエルフたちがいるのです。
彼らはどんなモンスター同士の結婚式でも成功させるプロフェッショナル。
さて、本日この森を訪れるお客様は……
声を失った歌姫の鳥人種と心優しい猪人種。
いったいどんな式になるのやら……
少し長めの短編ですが、エルフのウェディングプランナー、サーシャの慌ただしい一日がはじまります。
1
「なぁサーシャ。結婚式ってのは、ただ祝福されるだけじゃダメなんだよ。結ばれる二人が、幸も不幸も全部キッチリ受け入れる覚悟を決める……それが出来りゃぁ、後は上々、万事オッケーさね」
支配人さんは、いつも私にそう言ってました。
私が指揮を取る結婚式……絶対に成功させたいです!
けれど今日の結婚式、私の失敗で五百年前の歴史を紐解くことになるなんて、この時はまだ思ってもいませんでした……。
「おーい! テーブルと椅子の数が足りないぞ!」
「大変! 新郎側の親族が、もういらしているわよ!」
「まだミルクと木の実が届いてないだって!? ケーキどーすんだよ!」
──魔族の森の中央区画には、私たちが働く結婚式場があり、その横には、意思を持つ森の賢者、“世界樹さん”がおられます。私は大きな彼の顔の近くまで登って打ち合わせをしていました。
式場からのスタッフさんたちの慌ただしい声は、私の長い耳にちゃんと届いています。
「ふむ……今回はずいぶんと忙しないのぅ、サーシャや」
太い幹に人の顔を持つ世界樹さんは、しゃがれた声で私にそう言いました。
世界樹さんはエルフの私よりもはるかに高齢で、世界一の物知りさんなのです。
彼の頭の枝葉には、今日も世界中から鳥さんたちが集まり、お喋りをしています。隙間から差し込む木漏れ日は柔らかであたたかい。今日は新郎新婦さんにとって良い日になりそう……なんだけど、私、大丈夫かな?
実は、今回初めて、結婚式の総合プロデュースを任されたのです! 大役です!
「あはは……バタバタしちゃってすいません、世界樹さん」
苦笑いをする私に、世界樹さんは少し呆れた顔を向けたけれど、すぐに優しく微笑んでくれた。
「不安、期待、焦り、緊張……全てが入り混じった顔をしておるのぅ」
「世界樹さんは私のことをよくわかってますね」
「ほほほ、サーシャとは、長い付き合いじゃからのぅ。それにしても、今日は異種族間の婚姻と言ったな? 家族のみならず、互いの種族の長も来るのであろう? くれぐれも失礼のないようにするのじゃぞ」
「もちろんですとも、世界樹さん。今日、番になられるのは、鳥人種の女性と、猪人種の男性なんですよ。種族を超えた愛って素敵ですよね」
「それは良きことじゃ。とは言え、鳥人種と猪人種はたしか、五百年ほど前に大きな争いを起こしておる。はて……何が原因で、どうやって解決したのかは、ワシは忘れてしまったがな……今でもその遺恨が残っておるやも知れん。少し気にしておくんじゃぞ」
「はい!」
「それと、分かっておると思うが……記憶を掘り起こすでないぞ」
「大丈夫ですよ。それをやっちゃうと倒れてしまうのでやりません。それよりも、新郎新婦のドットさんとレオナさんは素敵な方でしたよ!」
実は、新郎新婦のお二人とは、先ほどはじめてお会いしたのです。穏やかな顔をした男性の猪人種、ドットさんと、もの静かな雰囲気の女性の鳥人種、レオナさん。
式の段取りは、支配人が直接二人と会って進めてくれていたのです。
「ここにいたのですか。探しましたよ、サーシャさん」
声の方に目を向けると、同じエルフのギイさんが私を見上げていました。いつも無表情で笑顔をみせないクールな男性です。
「あ、ギイさん。どうされました?」
「新婦のご友人たちから余興を行いたいとの相談がありました。至急別館へ向かってください」
「わぁ……花嫁のために余興を! これは是非とも協力せねばなりませんね!」
私は世界樹さんの幹から軽やかに駆け降りる……おっとっと! 世界樹さんの小さな根っこに足を引っかけ、転びそうになりました。
「おい、サーシャや、あまり張り切りすぎるでないぞ」
「はーい! 世界樹さん、本番はよろしくお願いしまーす!」
振り返って手を振り、私は別館へ急ぎました。
2
──本日の新婦のレオナさん。なんと、王都で劇団に所属していた方なのです。様々な演劇に出演した経験を持つミュージカル俳優さん。結婚を機に引退されるそうで、劇団に所属するご友人たちが、余興で歌のプレゼントをしたいそうなのです。
「それはとても素晴らしいアイデアです!」
相談を受けた私は両手を合わせて、つい大きな声を出してしまった。
「あ、あらそう」
新婦のご友人は五名。みなさん鳥人種でした。その中で代表のルナさんは、翼の先を口に当て、私の大きな声にややたじろいだ様子でした。
「あ、申し訳ありません! 私の方が興奮してしまいました」
本来ならば、劇場に足を運ばないと聴けない鳥人種さんの美声です。新婦さんのために披露するとは言え、森の中で聴けるなんて貴重な体験、役得です。劇団員のルナさんの声は、ただお喋りするだけでも透き通って聞こえます。
「じゃあ、これが歌詞よ、あらためて頂けるかしら?」
ルナさんが差し出した歌詞カードには、新郎新婦の新たな門出を祝福するオリジナルの歌詞が綴られていました。私たちがご用意した聖歌隊とは違い、少し演劇寄りの内容。これは喜ばれるに違いありません。
「これなら問題ありません! 大いに盛り上がるでしょう! では、余興は婚礼の儀のあと、披露宴開始から最初に予定しておきますね」
「ありがとう、エルフさん。私たち鳥人種は、全力で彼女の新しい人生の船出を歌で祝うわ」
少し目つきの鋭いルナさんだけど、ニコリと柔らかく笑った。
「みなさんは、レオナさんと同じ劇団の方なのですよね? みなさんにとってレオナさんはどんな方でしたか?」
そう聞くと、鳥人種のみなさんはお互いの顔を見合わせ、クスクスと笑う仕草を見せました。あれ? 変な事聞いちゃったのかな?
「じつは、レオナはね……声を枯らしちゃった鳥人種なの。もう歌うことはできないのよ」
ルナさんはそう答えると、他の鳥人種たちに手を向けて落ち着かせました。
「声を? では、レオナさんは歌えない……のですか?」
「えぇ、レオナは病気で喉を痛めてからは、掠れた声しか出せなくなったの。舞台を降りたあの子は、裏方の仕事を任されていたけれど、今回の結婚を機に劇団を辞めるのよ」
「そうだったのですか……悲しい出来事があったのですね」
美しい歌声に誇りを持つ鳥人種が声を枯らした……。これはレオナさんにとってとても辛いことだと思います。さっき会った時に声を発してなかったのは、そのせいだったのかも。
でも、結婚してレオナさんの悲しみを取り払うことができれば良いなと、私は心から思うのです。
「しかも、結婚の相手がレオナの昔からのファンの猪人種なのよ」
ルナさんの隣の鳥人種さんがそう言った。
「声が枯れてもファンでいてくれるなんて、あの猪人種は変わり者ね」
「私ならどれほど慕われようが猪人種は願い下げだわ」
他の鳥人種さんたちも続いた。少し棘のある言葉が気になる。レオナさんの友人だよね?
「おやめなさいアナタ達……ごめんなさいねエルフさん。この子たち、レオナに先を越されて悔しいのよ」
ルナさんは彼女たちを宥めました。私にはあまり理解できない感情なのだけれど、どんな種族でも女の子となれば、友人の結婚に少しくらい嫉妬したりもする。そんな子はこれまで何度も見てきた。
「大丈夫ですよ。気になさらないでください。では、余興は予定通りお願いします」
私は一礼して部屋を後にしたのです。
3
──婚礼の儀が終わった後、お客様がスムーズに移動できるように宴会場は世界樹さんの隣に建てられています。今、その会場ではスタッフのみなさんが忙しく準備を進めてくれています。
私は彼らを横目に、司会進行役のエルフ、ラエルノアさんに、鳥人種さんたちの余興の件を伝えました。彼女は椅子に座ったまま予定表に新婦側の余興を書き加えます。
「オッケー。一曲歌うくらいなら問題ないわ。つーか、新婦のレオナさんが歌えない鳥人種だなんて、なんだか可哀想だね……」
ラエルノアさんは私より少し歳上の幼なじみのエルフです。
「で、……アンタ、なんかあったの?」
私のちょっとした気持ちの浮き沈みはすぐに見抜かれてしまいます。
「な、なんで分かるんですか」
「わからいでか。あたしとアンタは姉妹みたいなモンよ。はじめて総合プロデュースを任されるプレッシャー……そして、さっき鳥人種になんか言われた?」
うっ……思わずたじろいでしまいました。
「とくに私が何かを言われたわけではないのですが、少しだけ、異種族への偏見というか……」
「あぁ……有翼の連中は他の飛べない種族を下に見てるところがあるからね。鼻持ちならないけど、あんま気にしちゃ駄目よ」
ラエルノアさんは立ち上がるとニコッと笑い、私を安心させるために頭をポンポンしてくれました。
「そんなことよりアンタ、新郎新婦の衣装のチェックは済ませたの? もうすぐ本番だよ」
私はハッとした。新郎のドットさんのタキシードは、肩周りが少し窮屈かもしれないと言われていたのです。
「み、見てきますね!」
あっちへ行き、こっちへ行きのバタバタのまま、猪人種と鳥人種の婚礼の儀は本番を迎えたのです。
4
柔らかな木漏れ日が差し込む世界樹さんの下、猪人種さんたち、鳥人種さんたち。そして森の住人が見守る中、ドットさんとレオナさんは肩を並べて世界樹さんの前に立っています。
礼服に身を包んだ優しげな顔つきのドットさん。純白のドレスとベールを纏った美しいレオナさん。チラチラとした陽光が、明るい未来を見通しているであろう二人の顔を照らしています。
「猪人種の新郎ドット、鳥人種の新婦レオナ。汝ら二人は、種族の隔たりを取り除き、偉大なる我ら魔族の王、バイシュドルフの名の下に永遠の愛を誓うか?」
この魔族の森で、婚礼の儀の神父をつとめる世界樹さんの問いかけに、二人は互いを見つめ合った後、落ち着いた声で答えました。
「はい、誓います」
その後、世界樹さんの両隣りにいた木の精霊、ドリアードさんたちが詠唱をはじめました。すると新郎新婦の二人が仄かな明かりに包まれ、無事に婚礼の儀が遂げられたのです。
ドットさんはレオナさんの額に優しくキスをしました。
「魔族の森に住まう全ての者たちへ告ぐ! 今この時より、この二人を夫婦と認めようぞ!」
世界樹さんの声で、木々で羽を休めていた小鳥たちは一斉に羽ばたき、鐘が森中に鳴り響くと、会場は祝福の拍手に包まれたのです。
「やるじゃん、サーシャ……」
私の隣にいるラエルノアさんが小声でそう言ってくれました。
実は……
小鳥が飛び立つ演出は世界樹さんのタイミングで。
ドリアードさん達の詠唱後の光る演出は魔法で。
木漏れ日がチラつき、花嫁を一層美しく見せるのは、あらかじめ計算して剪定をしたから。
ぜんぶ私が考えた演出なんです! えっへん!
私は「でしょ〜」と言ってニシシと笑ってみせました。
5
婚礼の儀が終わると、スタッフ総出で新郎新婦と来場されたみなさんを隣の披露宴会場へと案内しました。
みなさんが着席された後、正面ゲートから現れたドットさんはレオナさんをエスコートして会場前方の席へ誘導したのです。それにしても猪人種が野蛮だなんて誰か言ったのですか? 彼のスマートな所作に、私は魅入ってしまいましたよ。
猪人種の長であり、ドットさんのお父さまが来賓のみなさんへの挨拶をしました。その後、果実酒や麦酒、幼いモンスターにはジュースが振る舞われ、今度は鳥人種の長、劇団の団長さんに音頭を取っていただき、乾杯したのです。
ここまでスムーズに披露宴が進み、司会のラエルノアさんも、総合プロデューサーの私も少しだけ肩の荷が下りました。
次はいよいよレオナさんの同僚、ルナさん達による歌の余興です。私も楽しみです。
「みなさん、お食事、ご歓談中のところではありますが、ここで新婦レオナさんのご友人であられる劇団員のみなさまから、歌のプレゼントがございます。ステージ前方をご注目ください」
ラエルノアさんの案内で一同は静まり、ルナさんたちへ目を向けました。
ステージ上にはお辞儀をしたままの鳥人種達が横一列に並んでいました。佇まいまで美しいと思わせるなんて……流石はプロです!
やがて沈黙を破るかのように、ルナさんの美声が会場を包み込みました。
どこまでも澄んだ声……まるで春の風が吹いたかのように柔らかく、そして胸にストンと落ちるような旋律……そのルナさんの声に、他の鳥人種が声を重ねると、歌声の輪がよりいっそう広がりました。楽器を使わずに、声だけでこれほどまでに歌に力が宿るなんて、神秘的です。
なんて魅惑的で、なんて甘美な歌声……私もラエルノアさんも、思わず胸の前で両手を組んでしまっています。鳥人種は歌声で人間を魅了して骨抜きにしてしまうモンスターと言われていました。でも今では人間を襲う事なく、歌劇で様々な種族を楽しませるモンスターなのです。
「変ですね……」
私たちの後方にいたギイさんがそう言いました。振り向くと顎に手を当て、眉根を寄せています。
「変? どこがよ? アンタ歌劇に詳しかったっけ?」
ラエルノアさんが聞くと、ギイさんはなおも難しい顔をして私に聞きました。
「サーシャさん。歌詞の中身は事前に確認したのですよね? 彼女達の歌は、まるで掛け合いのようになっていますが……」
ギイさんに言われて、ルナさんに渡された歌詞カードを思い出しました。
「二人をお祝いする歌詞でしたけど……言われてみれば」
鳥人種たちが歌う歌詞の節々は『〜の』や『〜か』、さらに語尾を上げた疑問形になっていました。
そのことに気づいた時、ルナさんたちはステージから降り、新郎新婦のテーブルまで移動すると、レオナさんを囲みました。
「もしかして……歌わせるつもりだ!」
ラエルノアさんがそう言うと、ルナさんたちは膝をついて歌を止めました。彼女たちはレオナさんに向けて翼を伸ばし、続きを歌わせようとしている。
沈黙が会場を包みました。来賓の方々は、レオナさんが歌えないことを知らない人ばかりです。みんなレオナさんに期待の眼差しを向けています。
困惑するレオナさんへ、さぁアナタも歌いなさいとと言わんばかりに、ルナさんは冷たく微笑んでいる。
「と、止めてきます!」
私が新郎新婦の二人の元へ行こうとしたその時でした……ドレス姿のレオナさんは、ゆっくり立ち上がりました。胸に手を当て、不安そうな表情をしている。
やがて瞳を閉じたレオナさんは、大きく息を吸い込むと声を発したのです。
それはルナさんたちの透き通った声とは真逆の、刺々しく、掠れてザラついた声でした。絞り出すように背中を丸め懸命の表情で歌うレオナさんを見て、私は胸が締め付けられました。
「おやめなさい」
そう言ったのは鳥人種の団長さんでした。彼女の一言でレオナさんは歌うことをやめて俯いてしまいました。
「ルナ、なぜこのような事をしたのですか?」
咎めるような声の団長さんの問いに、ルナさんはこう答えました。
「今日、この会場におられる方々に、私たち鳥人種の美しい歌声と、猪人種と番になったレオナの歌声を聴き比べていただきたかったのです」
「それになんの意味が?」
「レオナはこれから王都を出て、ドットさんと猪人種の村で暮らすでしょう。そしてその村で歌を披露するとなれば、鳥人種の歌声はこの程度なのかと噂が広まります。団長……そうなれば、私たち劇団の評判が地に落ちてしまいますよ」
ルナさんにそう言われた団長さんは、思案して黙ってしまわれました。
ドットさんはレオナさんの肩に手を当て、ゆっくり席につかせます。
「大丈夫だよ、レオナ。キミの歌声は、今も昔も最高なんだ。僕の胸にちゃんと届く声なんだよ」
レオナさんの悲しそうな横顔を見て、私の胸はチクリと痛みました。
「え〜、鳥人種の皆さん! 素敵な歌のプレゼント、ありがとうございました!」
ラエルノアさんが締めくくろうとした時、大きな声が会場に轟いたのです。
「なんと素晴らしい歌声かっ! 我ら猪人種の魂を震わせる力強い歌だ!」
立ち上がってひとり喝采するのは、ドットさんのお父様、猪人種の長さんでした。
猪人種の長さんに続き、他の猪人種達も次々とレオナさんの歌声に賛美の拍手を贈りました。
「レオナさんにはぜひ、今年の典礼で歌を披露してもらいたい!」
思わぬ展開に、私たちが困惑していると、団長さんは立ち上がり、声を張りました。
「それは認めるわけには行きません!」
会場は静まり返り、みんなが団長さんに視線を向けました。
「こんな恥ずかしい歌声、どなたであろうとも聞かせるわけにはいきません……レオナは今後、歌う事を禁じます!」
その言葉を聞いたレオナさんは悲しい顔を浮かべ、視線を落としました。ふと、さきほど美声を披露したルナさんを見ると、あざけるように微笑んでいました。
「あいつら〜、これが狙いだったのね……」
顔を真っ赤にさせ、ルナさんに近づこうとするラエルノアさんを、私とギイさんは止めました。
「ちょっと待ってください!」
「抑えてください、ラエルノア」
「鳥人種の長よ。レオナさんは我ら猪人種の側の者になったのだ。お主にそんな権限はないだろう?」
「大いにありますわ。猪人種に嫁いだとはいえ、レオナが鳥人種でなくなる訳ではありません。レオナの枯れた歌声が世に広まり、私たち劇団の評価が疑われては困りますから」
猪人種の長さんと、団長さん。両者の視線がぶつかり合い、披露宴会場は緊張に包まれました。
このままだとドットさんとレオナさんの晴れ舞台が、種族間の争いに発展してしまいます!
「父さん、待ってくれ! レオナには典礼で歌わせないから、ここは納めてくれないか!」
「団長! 私は劇団の名を汚さないよう、今後は歌を封印します! ご着席ください!」
新郎新婦の二人はそれぞれの長へ、そう告げました。しかし……猪人種の長さんだけはご納得いただけないようです。
「ならん! 典礼の歌は、その年に婚礼の儀を交わした花嫁が務めるしきたりになっておる!」
猪人種の長さんはドットさんを睨みつけて言いました。
「なんのための典礼かは存じ上げませんが、本人が歌わないと言ってるのですよ。諦めたらいかが?」
「なんのため……鳥人種の長よ。本気でそんなことを言っておるのか?」
猪人種の長さんの顔には、呆れと、少しの悲しみが混ざっていました。
「……そうか。もう伝承は途絶えておったのか……我ら猪人種と鳥人種の間で取り交わされた契りは」
「なんの話か存じませんが、猪人種の長よ。ここは婚姻の場ですよ。歴史を振り返る場所ではありません。二人の門出を祝おうではありませんか」
団長さんは、ルナさんたちに元のテーブルに戻るように指示すると、自分も着席したのです。猪人種の長さんは俯いたままずっと立っています。その様子をドットさんとレオナさんは悲しい顔で見つめていました。
「無しじゃ……」
猪人種の長さんが、ふとそう呟いたのです。その一言で私の胸はドクンと脈打ち、嫌な予感が背中に覆いかぶさりました。
「今回の結婚式! 取り消しじゃ!」
猪人種の長さんの怒声が会場を切り裂いたのです。
6
会場はシーンと静まり返っています。
え? 取り消し? 今日の結婚式は、無し?
「ま、待ってよ父さん! 落ち着いて! 今更取り消しなんてできないよ!」
ドットさんは猪人種の長を宥めました。
「駄目じゃ……歴史を蔑ろにする種族との婚姻は認めん」
猪人種の長さんの力強い目は、その決心を確たるものと告げているようでした。
「いいでしょう。互いに価値観が違う種族同士、会い慣れませんね。いつまでも古い歴史に縛られている猪人種は、山に籠っておるがよい。我ら鳥人種は、これからも王都で歌を磨いて生きていきますので」
団長さんの挑発的な発言に、他の猪人種が声を荒げ立ち上がりました。
「おい! なんだその言い方は! 礼儀を知らん羽持ちめ!」
「羽だなんて、私らを虫かなにかと間違えているようね! わからせてあげましょうか?」
鳥人種たちも応じました。お互いが罵り合い、会場はたちまち両種族の喧騒に包まれてしまいました。
まずいです! このままでは、数百年続いた種族間の平和が壊れてしまう。結婚式が戦争の火種になるかもしれない!
「皆さん! 落ち着いて下さい!」
ギイさん、ラエルノアさん。他のスタッフさんたちがなんとか止めようとしますが騒ぎは一向に収まりません。
私は何も出来ず、ただ狼狽えていました。ふと、新郎新婦の二人に目をやると、両手で顔を覆ったレオナさんの肩をドットさんが抱き寄せていました。
ただ幸せになりたかった二人なのに……こんなことになってしまうなんて……
私の責任だ。
どうすれば? 私は……今の私にできることは……
もしかすると、鳥人種が、猪人種との歴史を再認識できれば、この場を治められるかもしれません!
私は過去に、世界樹さんから猪人種と鳥人種の戦争のお話を聞いているかもしれない。そしてその話を、五百年ほど前の記憶を私が思い出せれば……
……やるしかない!
レオナさんとドットさんの為にも!
瞳を閉じ、脳内に、水のようなしなやかな魔力を流し込むイメージを作るんだ。
記憶の扉の隙間を縫うように……内側から鍵をあける。
「悠久の編年史……」
私の頭の中には、過去に見た場面、会話、音、温度、匂いが混ざり合い、雑多な渦になって去来する。
違う……もっと昔だ。あれは山蘭が多く咲き、甘い風が森に吹いた年より五〇年も前……
魔王軍の幹部が、三十二番目の勇者に討ち取られた年……。
見つけた! 四百七十七年前。やっぱり、私は世界樹さんから戦争の顛末を聞いていたんだ!
世界中の鳥たちは、羽根を休めるために世界樹さんの元へやってくる。その時、彼らは世界の情勢を世界樹さんへ伝えている。だから、世界樹さんは、この世で一番の物知り。私は世界樹さんからちゃんと聞いていたんだ……
その時の会話が鮮明に思い出せた。全てを理解した私は瞳を開いた。目の前ではまだ、猪人種と鳥人種の小競り合いが行われている。
私は、ありったけの大声を出して、みんなの気を引いたのです。
「ちょっと待ってぇぇぇぇーーーー!!」
思いのほか大きな声が出てしまい、自分でもビックリです。おかげでみんなの動きを止めることができました。でも、私の声で振り向いたラエルノアさんは、顔を青くさせています。
「サーシャ……アンタ、能力使ったの!?」
悠久の編年史を発動させると、私の金髪は色と艶が抜けて白くなり、瞳が緑から金色になるらしいのです。
「ごめんなさい、ラエルノアさん。でも今は、ドットさんとレオナさんの力になりたかったんです!」
「そ、それで……何かわかったのですか? サーシャさん」
ギイさんは猪人種にもみくちゃにされていました。
「ハイ……」
私は団長さんと猪人種の長さん。二人に交互に尋ねました。
「……五百年前の両種族の争いの終結は、どのように伝えられているのですか?」
猪人種の長さんは、一度思い出すように考えてから答えてくれました。
「……我ら猪人種が鳥人種へ牙を贈り、鳥人種は我らに風切り羽を贈って終結したと聞いている……それ以来、毎年典礼で戦争の終結を祝っているのだ」
「私たち鳥人種も、猪人種から牙を頂いたのは聞いております。しかし、なぜそうなったのかは存じませんが……それが何か? 長寿であるエルフのアナタが、私たちの知らないことを知っているのかしら?」
団長さんは私に蔑むような目を向けています。その隣にいるルナさんも、同じような顔をしていました。
ドットさん、レオナさん……二人の視線が私に向いている。彼らの未来は私の過去語りにかかっています。
「私は、過去に世界樹さんから聞いていたのです……猪人種と鳥人種。二つの種族が争うきっかけとなったのは、北の地方で、互いの縄張りを隔てる一本の川でした」
私の話を、みんなは静かに聞いてくださりました。
「その川の底には、ある珍しい鉱物が採れたのです。それは、自然界で神力を蓄えた貴石……サリアルストーン。紺碧に輝くその石の採掘権を巡り、二つの種族が争いました」
「そうか……サリアルストーンだったのか……」
猪人種の長さんは、肩の力を抜くと、ゆっくりと椅子に腰掛けました。
「何を納得したのですか? 猪人種の長よ。このエルフの戯言かもしれませんよ」
団長さんはまだ懐疑的なままです。
「サリアルストーンを巡った争いは熾烈を極め、十年以上続く長い戦いになりました。しかし、一人の幼い鳥人種が立ち上がったのです……彼女の名前はジュリア。ジュリアは戦火となった川の真ん中で、たったひとりで一日も休むことなく休戦を訴える歌を歌ったのです。一切眠ることもなく……」
「歌を、ずっと歌いっぱなしなの!?……サーシャ!座って!」
少しふらついた私に、ラエルノアさんは椅子に座るよう促してくれました。
「矢と魔法が飛び交い、川が血で赤く染まる中、ジュリアは歌い続けました。そして五日後、ひとりの猪人種の戦士が彼女に近づき身を挺して、敵である鳥人種のジュリアを守ったのです……その人の名前は、マルコ」
その名前を聞いた団長さんの眉が、ピクリと動いた気がしました。
「ジュリアは争いを止めるために歌い続け、マルコはそんな彼女を庇い続けました。魔法で身を焼かれても、矢が突き刺さっても……休戦を乞うジュリアの声はいつしかしゃがれてしまっていました。そして十日後、ついに二人は川の真ん中で力尽きてしまいました……」
「そんな……」レオナさんは口を押さえ絶句しました。
「歌声がはたと止んだ川で、猪人種と鳥人種はそれぞれの武器を手放し、二人の元へと駆け寄りました。マルコはジュリアを抱き寄せたまま生き絶えていたのです……その姿を見た当時の鳥人種の長、みずからが猪人種の元へ出向き、休戦を申し出ました。その時差し出したのが……」
「サリアルストーンを装飾した風切り羽……」
猪人種の長さんが、私の言葉を繋げてくれました。
「父さん……それは、代々典礼で使用している、あの翼のことなのかい?」
「そうじゃ……実はワシらも詳しく聞き伝えられておらなんだ。そんな理由があったとは……」
猪人種の長さんは、目頭を押さえました。
「我ら鳥人種にも、代々族長が受け継いできた一本の牙があります。今は劇場の屋根裏に保管してありますが……エルフさんのお話が創作ではないことを証明してくださるかしら?」
団長さんにそう言われた私は、ふとレオナさんと目が合いました。心配そうな面持ちで私を見つめています。私は再び団長さんと目を合わせると、首を小さく縦に振りました。
「鳥人種に代々伝わるその牙にはある装飾がなされています。それはどんな装飾だったか、分かりますか?」
そう問われた直後、ズキンと頭が痛み、動悸が激しくなったのです。これは能力の代償。頭を押さえた私の肩にラエルノアさんが手を添えてくれました。
「お、猪人種から……鳥人種へ送られた牙は……“二本”あります。亡くなったマルコさんと、当時の猪人種の長さんの牙の二本……それぞれに名前が彫られています。装飾はされていません」
団長さんは目を見開いて驚き、立ち上がりました。
「それは族長の私しか知らないはず……アナタは本当に、過去を知っているのね」
「我ら猪人種は、その伝承を受け継ぎ、毎年典礼と称して歴史をなぞっていた……だいぶ中身は抜けてしまっているがのぅ」
猪人種の長さんの言葉にルナさんが反応しました。
「そ、それがなんなの!? だからと言ってレオナに歌わせるわけにはいかないわ! そうですよね? 団長!」
「ジュリアの枯れた歌声は、きっとレオナさんの歌声に似ていたのだろう。わしらの魂には、しっかりとジュリアの歌声が刻まれている」
猪人種の長さんも立ち上がり、みんなが見守る中、ゆっくりと団長さんの元へと歩み寄りました。
「五百年前、先に休戦を申し出たのは鳥人種のほうだった。今度は我ら猪人種から言わせてくれまいか……」
猪人種の長さんは片膝をつき、団長さんへ深く頭を下げたのです。
「さっきは結婚を取り消しだと喚いてしまって申し訳ない。重ねて、この晴れの舞台で争いを起こしてしまったことも許してほしい……」
突然の謝罪でみんなは言葉を失いました。
「もちろん、典礼でレオナさんには歌わせないことも誓おう」
「……あ、当たり前です! あんな歌声が世に広められると迷惑なのですから!」
頭を下げた猪人種の長さんに向け、鬼の首でも取ったかのようにルナさんはそう言いました。しかし、
「ルナ、お黙りなさい」
団長は、そんなルナさんをピシャリと断じたのです。ルナさんへ一瞥をくれると、団長さんも片膝をつき、猪人種の長さんに頭を下げたのです。
「私たちの偉大なるご先祖様が、争いを納めたことで今の私たちがあるのです。許しを乞うべきは、歴史を継承していなかった私たちの方です……申し訳ない」
互いの長が頭を下げる。その光景に習うように、猪人種と鳥人種も、さっきまで争っていた相手に頭を下げたのです。
「鳥人種の長よ、もしよければ今年の典礼にお主たちを招きたいのじゃが」
「猪人種の長。私たちは喜んで参加させて頂きますよ」
さっきまでの喧騒が嘘のように、会場は穏やかな雰囲気に包まれたのです。レオナさんもドットさんも、お互いの長が矛を収めたことに安堵したようで、文字通り胸を撫で下ろして見つめ合い微笑んでいます。
「ルナ、劇団を思うアナタの気持ちはよく分かります……しかし、美しいと思う感性はそれぞれ違うのだと私は気付かされました。よって、レオナには典礼で歌うことを許そうと思うのですが、アナタはどう思われますか?」
団長に諭されるように言われたルナさんは、苦渋の顔で唇を噛み、小さく呟いたのです。
「……それで、いいです」
その言葉を聞いた私は、少し安堵しましたが、ルナさんは絞り出すように言葉を続けました。
「私は……私より声が美しいレオナに嫉妬していた。声を枯らして、結婚して、劇団を辞めると聞いてからも、ずっとよ……」
「ルナ……」
ルナさんを見つめるレオナさんの表情からは、怒りも悲しみもうかがえない……何故か慈しみに近いものを感じる。
「もう歌えないレオナの声は、観衆の記憶の中に永遠に留められるの…いわば伝説となったわ。それでも私はこれからも歌い続けなければならないのよ? 一生勝てない相手と比べられるの……それが悔しくて、怖くて……だから最後に恥をかかせてやろうと思ったのよ」
告白をしたルナさんの体は小さく震えていた。
「私の声を、美しいと思っていてくれたのね? ありがとう、ルナ」
思いがけない言葉をレオナさんからかけられたルナさんは、ハッと顔をあげました。
「なんで? ありがとうだなんて……レオナ、怒りなさいよ……」
「怒らないわ……だって、私とアナタが今日歌ったから、サーシャさんを通して猪人種と鳥人種の歴史と絆を取り戻せたのよ。こんな素晴らしい日はないわ」
レオナさんはルナさんに近づくと、手を取り心からの感謝を告げたのです。ルナさんの頬を涙が伝いました。
猪人種と鳥人種……式を通して分かり合えた。私はそれを見届けると、安心からか、意識を暗い闇の底へと落としてしまったのです。
7
────「……まぶしい」
ゆっくりと瞳を開くと、私の体はベッドの上で横になっており、柔らかな毛布がかけられていました。
………………!
「結婚式は!?」
そう叫んで体を一気に起こしました。
「うわッ! ビックリした!」
私のすぐ近くには、ラエルノアさんが座っていました。彼女は思わず椅子からおちそうになっていました。私と目が合い、数秒の沈黙の後、ラエルノアさんは泣き顔になり、私に飛びついたのです。
「サーシャぁぁぁ! 良かったぁ! もう目覚めないのかと思ったぁ!」
「く、苦しいです!」
「鼻血ぶっ放して倒れたんだもん! 三日も眠り込んで、死んだと思ったよぉぉ〜!!」
どうやらあの後、私はとんでもない状態になっていたようです。
「やれやれ、かなり無茶したもんさね、お前さんは……」
声の方に目をやると、窓際には支配人のレヴァンさんが呆れた顔を私に向けて立っていました。私は彼女の顔を見ると、申し訳ない気持ちになり、つい泣いてしまったのです。
「レヴァンさん……ごめんなさい、わたし、式……失敗しちゃったぁ」
泣いてる私たちを見て、レヴァンさんは、プッと吹き出しました。
「あはははは! 失敗だって? んな事ないさぁね」
「え?」
レヴァンさんは私の隣に腰掛けると優しく頭を撫でてくれました。
「お前さんが頑張ったおかげで、式は大成功……上々さね。そうだろ? ラエルノア」
ラエルノアさんは鼻水を啜って答えました。
「はい! ずず……サーシャ、ドットさんもレオナさんも、アンタにすごく感謝してたよ」
「ほ、本当ですか!?」私は驚きました。ただ過去を語り、勝手に倒れただけの役立たずのはずなのに。
「団長も、猪人種の長も、アンタが目覚めたら是非お礼がしたいと伝えてくれって言われたんだよ」
「そんな……う、嬉しいですぅぅ〜」
今度は喜びで視界が滲みました。
「なぁサーシャ……私らエルフや長寿の生き物はさ、ちゃんと忘れなきゃ生きていけない生物なんさ。私はおそらく二千年以上は生きてる。昔のことほど覚えちゃいない……親の顔、生まれた場所、死んだ仲間のことも忘れちまってる、忘却しながら生を繋いでいるんさ。世界樹だってそうさ。五百年前にお前に話した事を覚えていない。記憶と忘却を繰り返している。でもお前は、悠久の編年史で過去を思い出すことができちまう……これは脳に相当な負荷を掛けちまうんだ、易々と使うんじゃないよ」
レヴァンさんは優しい表情で、それでも厳しくそう言ってくれました。
「はい、ごめんなさい、レヴァンさん」
悠久の編年史を使って記憶を呼び起こしても、今の私は五百年前のことを忘れているのです。
「そうだ! ラエルノアさん! 式は? みんなはあの後どうなったのですか?」
私がそう尋ねると、ラエルノアさんはニコッと笑いました。
「いいよ、教えてあげるね。あと後ね────」
8
────
四ヶ月後……
魔族の森は、年間を通して比較的穏やかに晴れる日が多いのです。今日も木漏れ日の中、私は世界樹さんの元で、出発前のおしゃべりを楽しんでいました。髪と瞳はすっかり元に戻っています。
「羨ましいのう……王都か、きっと楽しいことがいっぱいあるんだろう」
「いいでしょ〜。お土産いっぱい買って帰るからね」
ドットさん、レオナさんの結婚式の後、私達の元に、ある招待状が送られてきたのです。それは鳥人種の団長さんからでした。中身はなんと……
劇団鳥人種の新作の歌劇! 『ジュリアとマルコ』の鑑賞チケットなのです!
五百年前の猪人種と鳥人種の争いの終わりを描いた大人気作なんですよ! それに私とラエルノアさん、ギイさん、レヴァンさん、スタッフさんまでも招待してくれたのです! まさに役得です! そこにはドットさんとレオナさんも呼ばれているようでまた二人と会えるのです!
「まさかサーシャの語った話が舞台になるとは、鳥人種もなかなか目の付け所が違うのぅ。立派な商売人じゃな」
「ですよね。しかもこの劇の主演はあのルナさん。美声と枯れた声の二つを駆使してお芝居してるんですよ、相当難しいはずです」
「ははは、最後までレオナが歌うことに反対しておった者に、枯れた歌を歌わせるとは」
世界樹さんの大きな笑い声で数枚の葉が舞い落ちました。
「おぉーーい! サーシャ! もう時間だよーー! 汽車に乗り遅れるよー!」
披露宴会場の向こう側からラエルノアさんが私を呼んでいます。
「もう行かなくちゃ!」
私は世界樹さんから駆け降り、また転びそうになりました。
「あわわわ!」
「まったく、お前さんには、落ちつきがほしいのう」
────魔族の森は今日も平和で、柔らかな風が吹いています。この場所はこれからもモンスター達の結婚式をお手伝いする場所。私の大好きな場所……
悠久の時の中、私たちはいつか過去を忘れてしまう。それでも、また誰かの幸せを記憶するのです。
それが、私たちエルフの役目……
「じゃあ、行ってきます!」
おしまい
こんにちは、ねずただひまです。
『魔族の森のウェディングプランナー 〜追憶のサーシャ〜』を最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
今作は普段執筆している長編とは異なるテイストの、優しい物語だと感じ取っていただけたら幸いです。
連載中の長編を書きながら、これからも時々短編として発表していきたいと思っています。
おそらく次回は年末あたり……かな
『年老いたドラゴンが花嫁になる』物語を予定しています(๑・̑◡・̑๑)
公開した時は是非、またサーシャたちに会いに来て下さい。
★の評価、ブクマ、リアクションをもらえたら励みになります。
あらためて、読了ありがとうございました♪




