ガルム君の7日目(動乱)⑫
まだ気づいてない。
一気に距離を詰める!!
あの時と同じだ…
こちらを振り返り驚く顔を見せ。
横に吹き飛ばされる――
ズザァ!!
「ぐぅぅぅ!」
地面をえぐるほどの威力で吹き飛ばされる。
……重い。
やっぱり普通の魔物じゃない。
「うお!」
横に転がり伸びる尻尾を回避する。
地面に突き刺さるそれを見る。
瞬間―――
咄嗟に首を横にずらす。
「はぁはぁ」
(……近づけねぇ)
すぐ横に小金色の尻尾。
当たれば死んでいた。
その尻尾が首に巻き付く。
「ぐううう!!」
息が……
尻尾との間に腕を入れる。
上に持ち上げられソイツを見下ろす。
世界が反転した――
直後地面が迫る――
「グッ!」
咄嗟に頭を守ったが、
世界が揺れる。
体が持ち上げられ――
叩きつけられる――
(抜け出さないとやべぇ、腕に力を!!)
カチッ。
頭の奥で、何かが外れる。
「おら!」
――は?
――抜けた?
――軽い。
「手加減してくれたってわけじゃあなさそうだな」
驚愕に目を見開くソイツ。
地面に着地する。
「関係ねぇ…」
もう一度ソイツめがけて走る。
もっと!もっと速くだ!!
カチッ。
また頭で音が鳴る。
その瞬間――
目の前にソイツがいた――
お互いが目を見開き見つめあう――
「は?」
……近い。
――今しかない。
な?
(体が、動かない!?)
ドス!
鈍い音が下の方から聞こる。
「ごはぁ!」
口の中の鉄の味を無視して腹を見る。
腹に突き刺さる尻尾を見つめ膝が地面に落ち――
ソイツを抱きしめる――
そうか。
(お前の守っていたのはこれだったのか……)
「はぁはぁ……大丈夫……守るから」
ゆっくり立ち上がり木の根元に進む。
体を包ませ安らかな顔で眠るソレも持ち上げる。
「お前の父ちゃんか?それとも母ちゃんか?」
ゴホ!ゴホ!
血が目の前の木にかかる。
「お前が死ぬ事なんて……望んでないと思うぞ?」
腕の獣は抵抗しない。
見る余裕すらない。
「よし、村に……」
(違う、まだだな)
腰の剣を抜き放ち目の前の木を見上げる。
「頼む、信じてくれ」
相棒、頼む、今だけでいいこの木を切ってくれ。
カチ。
その音を聞く。
「ありがとう」
一閃―――
ズズ!
ドガン!
ごめんな。
キン!
剣を鞘に戻す。
切れた木の窪みに手を差し込み。
「うおおおおおおお!!!」
持ち上げる。
貫かれた腹が熱い。
血が口から洩れる。
ブチブチブチ!!!
取れた。
「大丈夫、守るから」
同じ言葉を出し村の方向に目を向ける。




