ガルム君の7日目(動乱)⑪
アストレアに話し終えた後「少し待て」と言われ、
目を閉じるアストレアを見つめていた。
待てない。
早くしろよ……。
「あっちをまっすぐに行きなさい、それと、村長に言って仮面を貰いなさい。魔族と知られれば面倒な事にしかならない」
指さす方を覚え、村長の元へ走る。
「村長!仮面貸して!早く!」
「ん?仮面ならわしの家に飾ってあるが…」
その言葉を聞き村長の家に入り壁に飾られた仮面をひったくる。
家を飛び出すとアストレアが目の前にいた。
「うお!」
「1個だけ守れ、北の方には行くな、お前では殺される奴が多数いる」
……背筋が冷える。
「行くのを辞めるか?」
……冗談じゃない。
仮面を付け森へと駆け出す。
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息が荒い。
熱が、肺に刺さる。
言われた通りまっすぐに走っている。
炎の海があろうと構わず進む。
森に入り、
音が変わる。
誰かが戦う声、甲高い音。
悲鳴、地響き。
気にはなる、けど……。
意識を前にだけ集中する。
目の前の木を避けると開けた場所を遠くに見つける。
あそこか?!
(何もいなければそれでいい)
火が広がる地面をさらに強く蹴り上げる。
開けた場所の中央に大きな木。
僕が見た光景は幻じゃなかった。
良かった――
来てよかった――
中央の木を見上げる獣――
炎に囲まれているのに――
目を奪われる。




