前へ目次 次へ 74/96 ガルム君の7日目(動乱)⑥ 地面に腕が落ちた。 「グワアアアアア!」 絶叫が木霊する。 切り口から血が噴き出す。 血の雨が、弾かれる。 半透明の壁。 ……アストレアか。 自分の手を見る。 剣は、まだ鞘に収まっていた。 アストレアをちらりと見る。 柄から手を離す。 「言うのが遅れた」 「村に入れば殺す、ただ――」 「わ!分かった村には入らないから!」 「お前は別だ」 後ずさる足が見える。 一歩、二歩―― 頭が落ちる。 遅れて、体が崩れ落ちる。 ……機嫌が悪い、じゃ済まないな。