表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第一話 君との再会

君の声が好きだった。

君の話し方が好きだった。

君の仕草が好きだった。


その全部があの日失われた。

2015年9月が終わる頃君はアパートの7階から自殺した。

「ぐしゃり」と言うあの音がいまだに記憶の中にこべりついてる。

何度も、何度も夢に出て、その度に起きると泣いている。変えられない過去なのにずっとずっと過去に戻りたいと思ってしまう。


10年経ったいまでも、僕は君のことを思って生きている。君のやりたかったこと。君のなりたかった職業。君の好きな音楽。全てに僕は縛られてる。


「そうだ、僕は君のために生きなきゃそれが僕のせめてもの償いだから」






2025年8月某所

この日は今年一の猛暑日と言われるほど暑い日だった。額からは止まらない汗。肌にはこべりつくシャツ。僕の体には水分は一滴も残ってないだろうと思えるくらい喉はカラカラ。それなのに気づけば砂埃舞うグランドの真ん中で大の字になって寝転んでる。

息は荒く、呼吸を整えるまで数分かかるほどだ。ただ、この瞬間だけは、君のことを想うことなく走れる唯一の時間だからきっと全力で走っていたんだろう。息を整えている時に見る大きな大空はものすごく綺麗で雲ひとつない青天だった。「君のお葬式もこんな青天だったな」ぼそっと言った言葉を自分の手で塞ぎ、「まただ」と内心思いながら君を忘れられないことを自覚する。僕にとって仕方ない発作のようなものだ。これが日常的に行われるから恐ろしい。天を仰ぎながら体が冷える前にまた、走ろうと思い体を上げ立ちあがろうとした。ふと景色が歪んだ。その瞬間頭に強い衝撃が走り、視界には先ほど見ていた青天が見える。ただ、先ほどの強い衝撃でゆっくりと目を閉じた。


何分か経った頃だろう。どこからか微かに女性の声が聞こえる。


「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」どこから聞こる声に少しばかり懐かしさを感じる。

次第に大きくなる声に懐かしさより、どこか胸騒ぎに変わっていく。「これは夢だ。」

暗示しながら目を開けた。予想は的中した。

そこには、好きだった君に似た人が立っていた。

「久しぶり」声を聞いた時涙が止まらなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ