08 これってお披露目ってこと?
まだ7歳設定の俺だが、支部長に首根っこ掴まれたまま居酒屋まで連れてこられた。
流れで今日は全部俺のオゴリということになってしまったみたいだが、大金をGET出来たのでまあ仕方がないとしておこう。
というか推定11歳のローブの少女も一緒について来ている。
冒険者馴染みの店なのか店主のオジサンが
「今日はまた大人数だな! こっちとしちゃ大歓迎だがな! はっはっは!!」
といいつつ後ろのスタッフに既に指で作業の合図を出している、このオジサン、デキるっ!
「いよぉーしみんな! 今日はこのチビッコ新米冒険者アルフォンスが、冒険者登録をしたその日にホーンラビット、プレーリークロウラー、リパルシブクロウを危なげもなくぶっ倒した! 今日の事は後々伝説になるぞ! いいかしっかり覚えておけ、この冒険者の名前はアルフォンス! そして今日の払いもアルフォンスだー!!」
「「「うおーー!! アルフォンスー! アルフォンスー!」」」
注文も何もしていないのに飲み物と肉がどんどん出てくる様に、盛り上がりも絶好調だ。
俺も腹が減ってきたので肉が食いたい!
「すいません、俺も肉食べたいのでそろそろ首のソレ、離してもらってもいいでしょうか」
「んなっ、おお! スマンスマン! あまりにも軽くて忘れてたなっ! ガッハッハッハ!!」
ちょこんと地面に降ろされてやっと解放されたので、空いている席、空いてる席と探したらカウンターしか空いてなかったので、椅子によじ登ってなんとか座った。
「あの、肉と肉と肉、それとサラダと野菜のスープとかもらえますか」
「って肉多いなっ! まあウチの肉は味付けが自慢だぜ! 待ってろすぐ用意するからな」
フンフンと肉~肉~と待っていたら、隣にカップがコトンと置かれローブの少女が座った。
「キミ、今日登録したばかりであの成果は異常だね、それと私もごちそうになってる、ありがとう」
「モンスターは今日初めて倒しましたけど、そんなに強くっていうか怖くもなかったですし、大丈夫でした」
「モンスターは?」
あ、やべ! この世界に来る前に誘拐犯2人殴り倒して来たんだっけ。
さすがに「人は経験あるんですけど、モンスターは初でしたー」なんて言えない。
「あ、いえ言葉のあやってやつです、特に意味はないですよ、あはははは!」
「まあいいけど、で、組合でも聞いたと思うけど登録したばかりの新米冒険者は皆Fランクから始まるの。だけどホーンラビットはランクEの上位、プレーリークロウラーはDの下位、リパルシブクロウはDの中位なの。 それをいきなり危なげもなく討伐してしまったんだから、きっと明日にでも組合から呼び出しがかかると思う」
「えっ! それって何か尋問されるとかそういう感じの!?」
「ではないと思う、でも悪いことではないから呼び出されたら素直に従ったほうがいいね」
「わかりました、そうする事にします、ご忠告ありがとうございます」
「それと、その言葉使い直した方がいいと思う。 下手に出てると面倒な事に巻き込まれるから」
「・・・と言うと、舐められるって事ですかね?」
「うん、そう、なるべく冒険者は冒険者然とした態度でいた方が無難、というかオススメ」
「そうなんですね、ありが・・・ あ、いや、そうなんだな、助かった」
「そうそうそんな感じ」
「なるほど、了解した」
「それと組合から呼び出しが掛かったら私に連絡してもらってもいいかな? 私も一緒について行くから。 ちなみにこの居酒屋の上は宿屋になってて、私はそこを借りてるから声掛けてね」
「あっ、俺今日泊まるとこなかった! 俺もここに泊まっていいのかな?」
「うん、空いてれば喜んで泊めてくれるし、それと長く滞在するなら最初に言っておくと安く済むよ」
「あ、そうだ名前まだ聞いてなかった、一応オレはアルフォンス、アルでいいよ」
「アルね、分かった。 私はタラ、そのままタラって呼んでくれていいから」
「了解、タラ。 なら、まずは・・・」
「はい! お待ちどーーっ! ウチ自慢の肉だ」
「食べますか!」
「なら遠慮なく、ごちそうになるね」
「「いただきます!」」
マンガ肉とまではいかなかったけども、骨付き肉でスパイスがしっかり効いてて美味かった~!
支払いは30万ゼニ越えました、飲みすぎじゃない!?
今日明日は出張になるので、早い時間での投稿になります。
ご覧いただき、ありがとうございます。
『 面白かった 』、『 続きが気になる 』と思った方は
「 ブックマーク登録 」や「 評価 」して下さると励みになります。
よろしくお願いします。