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07 これって連行ってこと?

「いよぉーし、皆聞いてくれー! 登録したばかりの新米冒険者アルフォンスと、飲んだくれ古株冒険者3名との勝負、皆も承知の通りアルフォンスの勝ちとなった!」

周囲からブーイングと歓声が上がるのが聞こえるが、何でブーイング? 俺、何かしたっけ!?

「書面にサインし宣言した通り、組合が素材を買い取る倍額を、この冒険者3名がアルフォンスに慰謝料として支払う事になっている」

えーっと、ホーンラビットの角が1本1万5千ゼニで5本だから7万5千ゼニ、皮が1枚1万ゼニで5枚だから5万ゼニ、合計で12万5千ゼニの倍額で25万ゼニ!?

おおっ! いきなり金銭問題解消したぞ、やったな俺っ!! 大金ゲットだぜっ!!

と思ったら急にワクワクしてきた!

「んじゃー、発表するぞー!」

支部長は算定結果が記載された紙を手にし読み上げる。


――――――――――――――――――――

■最初に持ち込まれた素材

  ホーンラビット ・・・・・・ 角5、 皮5


■先程の討伐の成果素材

ホーンラビット ・・・・・・ 角43、 皮43、 肉43

プレーリークロウラー ・・・ 外甲殻23

リパルシブクロウ ・・・・・ 嘴31、 風切羽620、 肉31


■素材単価

( ホーンラビット )

角    15,000

皮    10,000

肉       800

( プレーリークロウラー )

   外甲殻  23,000

( リパルシブクロウ )

   嘴     8,000

   風切羽      50

   肉       600

――――――――――――――――――――

■買取査定合計

   2,061,000

――――――――――――――――――――


「という査定内容だ! という事でお前ら3名にこの倍額「 4,122,000ゼニ 」を3等分した額、一人頭「 1,374,000ゼニ 」を今この場で支払う事を命令する!」

「・・・あぁぁ、んがっ・・・」「うっ、ぐっ・・・」「あだあだあだだだだ・・・」

あ、壊れたな・・・ って、え!?

「ええっーーっ!? 4百万ゼニーーーっ!?」

ってかさっき討伐した分もカウントすんのぉ!!? ビックリし過ぎてワナワナしてたら支部長が

「なにも心配するこたぁねぇぞ? ちゃんと書面に書いてある通りだからな。 それとお前さんの取り分は4百万ゼニじゃねぇ、組合の買取も合わせて6百万越えだ!」

支部長はニカッと笑うと小声で

「それに俺もしっかり稼がせてもらったしな!」

と俺の背中をバンっと叩いた。

「ガッハッハッハッ!!! よし、ベル! こいつらの借用書作成と奴隷商を呼んで手続きを進めろー!」

「了解です、支部長」

なるほど、さっき討伐挑戦する前にバンさんが1本指を立ててたアレって、賭けてたわけだ。

ってことは支部長は俺に掛けてたって事か、悪い気はしないな。

あ、それと受付のお姉さんベルって名前なんだ、憶えておこう。

冒険者3名は別室に連れて行かれ、ロビーには騒ぎたい冒険者でごった返している。

「いよー! アルフォンス! お前やるじゃねぇか! やるってぐらいじゃねぇ位強かったなぁー!」

バンさんがニッコニコで話しかけて来た、って事は

「もしかして、俺に賭けてた?」

「何言ってんだ、当ったり前だろー? お前がホーンラビット倒せるってことは俺が一番最初に知ったんだからなっ! あ、ちなみにさっきの1000ゼニはオマケしておく」

「え! あ、ありがとうございます」

そこで受付嬢のベルさんに呼ばれたのでカウンターに行くと

「精算金はどうしますか? チャージでよろしいでしょうか? それとも現金で?」

「チャージ!? って、え電子マネーあるの!?」

「エデンシマネーが何かは存じませんが、冒険者タグにお金をチャージする事が可能です、色々なお買い物にも冒険者タグの提示でお支払い可能ですので便利ですよ、ただし紛失や盗難には充分注意願います。 無一文になっちゃいますからね」

「マジですか! それはちょっとイヤですので、6百をチャージで残りを現金でいいですか」

「承りました、では6百ゼニをチャージいたしますので、タグをお願いします」

首にかけた冒険者タグを出すと、冒険者登録の時に使った水晶にカードリーダーのようなものが繋がっており、それにタグを読み込ませるとレシートのような紙がカードリーダーの下の部分から出てきた。

「いや、レシートじゃん!」

「いえ、こちらはレックシートですね、ご覧になっていただけますとお分かりのように入出金の記録と現在の残高が記載されておりますので、取引の際は都度ご確認なさったほうがいいと思います」

レックシート?? Rec(記録)シートってことか?

「なるほど、了解しました」

「そしてこちらが残額の現金183,000ゼニになります」

カウンターに四角形の金色コインが1枚、銀色コインが8枚、銅色コインが3枚置かれてある。

「あのー、お金の種類ってどのくらいあるんでしょうか? 全く知らなくて・・・」

ベルさんは嫌な顔ひとつせずに教えてくれた。

小さいほうから

   三角灰色 が 1ゼニ

   三角赤色 が 10ゼニ

   三角青色 が 100ゼニ

   四角銅色 が 1,000ゼニ

   四角銀色 が 10,000ゼニ

   四角金色 が 100,000ゼニ

   丸い白銀 が 1,000,000ゼニ

なんだそうだ、紙幣ってのはないみたい。

「ありがとうございます! 凄く助かりました!」

「い、いえ、お礼はいいので、あの、その、耳をもう一回触らせてくださいませんか」

「耳くらい全然いいですよ! はいっ、そうぞ!」

ベルさんの目の前に髪をかき上げて耳を出したら、即サワサワされた。

「ふはぁぁぁぁ~~~っ」

目がトロけてるんだけど、大丈夫かこの子? ちょっと心配になる。

「はっ! あ、ありがとうございましたっ!! 是非またお願いします」

「いえ、こちらこそよろしくお願いします!」

俺は一体何をお願いされたのだろうか!?

「よぉーし! 精算も無事終わった事だし、お前らこのまま飲みにいくぞー!」

支部長の掛け声で回りが「うおー!」と盛り上がる。

「ということで、俺は今日の宿を探さないといけないので、このへんで」

と立ち去ろうとしたら支部長にそうはいかねぇと首根っこを掴まれた。

「今日はアルフォンスのオゴリだーー!!」

「「「うおーー!! アルフォンスー! アルフォンスー!」」」

盛り上がり絶好調じゃねぇか!

首根っこを掴まれたまま居酒屋に連れて行かれた。

ご覧いただき、ありがとうございます。


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