世界そのまま社─その② /ある記者
以下は、宗教団体「世界そのまま社」の所有する各施設に 貼りだされている印刷物である。
(文言の下に写真が添付されている。写真は3枚である。それぞれにA3サイズの白黒印刷の薄っぺらな紙が写っている。四隅が画鋲で、緑色っぽいボードに3枚並べて留められているようである。紙には、小さな文字で、)
1.『朝露』
2.『幸運』
3.『瞼裏』
4.『木星』
5.『車輪』 6.『愛娘』
7.『烏賊』 8.『冬服』
9.『牡蠣』 10.『紐育』
これらは世界を変えうる。
もしくは変えられた世界で重要な存在となる。
(ここまでが1枚目の紙である。下に2枚目の写真が貼ってある。紙に書かれていることは、どうも1枚目の続きの内容になっている。)
うち、1,5,7,8は世界よりよく会教祖
・紙一重の「祈り」に関係するものだと考え
られており、1,5については関わりがほぼ
確定している。
2,6はどちらも特殊な「祈り」を持った人
間である。特に6は紙一重の血縁関係にある。
3は例の国、宗教。
4は紙一重の目指す「よりよい世界」の条件
だと考えられている。
実際にどれが世界を変えるのか、変えられた
世界の要なのか、その確率を数値で表現する
ことは難しいが、現時点で1は10の約数百
倍から一千倍ほど重視するべきだという認識
でいる。
(ここまでが2枚目の紙である。下に3枚目の写真が貼ってある。紙には1,2枚目の続きにあたる内容が書かれている。これまで2つと比べて小さな文字で書かれている。)
ほか、『胸骨』『睡蓮』『氷塊』『綱引』『魔王』『違法』
『筆談』『豊胸』『感傷』『留学』『四角』『密林』『散切』
『悪運』『骨壺』『真蜱』『瘋癲』『介錯』『画集』『詩集』
『豚肉』『遠雷』『半径』『祝電』『尊属』『空港』『合挽』
『独語』『八分』『代筆』『子音』『婚約』『水車』『衒学』
『女医』『京都』『悠遠』『背徳』『石鹸』『弾頭』『魚卵』
『竹馬』『泥酔』『翠雨』『盲点』『麵麭』『拳銃』『黒点』
『花粉』『爆弾』『性欲』『物干』『鬱病』『分譲』『重油』
『甘食』『油性』『灰皿』『彼岸』『蛍光』『観光』『宣教』
『雨具』『階段』『倒立』『飯盒』『城崎』『胡麻』『携帯』
『施錠』『卵綴』『白鯨』『煮沸』『窯変』『制服』『豆腐』
『硝子』『三目』『蟷螂』『胆汁』『日傘』『一円』『陪審』
『切腹』『田園』『取留』『郵便』『頓服』『加速』『火鉢』
『静脈』『羽虫』『双眸』『人形』『最北』『凝固』『鉄骨』
が候補として存在していたが、これらは著しく可能性が低い
と判明、もしくは判断、もしくはすでに支配が完了している、
もしくは破壊済み、いずれにせよ対処を終えている。
(画像の後、短くこう書かれている。)
基本的にこの記載内容が動くことはないが、先々週、『冬服』と『牡蠣』の間に挟まって「9」に相当していた『鉄骨』の件が解決したことで、『鉄骨』は重要対処対象から外され、繰り上がるかたちで「9」「10」にそれぞれ『牡蠣』『紐育』と記されるようになった。詳しくは先週送信した 添付ファイル『世界そのまま社─①』を参照。
今週はそういった記載内容の変更は一切見受けられなかった。
大平新 2013.6.28
(尚、このファイルは大平新(36)の勤める株式会社和日新聞・社会部に送信されることは無かった。)




