世界は広いほうがいいけれど
最初から
そうである必要はない
経験は多いほうが良いし
顔は広いほうがいい
友だちは沢山いたほうが良いし
頼ったりすがれるものも多いほうが良い
つまり世界は広いほうが良い
最初から
自分を狭める必要はないし
窮屈な所へ押し込められる謂れなんてない
だけど
それでも
広い世界が苦手な人もいて
沢山の人が恐くなってしまった僕がいて
例えばそんな人間がようやく見付けた
生きられる場所を
狭く小さな世界だからって理由だけで
壊そうとしないでください
確かに
隅っこの薄暗い場所で固まっているのは
健全には見えないのかもしれません
陽の当たる場所
仲間たちと肩を組みながら
泣き笑い合う姿のほうが
見ていて清々しいと思います
あの場所は
負けて逃げ出した末だったのかもしれません
それでも
そこで踏ん張って立ち上がって
生きている理由を否定する権利は
誰にもないはずです
広い世界を知ってさえくれれば
見てさえくれれば
そう焦る気持ちはわかります
実際それで人生を変えられた人もいるみたいです
でも
外から見たら
狭くて暗い世界でも
必死に生きようとしています
ちゃんと外を見て
焦って 迷って 悩んで
生きています
そこに閉じこもってろ
なんて言うつもりはありません
別に出ようとすること
知ろうとすること
止めるつもりもありません
ただ
今 そこで生きていること
否定しないであげてください。
狭いからこそ
知ること
気付けることだって
あるかもしれません
例えば空の高さとか
例えば一人の寂しさとか