第三話 『え、怖い』
主人公たちの学年設定忘れてました。
高校一年生の入学してすぐくらいぐらいです。
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朝の高瀬さんとの会話で高瀬さんが、完璧かつ俺のようなモブに話しかけてくれる女神様だったことが分かった。というか俺にほぼノータイムで気づけたのは恐らく彼女が初めてだと思う。
なんせ俺の両親でさえ一瞬間を置かないと気づけないからな!
……泣きそう。
おっほん!
気を取り直していきましょう!
朝あんなやり取りがあったが、午前中に関して言えば彼女は目立ったアクションは取らなかった。
午前中は。
(さて、いざお昼ご飯と行こうじゃないか!)
午前の授業を真面目に受け(例の如く一度も指名されず)昼休みとなった。
ちなみに心の中での独り言はぼっち生活の中で自然に身についたものだ。辛い。
俺の弁当は毎朝母さんが作ってくれている。といっても昨日の晩御飯の残りを詰めているだけだが。
そしてそれを食べるときに一緒に食べようと誘ってくる人は、いない。辛い。
「高瀬さん!一緒にご飯食べようよ」
「どうですか高瀬さん。僕らと一緒に昼食とりませんか?」
おっとこれは。
我がクラス名物イケメン2人、赤井陽介と斎藤修二による高瀬魅依争奪戦(笑)が始まったようだ。
これは入学してから止まることのない男同士の熱い戦いである。
戦績は大体五分五分の様子。
なお、戦いの大半が両方とも断られての引き分けなので2人ともそんなに高瀬さんとご飯を食べているわけではない。
(あの2人もよくやるよな〜。ま、関わらんようにしよ。面倒だし)
2人の負けられない戦いには特に興味がないのでとっとと俺の休憩スポット、屋上前の階段に移動する。
ちなみに俺の学校は原則屋上立ち入り禁止なので滅多に人は来ません。
……そう言うとこがぼっちの所以だって?
何だとこのや……はいそうですそのとおりでございます。辛い。
(早く行こ)
「すみません。今日はお断りします。また今度誘ってください」
「「ええ……」」
そんな会話が聞こえた気がした。
やあみんな、ぼっちのお兄さんだよ!
うん、俺ぼっちのはずなんだけど。
「どうしました葉山さん?私の顔に何かついてますか?」
「い、いや、別に……」
うん高瀬さん。あなた、なんでいるの?
時は数分前に遡る……。
「さて、到着っと」
屋上前、階段。
そこは人気がなく、生徒の喧騒も遠く感じひっそりとしていた。
(心霊系のアニメやドラマだと俺真っ先に殺されるキャラだよなー)
とか思いながら、俺は階段に座り込み、弁当を広げ……
「隣、いいですか?」
「え、あ、はい」
隣に高瀬さんが座り、改めて弁当を食べようと……
(ちょっっっっっとまってええええええええええ!!!)
思考、フリーズ。
いや待て待て。一体いつ高瀬さんきた?気配はおろか、足音すら聞こえなかったんだけど。
え、こわい。待って普通に怖すぎ。
ていうかやっぱ普通に高瀬さん俺に気付けるのね。
「本当は教室で一緒に食べようと誘うつもりだったんですけど、あの二人に誘われて」
「は、はい?」
「そしたら気づけば葉山さんがいなくて」
「そ、そうですね」
「で、葉山さんが行きそうなところって考えてみたら、ここかなあって」
「………」
結論。
高瀬さんのスペック、高性能すぎて普通に恐怖。
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