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オタク、オタク、オタク

オレは陰キャラだ


高校のクラスのカーストでも最底辺


アニメおたくでいつもラノベを読んでいるんだから仕方がない




でもいいんだよ


正しいよりも楽しいを選んだんだからな


一度っきりの人生楽しまないと損だぜ!





だから高校入学直後のクラスの自己紹介でも空気を読んで


「不通流です、趣味は読書です」


しか言わなかった





大体誰とでも仲良くなれるイケメンや陽キャラとは違うんだ


こちとら同類おたくとしか判りあえない欠陥品なんだ




自己紹介と休み時間にはラノベを読むという奇行のおかげで誰も話かけてこなくなった


ぼっち最高だな!





大体イケメンや陽キャラの背景はキラキラ光り輝いているんだ


見ているだけで気持ちが悪くなりそうだぜ!


ジャパ二メーションの特殊効果か!?


思わずそう思ったね


・・・一瞬この世界は実は二次元ではないかと疑ったのはオタクならではのアルアルである





ところがひょんなことからカースト上位の水田さんと知り合った


いや知りあってしまった





ただ(オレが)スマホを落としただけ、であるがな


オタ活のためのスケジュールが満載のスマホ


もちろん二次元嫁の画像も満載だ


それを落としたからさあ大変




リアルでの評価額は3万円(スマホ機種代)


だがオタク価格だと国が一つ傾くくらい


どこかの委員会から苦情が入る程の高価品だ


血の気が引いたね




学校中を探して探して探しまくった


机の中も探したぞ!


(人とかかわるのは嫌だけど)先生にも落し物がないか聞いた


でも見つからなかった



ガックリした





そんな時に水田さんがオレに声をかけてきた


「これって違う?」


見憶えのあるスマホケース


痛車ならぬ痛スマホ


オレのモノだった





「ありがとうありがとうありがとう」


スマホを捧げ持ちながらペコペコ頭を下げて感謝した





もちろん手なんて握らない


そんなことをすれば即その場で逮捕だ


そして明日から犯罪者としての地獄の日々が待っていることだろう





水田さんはちょっと引いていた


おや感謝の方向性が違ったようだ


まあ、口だけの感謝なんて無意味だから当然か


ここはオタクらしく等価交換すべきだろう




相手がオタクなら激レア品を進呈する


でも陽キャラだとどうなんだろう?


オレにはリアルで有効な装備品をもっていないぞ?


あと情報も





ピッピッピッピーン


閃いた





「感謝します


もしも好きな男子生徒が出来たら教えてください


その時は好きな食べ物から好きなアイドル、はては初恋の相手まで調べ上げて報告します」


下僕宣言をしてみた


額に手を当てて考えられた





恩返しが足りないようだ


やっぱりオタクにカースト上位の人間を喜ばすことは不可能なようだった




だったら追加してみよう




「あと、告白の結果が不調だった場合は教えてください


彼氏をどこかに誘いこんで貴方の素晴らしさを判るまで語ってみましょう」




水田さんのみけん皺が濃くなった


どうやらお気に召さないらしい




う~ん、これ以上は犯罪になるんだが?


でも水田さんはどうやらそれをお望みのように感じる




恩を返すにはやるしかない


どこかの骸骨のようにあえて悪者になってみせましょう





「貴方が望むなら彼氏の身体にリボンを巻いてお持ちしましょう」


どや顔で言ってみた





「持ってこなくてもいいから!」


逆に怒られた





・・・オタクに世間シャバの常識は難しかった

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