3人と新しい依頼
勇者がギルドから去ってしばらくして、三人もギルドにやってきていた。
彼らがギルドにやってきたのは、勇者の動向を探るためだ。
「驚いたな。本当にあの勇者は、パーティを首になってたのか!」
三人一緒に立ち並ぶ姿を見て、ギルド長はこぼした。
「首になったのは俺たちなんですけどね。」
ルイが言う。
「三人と一人に別れたのなら首になったのは一人の方じゃないのか?」
ルイの言葉にギルド長が首を傾げる。
「細かいことはいいわ!それより勇者はどう?」
エリザはどうでもいいと言ったようにギルド長に聞いた。
「黒龍討伐依頼を受けて、ぼろぼろで帰ってきたよ。換金に来なかったってことは、依頼は失敗だろうな。」
ギルド長の言葉に皆、押し黙る。
「本当は倒してて、まだ報告してないだけなんてことはないですか?」
シャルがおずおずと言う。
「さすがの勇者もそこまでアレじゃないだろう。」
ルイは苦笑いした。
「さて、お前らはこれからどうするんだ?」
ギルド長が聞く。
「わからない。」
ルイが言う。
「だが、勇者を待ちたいと思う。」
「私たちも同じ意見よ。」
「同じ意見です。」
エリザとシャルも答えた。
「待つって言ってもなあ。お前たちほどの人材を遊ばせておくことなんてできないぞ。」
ギルド長は困ったように言う。
「依頼があるなら俺1人でも何とかなりますよ。」
ルイは言うが、エリザとシャルに杖でたたかれる。
「あんたまで、1人でどっか行ったら許さないから…。」
「…私たち、仲間ですよね?」
ルイは失言に反省し、言い直す。
「俺たち3人で受けます。」
「…まあいいさ。お前たち用の依頼はこっちで見繕うから、明日また来てくれ。」
ギルド長が悩んだのは言うまでもない。
一夜明けて、3人は早速ギルドに来ていた。
ギルドがすいている昼前の中途半端な時間を選んでいるので、絡まれることもない。
3人は、受付でギルド長を呼ぶと応接室に案内された。
「ああ、早速ありがとうな。」
ギルド長が部屋に入ってくる。
その後ろに見慣れない少女が1人立っている。
「その子は?」
ルイが聞くと、ギルド長は笑う。
「お前らは他の勇者のことあんまり聞かなかったから知らないのも無理はないんだが…。」
ギルド長はきまり悪そうに言う。
「彼女は3番目の勇者アリシアだ。」
アリシアはお辞儀をする。
「初めまして、アリシアです。」
「ああ、そういうこと。」
エリザは納得したように頷き、ギルド長を冷やかな視線を送る。
「さすがに、手が早いですね。」
シャルも頷く。
「俺たちも舐められたものだな。」
ルイは苛立ちを隠そうともしない。
「待て、待て!確かに彼女と組んでくれたら嬉しいが、違う。彼女のパーティメンバーがみんな、黒龍討伐で怪我を負ってしまってな。彼女だけでも経験を積ませてはやれないだろうか?」
ギルド長は焦って言った。