灰黒コンビ
寮は10階建てで洋風の長屋のような建物だ。
中に入るとシンプルな内装でロビー、受け付け、掲示板などがあった。
掲示板の前に2人の男がいた。何かを話している。
目が悪くてよくわからんが
黒っぽい髪の男と灰色っぽい髪の男だ。
耳も悪いから盗み聞きもできない。
つくづく厄介な身体だ。
そう思っていると
恭平がその2人に話しかけにいった。
恭平
「何かあったんですか?」
黒っぽい男
「いや、勇者召喚が成功したんだと。
勇者召喚が成功したのは
初めてだからどんな奴だろうって話してたんだ。」
灰色っぽい男
「そういや見ない顔だな。転校生かい?」
「噂の勇者様はそこの童顔男だ。」
そう答えてやると
黒っぽい男
「良い上腕二頭筋してるじゃないか。しかもこんなに若いとは!もっと厳格なおっさんかと思っていた」
灰色っぽい男
「確かに良い骨格をしているな。
うん?勇者って2人いるのかい?」
「いや、僕はたまたま居合わせて
巻き込まれただけだよ。」
すると恭平は般若みたいな形相で
それはこっちのセリフだ!
と言わんばかりにぐりんっと首をこちらに向けた。
このひとこわい。無視しとこう。
そう思っていると灰黒コンビが爆笑しだした。
笑いのツボがわからん。
それからなんだかんだと気が合い、
彼らの部屋に招かれ、夕食をご馳走してもらった。
黒い方はユーリ、
ここの生徒会長をしてるらしく
一見クールビューティだが話を聞く限り脳筋らしい。
灰色の方はキース、
生徒会の参謀で、
基本的に紳士だが昔グレてたらしい。
「この学園の土地は古いからいろいろと
曰くがあるんだ。ーーーー」
むかしここら辺は前の文明の政府だったという話や影喰いという異形が学園近辺に増えているといった裏話を教えてくれた。
ユーリ
「キョウヘイはここに来る前から鍛えてたのか?」
恭平
「水泳部に入ってたから筋トレは毎日やってたかな。」
キース
「なるほど、通りで肩幅が広いわけだ。シノブはなにかしてた?」
「僕はインドア派なんでね、特に体育以外はしてないな。」
こんな会話をしつつ話はカイトとレイヴン、地球での話で盛り上がった。
もう22時だそろそろ帰らねば。