カイン神殿
この学園には神殿がある。
カイン神殿といって前の文明の聖遺物だそうだ。
施設を見て回っている時、その神殿の近くを通ると全身に悪寒が走り身体中にムカデが這うような嫌悪感に襲われた。
この神殿、聖痕でも彫ってあるのか。
忌々しい。
レイヴンも同じように感じているらしく
翼を震わせて嫌悪感を露わにしている。
それに気づいた恭平は
「この神殿君たちにとってそんなに危ないところ?
ここまで露骨に顔に出でるのは珍しいね。」
と呑気に聞いてきた。
「はっきり言って御免被りたいな。
ここは貴様らでいう禁忌の場所だ。
中に入れば水中にずっといるようなもの。
いまの私では10分持っていいところだ。
中を見たいのならカイトといってこい。」
レイヴンとその神殿を離れた。
恭平たちが帰ってきたところで寮へ行く。
部屋は2人1組なので必然的に同じ部屋になる。
今日から2人で暮らすのだがそこで一つ問題がある。
どちらも料理が殺人的に下手くそなのだ。
例えば中学の調理実習。
ハンバーグを作るはずが
恭平がもったいないからと玉ねぎの皮まで入れたり、たまごの殻を入れたり
私は私でフライパンの上でナツメグを大量に入れて粉塵爆発が起こりかけ、
天井が焦げるという悲しい事件があった。
…この日から我々は調理室に入れなくなった。
さてどうしよう。
考えているうちについてしまったようだ。