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暇神日記  作者: ジェリー
序章
1/46

そうだ異世界へ行こうか人間よ




人も書くという日記というものを、魔神の私も書いてみようと思って書くのである。




上記に書いた通り私は魔神であり

今、人間に紛れて生活をしている。


大昔、少しやんちゃして地球に幽閉されたがけっこう楽しんでいると思う。



今の名前は川名 忍


黒髪黒目の一般的な18歳の青年として

ある少年を観察するために毎日がんばって

擬態しているところだ。




ーとある高校にて



帰る気が失せるような太陽から逃れるように、更衣室から教室にいそいそと移動し廊下側の一番後ろの席に座る。


そして、凍ったペットボトルのお茶を叩き割りながら1人の男子生徒の挙動を観察した。  




そいつはすらりと背が高く、がっしりとした筋肉質の身体をしている。


しかしそのわりに困り顔がおもしr、綺麗な顔をしてる。

永瀬恭平、いわゆるイケメン好青年だ。


そして今世紀の観察対象でもある。



じー、と見つめていると視線に気がついたのか、話していた友人たちの輪の中からこちらにやってくる。




「なんだお腹すいたのか?忍。

次の授業終わったら昼休みだから、もうちょい頑張れ。」


と暑そうに手で顔を仰ぎながら言った。女子が騒ぎ出す。





これがイケメンの姿を見た女子の生態だと、理解はしているが煩い。



しかしなにをどう思ってそうなったやら

こちらはただペットボトルの中の氷を叩き割っていただけなのだが、、




「阿呆。貴様の変顔劇場を眺めていただけだ。馬鹿め。」


「うん、いつも通りだね。そのペットボトル日向に置いておいたら?まあいいや。次移動らしいよ。早く行こう。」




ふん、おもしろくない。

私の対応に慣れているからまったくもって面白みがない。




鬱陶しいくらい元気な太陽。


グループでかたまってドラマの話で盛り上がる女子


集まっているものの、黙々とゲームをする男子


いつもと代わり映えのない日常。



暇だ、暇すぎる。

もっと新しい刺激が必要だ。

ちょうどこの生活も飽きてきたしな。





ー放課後



「…ぶ。…のぶ。もう陽が沈むよ。帰ろう。」


この退屈さをどうしようかと考えているうちに、いつの間にか寝落ちしていたらしい。


校舎の濃い影が、血のように滲みながら沈んでゆく太陽の後を追う。



「…いまなんじだ?」



「6時半前だよ。何回揺すっても起きないし。暇だから本読んでた。」



恭平が読んでいたという小説を見る。



『つりしてたら異世界に飛ばされたので腹いせに世界を滅ぼす』



ずいぶんと物騒なタイトルだな




…異世界か、、こいつを道連れにして行けば少しは楽しめそうだ。よしこれにしよう。



「……うわぁ、ロクでもないこと考えてる時顔だ。嫌な予感しかしない。逃げよ。」



そういう彼の後ろにはすでに怪しげな光が



「ちゃんと後ろを見ろよ笑」



「えっ?あっ、、展開早くない!?無理無理無理無理無ー」




しっかりした体格の童顔の男が、

幾何学模様の青白い光に飲まれ、

底なし沼にはまったかのように沈んでいった。



…シュールだなぁ

何はともあれ、単純なやつで助かった。





2018年7月14日



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