96話 真珠
魚人達を押しのけてユキツグが突っ込んでいく。その後を追いかけて神殿へと入ると中に意外にも魚人の気配はなかった。神殿の入口にいた魚人が警護の全てだったのかもしれない。
「上でござるなっ!!サケ殿もうすぐでござるぞ。」
アピス達が神殿に入ると、もうユキツグは階段を駆け上がりはじめていた。
「ほぉ…。綺麗っ!!」
「んむぅ…。眩しい。」
神殿の中は床や壁などが真っ白で細かい光が七色にチラチラしている。階段の先を見上げると中央に橋が架かっていて、その中心の大きい真珠が青く光を放ち床や壁に反射して神殿の中は目がくらむ。
「アピちゃんっ!!まぶっ!まぶっ!!まっぶしぃのぉ〜!」
「見とれて場合じゃねぇぞ??」
「う〜ぬ!とにかくゆかねばの!!」
レオグに急かされ階段を駆け上がりはじめたが。アピスは、あの魚人達が気になりたまに入り口を振り返るが、神殿に入ってくる様子はなかった。
「レオグ〜魚人達なんで追いかけてこないんじゃろうか。」
「確かにな…。やばい感じがするぞ。」
橋へと辿り着いた時には既にユキツグが大きな真珠をゴンゴン叩いていた。
「シーチどのぉぉおお!!サケ殿が会いたがっているのだっ!!何卒ぉぉっ!!」
サケは橋の手摺に捕まりなんとか立っている状態だった。
「アピちゃんっ!!真珠がピカーって!!まぶしす!!」
「んぁ〜なんじゃ〜どぉなっちゃうんじゃ〜!?」
アピスは、サケに肩を貸そうと近づいた。肩は貸せないので、前からうんと手を伸ばし支えるような格好になる。ユキツグの様子を見るに、真珠の中に入るのは難しそうだ。レオグも一緒になって真珠を叩きはじめている。
「サケッ!なんとか止めることできないのかの??」
「あぁ…。この中に入れれば…。なんとか…。なるかも…しれない。」
「そんなこと…。言われてものぉ…。」
少し考えていると、魚人達の雄叫びやら悲鳴やらが神殿の中に届いてきた。それと共に魔人の足音もだいぶ近く感じる。魔人が一歩一歩進む度に振動が伝わってくる。
「ん〜〜〜あ〜〜〜。」
「シーチ殿ぉぉ!!何卒ぉぉ〜!!」
「硬いなしかし…。『氣』で思いっきりやってみるか??」
ユキツグとレオグが目を合わせ、やる気になっているところを、サケが止めた。
「俺が中に…。入る…。」




