79話 異変
ハクリとユキツグを残して、レオグに話をしてみようと船内へと入る。しかし、『氣』が使えなくなることなんてあるのだろうか、体調が左右することがあるのだろうか…。
そのどれとも当てはまらないだろうと、どこかで分かっていた。きっとこの胸の石のせいだろう。
「レオグー?いるかのー?」
レオグは、船の操縦席でなにかをやっていた。どうやら操縦用の杖を握ってなにかをしようとしているのがわかった。
「ん…。!?おっ!おう!!アピスじゃねーか!ユキツグの居合は終わったのか?」
「なにしてたんじゃ…レオグ。」
「おっおう…。いやな…。俺にも魔法がな…。その…。使えねーのかなってな!ガハハ!それはそうと、もうすぐ川が終わるからよ!川を出たら頼むぜ??」
「【カイダル】まで船の舵を切ればよいのじゃろう??」
「おうよ!!加速や減速もアピス次第だからよ!ちょっと練習してみるか?」
「してみるじゃ!」
レオグにそう言われて、操縦を変わる。杖を握って魔力を込めた瞬間。胸の石の辺りが急に痛みだした。なにか吸われていく感じだ。
「うぐっ…。」
「ん?どうした…?」
杖を握っていられなくなり、うずくまるようにするしかないほど痛い。
「おいおいおい。冗談はよしてくれよ?」
「レオグ…。痛いじゃ…。胸が…。」
胸の石が熱を帯びていくのがわかる。その熱に比例するように痛みが増していく。
なにかレオグが声をかけてくれている。
返事をしようにも声が出ないまま、視界が暗くなってゆく。




