72話 魔法都市の仕組み
「大魔法なんて聞いたことないのぉ…。」
「ほぉ!でっかい魔法ー??」
「拙者も初めて聞く。」
「まぁ…。そんな感じだな!ほれ空が紫色に光ってただろ?あれも大魔法の1つだ。都市を丸ごと守る仕組みになってる。」
「仕組みって…。【獅子の鍛冶屋】にないって言ってたやつかの??」
「それだ。都市に住んでるヤツの大半はある程度魔力を持ってるんだ。緊急時は皆で魔力を集めて都市を守るんだよ。」
「みんなの魔力…。ほぉ!じゃー学院の人達もなにかするの??」
「その準備でドタバタしてるんだろよ。」
学院生徒達もなにか都市を守る為に大魔法を使うのだという。魔力提供ならアピスも役に立たないか考えているとセレンの姿が目に入った。
「あっ!!せれにやー!!」
「んにゃ??アピにゃん!!今大魔法の準備だからっ!」
「せれにゃー!!ワシ役に立たないかの??」
「にゃ!魔力は多い方がいいにゃ!シャギ先生見てつけて話してみるにゃー!!」
「わかったじゃー!!」
セレンは、その場で足踏みしながら話しをしてくれたが、また走って行ってしまたった。シャギは何処にいるのだろうか。出来れば手伝いのだが、生徒と先生の見分けがつかない。
「アピス。すまねー手伝いたい気持ちはわかるんだがよ。オレ達は出発するぞ。」
「えっ!でもドラゴンいるし、雨も凄いじゃろ?それにそんなに急がないとだめなの??」
「雨が降ってるからなんだよ。ほれ川の岩がゴロゴロしてただろ?それが増水すると岩を気にせず船を出せる。」
「船で!?」
「おうよ!本来緊急時に大魔法で水を増やして脱出する方法なんだが、陸路を行くよりよっぽど楽だし早いからよ!楽ちんなのがいいだろ?」
「うーん。そうじゃけども〜。」
「もち。船乗るの初めてだー!」
「拙者は慣れている…。」
「せれにゃーに伝言を頼んでくるじゃ!!」
アピスは、以前セレンを受付してくれた人を探すとすぐに見つけることが出来たので、セレンにワ国へ行くことや、また必ず会おうと伝言をお願いした。
「じゃー行くぞ?」
「「うんっ!」」
「御意。」
レオグの後に続いて学院の中へと進んで行くのであった。