66話 一か八か
『氣』を溜めながら走る、急停止をする為に大剣を突き刺してハクリの手前で転がってくるゴーレムを迎え撃つ形をとった。
アピスは、大剣を手放し『氣』のポーズをとる。
「ふぅ…。これしか思いつかない。」
ゴーレムは、ハクリの大剣につっかかり今度は軽く跳ねた。アピスは合わせるように、右手、右足を引き構え直す。
「ウィンドボール!!」
右手で魔法玉を作り、右足を思いっきり踏み込んでさらに、左足でもウィンドボールを作り出した。
ゴーレムへ向けて予想を上回る速さで、アピスは大きく飛ぶ。右手の魔法玉がゴーレムに触れた瞬間、あの時に盗賊の男へとぶつけたものとは別物になっていた。大きさは変わらないはずなのに。
魔法玉は、ゴーレムへ当たるとアピスの身長くらいのクレータが出来て凄まじい勢いで壁へと突っ込んだ。
「…。上手くいったじゃ…。」
感覚的には、魔法玉を『氣』で包んだようなイメージだった。
ゴーレムは、壁に埋まったまま動けない様子だったので、ハクリを起こそうとしたのだが起きる様子が全くない。例のモチモチ目覚ましも駄目だった。
「このまま倒しきらないとまずいの…。」
壁に埋まったゴーレムを睨んで考える。
『このまま何回かやるしかないの。』
ゴーレムを斬ることが出来なかったのは、大剣に上手く『氣』が乗せられなかったせいなのどうかは、わからないがこのまま魔法玉をぶつけた方が確実だと考えた。
「おりゃっ!!おりゃっ!!」
壁に埋まったゴーレム目がけて、『氣』のポーズから左右交互に魔法玉をぶつけていく。止まったまま打ちだすと威力は小さいようで、先程のクレータほどではないが、ボコボコとゴーレムがヘコみ削れていく。
「んがぁぁ!コアどこじゃぁ!!」
何回続けたかわからず、肩で息をする頃にやっとコアを見つけることができた。
「んーーーっ!!!あったぁあ!!」
そのまま、アピスは拳に『氣』を込めてコアを殴りました。




