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57話 80号ゴーレム

 「むおおー!!…!? んぶふっ!!」


 「アピちゃん!?」


 アピスは、ハンマーに振り回されてコケてしまった。ハクリはそのままゴーレムの右側へと走ってゆく。


 「ゴゴゴ、ゴゴゴ。」


 ゆっくりとハクリを追いかけるように体を動かしはじめる。足を動かし地面につけるとドスンッと重量感のある音がドームに響きわたる。


 「アピちゃん!!ゴーレムん本当にノロノロだよ〜!」


 「んあ〜?確かに…。イテテ。」


 鼻血が出た。もう一度気を取り直して、構えなおす。呼吸を落ち着かせてハンマーを握る。


 「ふぅ…。」


 ハクリを追いかけるように、ゴーレムはゆっくりと歩いてアピスへ背中を向けている。


 「もっちー!!後ろからぶっ叩いてみるのぉ!!」


 「ほぉ!わかった〜!!」


 ハクリはブンブン手を振っている。


 「よっこいしょ…。いくじゃ〜!むおー!」


 『氣』がちゃんとハンマーへと伝わっていくのを感じる。重たいには重たいが、一体感がある。走った勢いを踏みしめて、ハンマーを振りかぶる。そしてそのまま振り抜いた。


 「んおりゃぁぁああ〜!!!」ゴガシャッ


 「ほぉっ!!」


 アピスのフルスイングは、ゴーレムの右腕に当たり吹き飛んだ。結構な手応えを感じたがゴーレムはヨタヨタしながら踏みとどまった。


 「ふぅ…。いい感じ??」


 「うん!!いい感じだの〜!!」


 攻撃を受けたゴーレムは、アピスへと標的を変えたようだ。しかし、本当に動きが遅い。


 「なんか遅いと言ってたけど、本当に遅過ぎるのぉ…。もっちー!次お願いじゃ!」


 「ほぉ…。行くぞー!ほぉぉああ!!」


 ハクリの走りは、アピスと違いハンマーの重みを感じさせないものだった。これも『氣』の習得具合なのだろう。ハクリは、大きく飛び上がりゴーレムの頭辺りにハンマーを振り下ろした。


 「ほぉぉぉおっ!!!」ズガべドーン


 ゴーレムの胴体が砕け割れ破片が飛び散る。


 「んおーー!あぶなっあぶなっ!」


 破片が結構大きくアピスを目掛けて飛んでくるものもあった。にしても呆気なかった。


 「凄い威力じゃのぉ…。もっちーハンマーで粉々じゃ…。」


 「はっはっは!だろう?」


 しかし、また音が聞こえてきた。飛散した塊のあれは左腕だろうか?形がまだ残っている。


 「「ん??」」


 左腕の落ちている地面がまたガリガリと音を立てて盛り上がっていく。


 「なんじゃなんじゃ!?倒せたんじゃなかったのかの??」


 「ほぉ!!ゴーレムん!!復活!?」


 「なんか。ガリガリ長く…、ないかの?」


 最初に出て来た時の大きさを越えて、ゴーレムは大きくなって行く。やっと止まった頃には2倍の大きさになっていた。


 「ほぉ…。もっとデッカくなったのぉ!」


 「ぎゃぁ〜!」


 もう、ハンマーを当てられるのは足くらいな大きさになり今度は頭もしっかりあった。目のような赤く光るものがついていた。


 「なんじゃ〜!!どうやって倒すんじゃ〜!もっちー!!」


 「はっはっは!!アピちゃん。もちにも、わからないのぉ!!」


 2人は大きくなったゴーレムを目の前に、もう一度ハンマーを構えるしかなかった。



 

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