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56話 魔法都市の最下層へ

 翌日、その最下層へと向かう3人。レオグは受付まで同行する。

 【獅子の鍛冶屋】は、都市の西側に位置していて、北側の川の上流側に位置するところに受付があり昇降機で最下層へと降りるのだという。


 「なんでワシらメイド服なんじゃ?」

 「もち。似合わないから恥ずかしす。」


 「がはは!いいじゃねーか宣伝だよ!宣伝!」


 レオグは、2人を両肩に乗せて歩いていた。メイド服を着ているおかげもあってレオグへ集まる視線はもの凄い。視線が集まる理由は他にもあった。両手にそれぞれハンマーを持っているのだ。


 「いぁ…。流石にここまで注目されるとのぉ…。」


 「ハクリの鍛冶もだいぶ良いからな!がはは!【獅子の鍛冶屋】宜しくたのむよー!」


 レオグは陽気に宣伝を初めた。ハンマーはアピス達2人分くらいの大きさで、『氣』を使わないと持てないほど重い。ハクリは普段から大小色んなハンマーで鍛冶をしているが今までで1番大きいハンマーだ。


 「レオグー。ワシ。ギリギリ使えるか使えないかのハンマーで大丈夫かのぉ…。」


 「まぁー…。ハクリがいるから大丈夫だろ!」


 「ほぉ…。」


 「いやいやいやいや!ワシがんばる!」


 ハクリにいつも助けて貰ってばかりで、アピスは気負っていた。受付へ到着すると、2人をおろしレオグが受付と話をしはじめた。ハクリはハンマーを担いでいるが少し重そうにしてるくらい。アピスはなんとか担いでいるがフラフラしていた。


 「よーし!受付済んだぜ!とりあえず2人は初めてだしな!肩慣らしで80号からスタートだ。」


 「ほぉ〜!80号ってゴーレムなの?大きそうだー!」


 「おうゴーレムさ!1号が1番デカイし硬い。」


 「ほぉ…。逆なのか!!」


 「なん…。か。アドバイス…。とか。ないのかの…。レオグ〜…。」


 「ん〜魔法なら弱点で攻撃すりゃ比較的簡単にいくんだがな〜。魔法学院ギルドは50号からスタートするくらいだしな。気合でぶっ叩くしかないな!アピスは魔法は使うな?『氣』の鍛錬だからよ!それにゴーレムは動きが遅い。攻撃は当たらなきゃ大丈夫だ。」


 「当たったらヤバイのかの…。」


 「結構ヤバイだろうな!」


 レオグになだめられながら、受付済みの証のネックレスを掛けられて昇降機の方へと押し出された。


 「いざとなったらハンマー投げて逃げ回れよ!アピス!がんばってなー!」


 「う…。うぅ…。重い…。」


 「ほぉ!アピちゃん!もち。お手伝いする??」


 「い、いや…。がっ、頑張る…。」


 2人は昇降機にのり、最下層へと向かう。川の大きさを見ることができて下へ向かうほど、川の音が大きくなる。水しぶきが顔にかかって冷たかった。だいぶ川に近づいた時に昇降機は止まった。


 「アピス様とハクリ様ですね?でわ、こちらのネックレスをお返し致します。80号は西側の洞窟に入って下さい。また倒したゴーレムが何体でもこちらで鉱石を回収し、後日【獅子の鍛冶屋】までお持ち致しますので頑張って下さい。」


 「ほぉ!なんか楽しそう!」

 「そんな倒せるかのぉ…?」


 2人は東側へと歩いて行く、最下層には魔法学院の魔法使いがチラホラいたのだが、皆西側にかたまっていた。東側にはあまり人がいない。最下層の洞窟にゴーレムが出るのは、精霊魔法で都市が作られたのが1番の理由だという。魔力が大地に影響し、ゴーレムが無数に湧くのだ。洞窟に辿り着くと、80、70、60、50と4つの道に別れていた。


 「お二人は80号ですね、でわ80と書かれた道をお進み下さい。出現するゴーレムは1体です。連続して続ける場合は一度部屋を出て再度お入り下さい。その際の注意と致しまして。再度お入り頂いた場合、ゴーレムが最大で3体71号までのゴーレムがランダムで出現しますので。無理はされませんようにお願い致します。」


 「う、うむ…。」


 「ほぉ!ワクワクだのぉ!ゴーレムん!はっはっは!アピちゃんがんばろー!」


 80の道へと進んでいくと、扉があった。この扉の向こうに出るとゴーレムがいるのだろう。なんだかドキドキしてくる。


 「ふんむ。気合いじゃ!気合いっ!」


 「ほぉ〜!フンフンっ!フンフンっ!」


 気合いを入れて扉を開けると、そこは大きなドームのようになっていた。地面も天井も岩剥き出しで、真っ白く光る玉が天井にいくつもぶら下がっている。


 「あれ?もっちー。ゴーレムおらぬの…。」


 「ん?本当だぁ…。空っぽだのぉ?」


 2人が首を捻っていると、ゴリゴリと音を立て地面から岩が盛り上がってくる。やがてそれが人のような形を取ったころには2人は目を丸くして固まっていた。


 「の、のぉ。もっちー…。これで1番小さいのじゃよね?間違えてないよね??」


 「ほぉ…。80の道をちゃんと来た…。と思う!」


 「で、デカくないかじゃ?」


 「おっきいのぉ!!はっはっは!!」


 現れたゴーレムはレオグの2倍ほどの大きさに見える。ズングリとした形で、腕が異様に大きい。それに頭がないような形をしていた。


 「ん〜が〜!!やってやるじゃ〜〜!!」


 「やるぞぉ〜!!」


 2人は、ゴーレムへと駆け出した。



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