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51話 さすが鍛冶屋の娘

 レオグは、また長々と話し出したのだが、こういうことらしい。鍛冶屋を目指してハクリの父『ダーテ』と争っていたが、自分の店を出す為にゴールドが必要だった。手っ取り早く儲ける為に冒険者となって割のいい依頼を受けて結構無茶をしたんだとか。その時、出会った子連れのパーティがアピスの両親とシャムナだったという。


 「子連れだったからよー!印象に残っててな!それに身の丈にあわねー大剣振り回す男が面白くてな!!ありゃ、剣というより鉱石の塊だったんだ、なのに綺麗に切りやがる。何度か貸して貰ったけどオレには枝すら切れなかった…。」


 「その子供が…。ワシかの…。」


 「あぁそうだろうとも!髪の毛も生えてねーチンチクリンだったけどな!ガハハ!」


 「もち。決めた!!レオグー。1つお願いがある!」


 「おっ…。おう!!ど、どうしたよ。急に。」


 「もち。レオグーの店を手伝うから!鍛冶を教えて!!」


 「…。なにを言うかと思えばそんなことか!ガハハ!父ちゃんからじゃなくていいのかよ?」


 「もちパパからも教わる!!」


 「ガハハ!まいったまいった!わかったよ!『ダーテ』の度肝を抜いてやるよっ!」


 「んっ!?えっ!?もっちー手伝うの??」


 「うんっ!!決めたっ!!」


 「じゃー…。ワシも!!ここで父の情報を集めるじゃ!!せれにゃーにも村のこと伝えたり、母からまた手紙が来るかも知れぬし!」


 「おっ!!助かるぜ!頼むぜじょおちゃん達!」


 レオグはデッカイ両手を差し出した。アピスとハクリは、レオグの手をとり握手したのだった。


ハクリは、流石鍛冶屋の娘だけあってかなにも言わずとも店の商品を磨いたり、床を掃除しはじめてやる気が溢れかえっていた。


 『ワシ、することなくないかのぉ…。』


 レオグを懇願するように見上げるのだった。


 まだ、お客が来ないのでアピスはレオグの鍛冶を見学することにした。凄い熱気の中、アピス4人分はあるかもしれないハンマーでカンカンと剣を叩いている。


 「これは、剣を作っているのかの??」


 「おう!そうだ!オレはここに『氣』を使う!」


 「んお!!剣が壊れたりしないの??」


 「ガハハ!打つ剣にも『氣』を流すのさ!『氣』と『氣』がぶつかってな普通にぶっ叩いて作る剣よりも折れない剣になるんだぜ!」


 「『氣』と『氣』をぶつける…。」


 なにがなんだか、さっぱりだったけども熱気は工房のものだけではなく、レオグからの熱もあるのだとわかった。


 「レオグー。ワシにも鍛冶というか、『氣』を教えてくれぬかの??」


 「お。おう。構わねーけどアピスは魔法使いじゃないのか??」


 「ワシの魔法じゃ、役にたたぬから…。」


 「ん?あぁ。すまねー。おう任せな!『氣』の構えはわかるか?」


 「これのことかの?」


 アピスは、ハクリに教わった『氣』のポーズをとって見せるとそのままそこへ水の入ったバケツを足の上に乗せられた。


 「まぁこんなもんか?1日それでカウンターとこで接客してみろや?」


 「んぐぐぐ…。ま、じ、が…。」


 「ガハハ!これが1番手っ取り早い!あとハクリにゴールドの勘定教えて貰えよ!」


 アピスはカウンターへと場所を移り、店の中を綺麗にしているハクリを呼んでゴールドの勘定を教わった。『氣』の構えでバケツを乗せたまま。


 「ん…。ん。うぬ…。もう一回…。おじえで。」


 「ほぉ…。アピちゃんプルプル!!もちはモチモチ!!はっはっは!!」



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