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48話 皆の行く先

 2人は、泳ぐように風呂を楽しんでいた。けれどアピスはユミールの人達が見つからないことや、母が無事なのかどうか心配していた。


 「もっちー。みんな無事だと思う??」


 「モチろん!!もち。もちパパもアピママも、みんな元気だと思うぞ?」


 「じゃよね!」


 アピスは顔をバッシャバッシャと洗って風呂を上がることにした。しかしなかなか脱衣所から出ることができずにいた、レオグの用意していたシャツの着方に困っていたのだ。普通に着ても首の部分が肩幅より大きいため、くぐり抜けてしまう。


 「ほぉ!これ、モチら何人くらい入るだろう??」


 「あはは!本当じゃの!でも〜どうやって着よう…。」


 結局、首元や袖、裾なんかをギュっと集めて縛って着ることにした。


 「裸よりはよいっ!」


 「レオグー!!お風呂出たじゃー!!」


 「おーう!こっち来てくれやー!」


 2人は、レオグの部屋へと入った。レオグはなにやら大きい紙に沢山文字の書いてあるものを読みながら肉に噛み付いていた。


 「適当に腰掛けてくれやっ!」モグモグ


 「レオグー。もちパパのこと教えてほしい。」


 「おうっ。任せな!」


 そういってレオグは大きな紙を折りたたみ、話初めた。

 ハクリの父『ダーテ』とは、鍛冶屋になろうと切磋琢磨した仲間だったという。色んな武器、鎧、盾を作っては2人でぶつけ合い、自分達の作ったもので競い合うようにしていたらしい。

 そして、半年ほど前に『ダーテ』がここを訪れたのだという。


 「本当アイツが来たときはビックリしたもんだ。20年くらい会ってなかったからな!初めはアイツかどうかもあやふやだったくらいだけどよ!商品に向ってブツクサ文句いいやがるから、叩きだそうとしたくらいだ!ガハハ!」


 「それで、もちパパは?何処か行ってしまったの??」


 「それがよ、ゆっくりしていけと言って止めたんだが…。急いでいるとか言ってよ?また来るって言って出てっちまった。それっきりだ。行き先もいいやしねーんだ。」


 「ほぉ…。じゃ〜わからないのかぁ…。」


 「いや。オレが思うに恐らく王都へ行ったんだと思う。」


 「王都??」


 「でも王都に、じょおちゃん達を行かせるわけには行かねーんだ。」


 「なんでじゃ??」


 「それがよ?」


 王都は、魔法都市から東に位置している。王都が初めているのは戦争の準備で、近隣のギルドから冒険者も集められている。カルーナの冒険者は王都の招集で出払ったのだと繋がった。

 戦争の準備や戦場となる可能性も考慮されてか、王都からの避難民が魔法都市へと流れているという。それで宿屋は賃金を上げていて、宿代の高さを知った避難民はさらに西の町へと向かったんじゃないかと言う。


 「じゃぁユミールの人達も??」


 「ん?ユミール?あー魔法使いの村か。理由はわからねーけど、魔法都市へ来たのならそうかも知れないな。」


 「えっ!もちパパは、なんで王都に??」


 「アイツは…。ダーテはな、竜石の武器が作れる鍛冶屋なんだよ。20年前にオレに見せつけてきたんだけどよ、とんでもねー剣だった。それっきりだ、アイツが行方をくらませたのは。それがひょこっと顔をだしたんだ。おまけに今度はダーテの子供ときた。ビックリもするだろう?ガハハ!!」


 「竜石の剣…。もちパパ…。」


 「おそらくアイツが魔法都市へ来たのは、竜石を譲ってもらう為だろうよ。戦争で勝つ為にアイツの剣が必要なのかも知れないな。しかしなにとやり合うんだか…。情報が全くないのが気持ちわるいぜ…。」


 ハクリは、どうすればいいか思案しているようだ。なにか遠くを見るようにして、ぼーっとしているようにも見える。


 「レオグ。ユミールが魔獣に襲われての。みんなで避難したんじゃ…。でも、母達が残って村を守っているじゃ…。ワシは母が無事か知りたいんじゃが。なにか手はあるかの??」


 「ん〜。文書鳥はどうだ?」


 「文書鳥??」


 文書鳥は、各地な向けて文書を運ぶ鳥のことで、ユミールへも届けられるし、ひょっとしたらアピスやハクリにも手紙が届いているかもしれないということだった。


 「ほぉ!もちパパへ手紙書く!!もち。無事だよって!元気だよって!!」


 「ワシも!!手紙!!」


 「わかったわかった!魔法都市の文書鳥店を教えてやるから、明日自分宛に手紙が来てるかどうか見てこいよ。そこで手紙も出せるからよ?たしか2ブロンズかな?」


 「うむ!それならあるじゃ!」


 手紙を書くことに決めた2人に、レオグが紙と鉛筆をくれた。


 「あとな。すまねーけど空いてる部屋は1つしかなくてな…。2人一緒でもいいか??まぁベッドもオレサイズだから、問題はないはずだ。」


 2人は、構わないと返事をして、部屋で手紙を書き始めたのだった。


 

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