表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/104

42話 お別れ

 次の日、アピス達は支度を済ませると服が綺麗になっていた。ハクリのポンチョの槍で穴が空いたところも綺麗に縫い合わされていた。


 「チルるん。これ…。」


 「あっ!あたしとお婆ちゃんで綺麗に洗っておいたの!!ただ、モチの袖だけは綺麗に付かなかったから…。よかったらそのワンピースを着ていって??」


 「ほぉ!これ貰っちゃってよいの!?ありがとうのぉ〜!!」ガバッ


 ハクリは礼を言いながらチルチを抱きしめて、頭の毛をモシャモシャ撫でまわしている。


 「あぁっも〜もっちー!!このー!!」


 「ほぉぉぉおお!!」


 チルチは、お返しとばかりにハクリの髪の毛をモシャモシャ仕返した。


 ハクリはワンピースの上からレザーのベストを着て、今まで着ていたスカートも一応その下へ履いた。

 アピスは、バッグを背負うと。チルチに出口までの案内をお願いした。チルチ達の隠れ家は、丘の上にあった悪党派のテントから西側にある森の中に位置していて、出口から南へ真っ直ぐ行けばまた川沿いに出られるようだ。


 「にゃ〜。魔法都市はもうそんなに遠くないはずにゃ!」


 「ほぉ〜!なんだか長かったのぉ!」


 「いや!まだ着いてないんじゃから〜。着いてからのセリフじゃの〜。」


 「でへへ。もち。頑張るのぉ!!」


 「あはは!本当、みんな盗賊団に入って欲しいなぁ〜…。」チラッ


 「それは出来ぬじゃ〜。母にも会いたいしの…。」


 「そうだよね…。」


 「また会えるにゃ!その頃にはワタシ凄い魔法使いになってるにゃ!にゃはは!!」


 「えっ!!じゃ〜あたしもウンっと立派になるんだから!!」


 「ほぉ!じゃ〜もちも!モッチモチになるの〜!」


 「モッチモチてなんじゃよ〜!あはは!」


 アピスは考えた、みんな目標がある。セレンは上級魔法使い、ハクリは父親探し。アピスは父親に会いたいだろうか?物心ついたころから写真と話でしか知らぬ父。ブローチをふと開いて歩きながら眺めていた。


 「あそこだよっ!!」


 チルチがそう言って走ってゆく。ハシゴが上へ向かって伸びていて。その先は葉っぱで隠しているのだろうか、みどり色の光が差し込んでいた。

 ハシゴの前でチルチは、寂しそうな顔をしていた。


 「ありがとう。チルるん!またのぉ!」

 「またのぉ!チルるん。」

 「またにゃ!絶対また会うにゃ!」


 「うんっ!!」


 3人は笑顔を作ってチルチに別れを告げ、ハシゴを登って外へと出た。魔法都市へと向かうために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ