4話 薬草と山菜を取りにゆく
魔法学校は、昼寝後に少し座学があり解散となる。午前の広場での授業により基礎魔法の完成となるので、近い内に卒業試験を1人ずつ実施していくとのことだ。
「余裕だにゃ!ワタシは魔法学院に行って魔法混ぜ混ぜしたいにゃ!!」
セレンがピョンピョン跳ね回りながら豪語している。2属性以上の魔法を混ぜて使用することを混合魔法という。相性やらなんやらと先生が軽く上級魔法についてセレンに説明をしている中、ダンケは意外にも村にのこる!と言っていた。
『…ワシどうしよかのぉ…卒業できたらじゃけど…』
学校が終わると、あちこちで何をして遊ぶだの、遊ばないだの魔法の自慢話など生徒達の輪があちこちで作られていた。その間をスルスル〜と抜けていち早く学校を出るアピス。
「さて〜!薬草と山菜採らなきゃのぉ〜!」
薬草はケガに塗る薬を精製したり、病気の薬にする為のもの、山菜はご飯。魔法使いの村でどうして薬草が必要なのかと言うと、『回復魔法』は魔法使いには使えない為、魔法学校で薬の調合なんかも授業として存在する。魔法は飛ばせないが、薬はちゃんと作れる。
回復魔法は『奇跡』と呼ばれるもので、僧侶の修行を積んだものでないと使えないと聞いたことがある。
一度家へ帰ると誰もいない家の中を駆け回る、母は村の共同畑で仕事をしてる。採取用のカゴを持ち、庭の裏の山林へ足を進める。
あまり奥へ入り過ぎるとモンスターが湧くので注意しなければならないが、薬草採取場所は安全なことを母に案内されながら確認しているので安心してお使いができる。
「ふぅぃ〜、到着っと〜。」
一息つくのは、お決まりの大きめの石で座るのにちょうどよいので指定席になっている。
「さて、やっくそ〜やっくそ〜♪〜♪」
変な歌を口ずさみながら、薬草を探してはもぎ取ってゆく。もぎ取ってゆくのだが…途中でやたらと取れない薬草を掴んだ。
「んあ??」
その薬草には、大きい土がついている…いや土じゃなかった。なぜか布?とよくよく観察してみる。すると薬草が…
「ほぉ…ほぉっ…ほぉぉ…ぉぉ…」
なんか喋った!?