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35話 テント近くで

 「あれが盗賊団のテントにゃ…。」


 「見えたのぉ…。」


 「ほぉ…。お婆さんどこだろぉ…。」


 3人は、悪党派のテントの見える所で身を低くしていた。辺りは真っ暗で、テントの中の灯りが固まって見える。


 「お婆さん見つけられたら1番いいんじゃけど…。なんか偉そうなテントとかないかの??」


 「ぷっ…。アピにゃん…。偉そうなテントって…。」クスクス


 3人は、正統派の盗賊団の長のお婆さんを探しているのだが、見つかりそうもない。それにチルチが来なければ突撃も出来ないのだ。


 「やっぱ無理があったかにゃ〜…。」


 「ほぉ…。チルるんならば、きっと上手くやる…。もち。来るって信じる。」


 「んっ!なんか声聞こえないかの??」


 「にゃ…。にゃ!?来たにゃ??」


 ・

 ・

 ・

 ・


時刻をさかのぼり、ハクリの『戦力があれば』の言葉にセレンが反応したところから、この作戦は始まった。


 「にゃ!?でも、そんなことできるかにゃ…。」


 「せれにゃーなんか思いついたじゃ??」


 「えっ!!あたし、出来ることならなんでもするっ!!」


 「ほぉ…。」


 「チルるんの盗賊の腕次第にゃ…。でもとっても危ないにゃ…。それに上手くいくかわからにゃい…。」


 「なにか盗むってこと!?」


 「なにを盗むんじゃ??」


 「ほぉ!!もち。わかった!『ゴブさん』だ!!」


 「「えーっ!?」」


 セレンが思いついたもの、それは戦力の差を『ゴブリン』で埋める作戦だった。盗むというのは、『ゴブリンの宝』。宝を盗み、ゴブリンを悪党派の盗賊団テントへ突っ込ませるのだ。夜働くゴブリンは、主に外で働くので、『ゴブリンの巣』に入って宝を盗み、騒ぎを起こして寝ているゴブリンも引き連れて来なければならないという、とても危険な作戦。


 「戦力を埋めるには、これしかないにゃ…。誰か呼べるとかできないし…。にゃ…。」


 「あ…。あたし…。やるっ!!」


 「でもじゃよ?チルるん失敗したら?どうするじゃ?」


 セレンは、うつむいて答えられなかった。


 「その時は!あたしのこと見捨てて下さい!」


 「でものぉ…。」


 「3人は避難している最中なんだしっ。無理を言ってるのは、あたしの方なので…。あたしが失敗したら、魔法都市へ向かって下さい!」


 その後も何度か反対したのだが、チルチは譲らなかった。お婆さんが本当に大切な人なのだろう。3人は、食事を終えて、チルチを助けることに決めた。


 作戦は夜が深くなってから、それまでに出来ることをしよう。アピスはハクリに剣の模擬戦をお願いした。大人達を相手にして、剣が全く通用しな過ぎた為だ。模擬戦をやったからって直ぐに通用するとは思ってないが、やらなければ気がおさまらなかった。 

 セレンとチルチが2人のもとへ戻ってきた。チルチは2本の短剣を腰にさしていて、ウエストポーチをたすきがけしていた。アピスの倒した男2人から取ってきたのだ。


 模擬戦にチルチに相手になって貰ったりもしたが、凄くすばしっこい。盗賊の足さばきを見て少し希望を持った3人だった。

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