33話 少女チルチ
チルチの容姿は、薄い水色の髪で前髪が長く肩くらいまでの髪形。服はオヘソが丸出しだ。随分と動き安そうな格好をしている。武器は持ってなかった。アピスたちよりも幼く見えるのだが、他に大きな特徴があった。耳が下向きへ尖っている。アピスの視線に気づいたのかチルチは話をし始めた。
「あたしは…。逆さ耳のエルフなの…。」
「「逆さ耳??」」
「そう…。下向きに尖っているでしょ?逆さ耳って言うの…。」
「『チルるん』の耳!かわよいよ??」
ハクリは早速、独特の呼び名を付けた。
4人は、アピスが配った食料を食べながら会話をしていた。持たされた食料は保存の効くもの、干し肉や乾燥させた種や果物だった。
チルチは自分の話を進める。エルフ国の出身なのだが、逆さ耳のエルフは忌み嫌われ両親と引き剥がされ国外へと追放されるという。幼くして追放されたので、両親について、エルフ国についての記憶がほぼない、ということだった。
「チルるんは、どうして捕まってたんじゃ??」
「えっ…。えっと…。それよりっ!!皆さんは??何処までいくの…??」
チルチは、とても困った顔をしながら話題を変えた。
「ワタシたちは、魔法都市へ行くにゃっ!」
「魔法都市…。」
「北からのぉ!魔獣さん達がドバッときてのぉ!!ヒナーンするのだ!」
「ひなーん??」
「避難じゃー!!それより、チルるん。なにか困っているの??」
「えっ…。」
そう言ったとたん、チルチは大きな瞳に涙を一杯溜め込んだ。なにか我慢しているようだったが、一気に溢れて来るようだった。
「ほぉ…。もち。お助けできる?」
「にゃっ!チルるん。困っているにゃ??」
チルチは、ボロボロと泣き出すと、少しずつ話だした。
「あっ…。あたしね…。あの男達の仲間なの…。」
3人はチルチの発言に理解が追いつかず少しの間、食べ物を口に含んで固まってしまった。




