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27話 セレンはどこへ??

 ハクリは、フーフーッと苦しそうにしている。回復薬が4つあったものが、アピスが1つハクリに2つ使ったので、残り1つとなってしまった。空いた水袋には、水を汲んで入れてある。それが丁度冷たく、ハクリの熱に良さそうだったので、寝ているハクリのオデコに乗せてみた。


 「ほぉ…。ほぉ…。きもち…。よいの…。」


 「もっちー!気分はどうじゃ??なんかできることあるかの!?」


 「だぃじょぶ…。もち。寝れば…。」


 ハクリは、そう言って寝てしまった。セレンはどこまで行ったのか、しばらく姿が見えない。ここ、遺跡後にはチカラが残っていて、魔獣は近づかないと聞いているが、なんのチカラが残っているのか気になる。

 アピスは、水袋の水をちょくちょく交換しては、ハクリのオデコにのっけている。水袋を交換しながらアピスはゴブリンとの戦闘を何度も頭の中で考えていた。ハクリが盾を使ってぶん殴ったこと。あの時アピスがどう動けばハクリに傷を負わせずに済んだかなど。


 『少なくとも、杖より剣を選んで良かったじゃ。』


 レイピアを手にしなければ、踏み込み込んで突く動作を練習しなかっただろうし。前に出ることを躊躇したかもしれない。剣を握ったことで、アピスは、『レッドベアド』(クマ)と戦ったときよりも勇気がついたように思えた。


 『もっちーも、これじゃ動けないし。ここで一晩じゃの…。ならば!『氣』の練習じゃ!』


 ハクリの横斬りは、凄かった。ゴブリン2匹をまとめて、ぶっ飛ばすのだから。『レッドベアド』の突進を止めただけの事はある。

 セレンの魔法も凄かった。威力も数も。自分が仮に『ファイヤーボール』で攻撃しても、真っ黒になるまで焼けないだろう。

 アピスは、またハクリの水袋を交換してあげると。『氣』のポーズを始めた。


 『んぐぐぐっ。やっぱ辛いのっ。』


 セレンを待っているのだが。遅すぎないだろうか。2回ほど『氣』のポーズを取って休憩しながら考えた。仄かに照らしてくれていた日の光が段々とオレンジ色を帯びて来て薄暗くなってきている。


 「せれにゃ〜おそいのぉ〜。」


 ハクリの寝息は大分落ち着いて来ていて。回復に向かっているようだ。灯りを確保する為に、アピスとハクリのランタンを2つ並べたあと。火属性の魔法玉を作り入れて灯りとした。


 「やっぱ光属性明るかったのじゃのぉ…。火属性じゃあんまりじゃのぉ…。」


 お腹が減ってきた。セレンが戻ったら、ご飯にしようとハクリに呟いた。

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