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23話 遺跡後の目印

 アピスはレイピアを使う練習をしながら進んでいた。踏み込みが大きいほど強く、リーチが長くなるけど。避けられたら、どうしようかと思案する。

『空いた左手に、もっちーのように盾があれば防御出来るのに。』

 レイピアの先から魔法を出す、という発想を試したりもしたが、先から出た魔法は攻撃に使用するにはとても弱い物だった。やはりその点は杖の方が魔法を使うのに適しているようだ。

 お腹の下に『氣』を感じることもまだない。『魔法』もそうだったが、『氣』も、簡単に身につくものではないようだ。


 セレンとハクリは風属性の魔法について話し合っている。アピスがセレンに教えてあげるように頼んで、ハクリが抱きつかないことを条件に了承してもらった。その時のハクリの顔の微妙な表情は、なんだか笑えてしまうものだった。

 ハクリは両手で、風をかき混ぜている。風を感じる練習だ。セレンは横で、指示をビシビシ出していた。セレンの教え方は、アピスの教え方と違い的確で、まるで本当の魔法の先生のようだ。


 遺跡後の目印は、入口にボロボロの石柱が両脇に立っているというが、あれのことだろうか。なんとなくだが、白っぽいものが立っているのを見つけた。


 「せれにゃー!あれ!目印の柱じゃないかの??」


 「んにゃ〜??」


 セレンは、目を細めて遠くを見る。尻尾がニョロニョロと動いていて後ろから見るとハクリの抱きつきたい気持ちがなんとなく分かるような気がした。


 「あれのことかにゃ??たぶんそうだにゃ!!」


 「ほぉ!!もーすぐー!!」


 段々と近づくにつれて、なにやら奇妙な音が聞こえてくる。3人は音に気がつき、顔を見合わせる。その音は金属を打ち付けるような音や何やら喋っている声、時折汚い笑声まで聞こえる。岩の影になってなにがあるのか見えないのだが、明らかになにかいる。それも沢山。


 「なんじゃ。なにかいるの。」

 「ほぉ…。なんか楽しそー。」

 「2人とも、ちょっと待っててにゃ…。」


 自然とヒソヒソ話で会話をする3人。話声がハッキリ聞こえる距離まで来たのだが、その話声は、「ガキョガギョ」や「グーガグーガ」などの理解できない声だったからである。


 セレンは、2人を岩影に残し。姿勢を低くして様子を見に行った。すると、すぐに戻って来て困った顔をするのだった。


 「困ったにゃ。『ゴブリン』達がいるにゃ…。」

 「ほぉ!『ゴブリン』さん。久しぶりだのぉ…。」

 「久しぶりって。もっちー戦ったことあるのるの??」

 「剣の先生に連れられてのぉ。1体1で決闘したのぉ。」

 「凄いじゃ…。」


 「うにゃ…。でもパッと見にゃ。20匹はいたにゃ…。」


 「「20匹!?」」


 驚きの声を抑えつつ。3人はどうするか考え込むのであった。


 

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