22話 川沿いへ
焚き火の最後には、『ホーンピッグ』の残骸を入れて、さらに魔法で燃やし尽くした。ハクリは、両手を合わしている。太陽の位置を見るにお昼くらいになるだろうか、まだ少し眠気が残っているが、3人は休憩地点である遺跡後を目指し始めることにした。
「アピにゃんは、変った杖を持っているにゃー。」
「これは、杖じゃなくてのぉ、剣なんじゃ。」
「んにゃ??」
セレンは、首を傾げている。アピスはハクリにレイピアの使い方について質問をしてみた。
「ほぉ…。えっとのぉ。こんな感じに構えて…。ツンツン!!ツン!!とする感じ。」
ハクリは、剣を抜いて立ち止まり。低く構え、胸の辺りから剣を押し出すようにして何度か突きを見せた。
「『氣』のポーズからやる感じー?だと思う。ごめんのぉ。もち。下手くそで…。」
「ううん。なんとなく分かったじゃ。」
アピスも剣を抜き、見よう見真似でやってみる。
「なんか格好いいにゃ!」
なんとなく様になっている、ようだった。
遺跡後までの道は、崖沿いを歩いて行き途中で下の川沿いへ降りられる場所があるのだと言う。アピスは、セレンに提案をした。
「せれにゃー、魔法都市まで行くのにケガとか病気もするかもだし、薬草あったら採って行かない?」
「そうだにゃ〜。うにゃ。そうしようにゃっ!」
「ほぉ!もちも手伝う!!」
崖下まで、どの位高さがあるだろう。最初に【アストルム】を見た場所よりは、だいぶ低くなってきている。崖沿いを歩くにつれて【アストルム】が見えなくなり、代わりに背の高い木々が見えるようになってきた。
「ここから降りるにゃ。落ちても死にゃにゃいと思うけど。落ちないようににゃ??」
崖の終わりに辿り着いた、下まで高さは5メートルくらい。セレンは、崖のデコボコに足をかけて降りてゆく。アピス、ハクリも同じように降りた。
無事に川沿いへ降りると、川は思っていたよりも大きく流れが早い。大小様々な岩がゴロゴロしている。
「はぁ…。お風呂入りたいじゃ…。」
「流れが早いからにゃ〜。水浴びもできにゃい。」
「ほぉ!!せれにゃーの水浴び!!でへへ〜!」
「にゃっ!!モチは、見張りにゃ!!」
「えーーっ!!良いでわないかぁ〜!!」
そう言って、ハクリとセレンの追っかけっこがはじまる。しょうがなくアピスは2人を追いかける。3人はワイワイと川沿いを進んで行くのだった。