2話 魔法学校
朝、窓からの光に当てられ目を覚ますと目をこすりながらアピスは階段を降りる。
母が朝食にパンを焼いているようで、2階の自分の部屋まで香ばしい匂いで満ちていた。
「おはようアピス。また薬草と山菜を学校帰りにお願いね!」
「おはよ〜母〜。ん〜わかったじゃ〜。」
アピスは薬草と山菜取りをよく母に頼まれる。学校が終わるとだいたいの子供たちは遊びに出かけるというのにアピスは、たま〜にしか遊ぶことができなかった。
パンをかじりながら、魔法学校の今日の授業は〜…などと考えている。『たしか基本魔法の固定イメージ??とかなんとかだったかな?』
「アピス今日も学校頑張るのよ〜?」
「うぬ〜…」
なんて話をしながら、支度をして学校へ向かう。魔法学校といっても小さな村の学校。それも村長の家。生徒数は30名で同じような歳の子が集まって段階的に魔法を学んでいる。
アピスは、なんとか最終段階クラスに入ったものの卒業できるのだろうかと学校へ向かいながらホゲ〜と空を見上げていた。
「おっはよ〜う!アピス〜!」
陽気な少年は、同じクラスの人間族の男の子、黒髪短髪の容姿で『ダンケ』だ。
「ういうい〜…」
やる気のない挨拶で返すアピス。なにせあの陽気なダンケが優秀なこと優秀なこと。
「そっかぁ…まだ飛ばせないのか〜…まぁこう、ぶんっ!と出してぴゅ〜!って感じだぜ?」
「そのぴゅ〜!がぴゅ〜↘なんじゃよ!!」
「そんならぴゅ〜↗っとさ!ぴゅ〜↗!」
「ムムムムムムム!……プシュ〜↘」
そんなやりとりをしている内に学校へ着いたのだった。村長が扉の前で生徒に挨拶をしながら迎え入れている。
「おはようじゃ。おはようじゃ。おはようじゃ。」
アピスの語尾の『じゃ』や『私』ではなく『ワシ』なんかは村長の影響からで、どうもにも治らないクセのようになってしまっている。
「村長〜おはようじゃ〜。」
「おっはよ〜!村長〜!!」
「おはようじゃアピス。ダンケ。」
アピス達のクラスは現在8人である。今日の授業は魔法の固定イメージについてであった。なんでも魔法を固定物に置き換え、言葉にすることで発動時間の短縮と魔法に安定性が出るという。そして魔法は飛び道具として使用するのが効率がよく、剣などを作ることは可能であるが、持ち続けることは常に魔力を消費して維持しなければならない為効率が悪いし、剣術などの技術を身につけていなければ使い物にならない。さらには、物理的な実体を作ることができない属性は、『剣』の形をしているにしかすぎない魔法になってしまう。しかし、盾など防御に魔法を用いる場合は、効率が悪くとも防御するという行動に技術をそれほど必要としない為、練習しておくと良いとのことだった。ただ、それも物理攻撃にはほぼ防御力を発揮しないので注意が必要のようだ。
『飛ばせない、剣術なんかもない。え〜ワシの攻撃魔法、八方塞がりじゃん…えっ!防御のみかの…?』
飛び道具としての代表的な物として『矢、玉』などが良い。と先生が話している。固定イメージができたら自分で魔法に名前を付けて1つの魔法として完成させるらしい。
基礎魔法から応用魔法、上級魔法に精霊魔法といったランクが分けられていて、なんでも属性を混ぜて使用することも可能だが、それは上級魔法になるという。
「では、皆さん早速広場へ出て1つの魔法を完成させましょう!」
ということで、広場へ出る8人の生徒。アピスはうなだれながら最後尾をトボトボとついて行くのであった。