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13話 今日2度目の『お風呂』

 「おかえり〜っ!!アピス、ハクリちゃ〜ん!!どうだった?出た?ホーンピッグ!」


 「「えっ??ホーンピッグ??」」


 2人で首を傾げて、お互い目を合わせた。


 「そうよ〜?それにしても〜アピスはまた、泥だらけで、ハクリちゃんは…。血まみれじゃない!?刺されたの!?ケガしてないのっ!?」


 捲し立てる母の話についていけず。2人は『ホーンピッグ?角?ブタ?』『刺された??』疑問が沢山出て仕方なかった。


 「母!!ブタじゃないじゃ!クマだったじゃ!!」


 「はぁ?何言ってるのよ〜。ハクリちゃんはケガないの??大丈夫なの??」


 「アピママ、もち。大丈夫だ。元気モチモチだっ!でもクマだったのぉ!!」


 「!?…まっ…まぁいいわ…2人ともお風呂入ってきなさい?ちょっと私は見てくるから。アピス。いつもの場所よね??」


 「そうじゃ。いつもの場所じゃ…。」


 母の顔色が強張っていた。いつも優しい表情の母が怖く感じた。悪いことをしてないのに、なにか叱られてるような。そんな感じすらして、意味もなく凹んだ。


 「ほぉ!!お風呂!!アピちゃん!!アピちゃん!!」


 「んっ…!?なぁぁぁぁあ!!」


 ハクリに引っ張られて、家の中へ入っていく。母は2人が家に入るのを見届けてから、そのまま森へと入っていった。


 「おっふろ!おっふろ!おっふろ!ふんふんふんっ♪」


 「もっちーは元気だのぉ。」


 「ん?もち。元気だぞぉ!」


 2人でお風呂へ入っていく。村の家はすべて木造で、湯船も木を組み合わせ水が漏れない作りになっている。アピスはハクリに目を閉じるようにいうと、木の取っ手の付いたバケツのような物で湯船からお湯を汲み、勢いよく頭からぶっかけた。


 バシャーッ!!「ほぉ〜〜〜っ!!」


 一度じゃ返り血が取り切れず、5回はぶっかけただろうか。その度にハクリのほぉ!が響き渡る。髪の毛を洗うのに使っているのは、浄化作用のある薬草から作られた液体で、ベリーを香り付けに使っているのでとても良い匂いがする。そして泡立つ。アピスはハクリの髪の毛に液体を振りかけ、モシャモシャしはじめた。


 「でへへ〜。すっごくよい香りがするのぉ。あっ!!もち。自分でやるのぉ!!嬉しいのだけど。できるのぉ!!…。

ほぉ!!アピちゃんの目の下、両目に泣きぼくろがあるのだのぉ!!今気がついたのぉ!」


 「もっちー…目を開けると薬がめに入るじゃ。」


 「もち。大丈夫だ…イッター!!しみるーしみるー!!」


 「ほれぇ…。」


 アピスは、また湯船からハクリへバッシャバッシャお湯をかけはじめる。先にハクリを湯船へ誘導すると自分を洗いはじめた。1日に2回も入るのは、初めてのことだったが、お風呂はいい匂いがするから毎日楽しみだった。


 「なんか、あのクマと戦ったのが嘘みたいじゃの。」


 「ほぉ…。そぅだのぉ。」


 湯船に口まで浸かり、ブクブク泡をだしながらハクリは遊んでいる。そこにアピスが勢いよく飛込んだ。


 バッシャーン!!「ほぉ〜!!」


 「フフフ〜。もっちーよ。今から魔法を教えてあげるじゃ〜!」


 「ンンッぱぁ!…ほぉ!!今から!!えっ!今!?」


 ハクリは、顔を拭いながら答えたのだった。



 

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