12話 帰り道
「え!?アピちゃん魔法使えるでわないか!」
「そうなんじゃけどのぉ…」
星空を仰ぎながら、アピスは考えていた。村の中は平和そのもので外敵も大人達が対処しているらしく。身の危険など考えもしなかった。あの赤くなるクマに襲われ、アピス1人だったらと想像して、何度も抵抗を試みるが。魔法でクマを倒す手段が全くもって考えられなかったからである。
「もっちーのおかげで生きているっ。ありがとうのぉ。」
「いゃいゃ。アピちゃんが居たから。もちも生きている。」
「ねっ!もっちー!剣を教えてね!!お役に立ちたいんでじゃろっ??」
「ん〜。ん〜。。。わかったのぉ…もち下手くそだけどそれでもよいなら!!」
「やった!ありがとうじゃ!」
抜けた腰も、力がもどり歩けそうなので、母の待つ家へ帰ることにした。『しかし、母の言う魔法学校の卒業試験の練習て、この事だったのだろうか??あんなの死んじゃうじゃ…。』ハクリは、スキップしている。前を行くハクリに、アピスは声をかけた。
「もっちー!!あの時。剣を振り上げて立ってた時、なんか暖かい感じがしたのだけど…なんじゃ?」
「ほぉ!あれは…『氣』と言うものらしい!上手く説明できないけど…。お腹のオヘソの下あたりにのぉ。こう、『氣』を貯めてのぉ。そこから全身に広がって流れてゆくっ。」
「剣術と関係があるの??」
「その『氣』を使うのと、使わないのとじゃ〜全然違うのぉ!!」
なんでも、『氣』を使い武器にも『氣』を流すことで同じ武器でも全然違うのだという。ハクリの剣術の先生をやってくれた人は、木の枝を振ってハクリの剣の相手になってくれていたらしい。
勿論、『氣』の他に『剣術』も学ばなければ、剣士として意味を成さないということだった。
「フムム〜。じゃぁ〜『氣』も教えて欲しいじゃ!!」
「ほぉ!!じゃぁ〜もち。『魔法』教えて貰おうかのぉ!!」
2人は、お互いにないものを教え合うことになった。しばらくすると家が見えてくる。庭の入り口に光が見える、どうやら母が待っているようだ。
「ただいま〜!!」
「ただいま〜アピママ〜!!」
母は手を振る2人が見えると笑顔で手を振り返してくれた。