101話 魔人との対決②
右へそれる。と言ってもちょうど岩場へと差し掛かりほとんどまっすぐにしか進むことができない。それでもハクリは、真珠が岩に当たらないギリギリへと転がした。
「おらぁぁぁぁあ!!」
ユキツグが振り下ろされた巨大な剣へと一撃を繰り出す。すさまじい金属音がしたと思った瞬間。真珠の真横へと巨大な剣がめり込む。その衝撃が地面をゆらし、さらに衝撃波となってハクリ達を吹き飛ばした。
「のぉぉぉおおおお!!」
「ユキツグーーーーー!!」
真珠と共にどれくらい吹き飛ばされただろうか。距離が開いたのならよかったのだが、岩に引っ掛かりあまり距離は稼げていないようだ。そして、さらに真珠の光が強くなっていく。
「んんん。イテテ。ってゆーか!!しんじゅっ!!やヴぁい!!アピちゃーーーーん!!」
「ハクリ…。潮時かもしれねぇ。離れるぞ!!」
レオグがハクリを掴み持ち上げようとするのだが、ハクリは踏ん張って抵抗している。
「いやっ!!もちはアピちゃんをお守りするのだっ!!もちが!!魔人から!!守るのだっ!!」
「ほれっ!!このっ!!いつのまにそんな氣の使い方をっ!!おぼえたんだっ!!このっ!!」
レオグが結構な力を込めてやっと引きはがしたところに、魔人が態勢を立て直し左脇へと剣を構えなおしている。
「なっ!!薙ぎ払うつもりか!!」
『ふん。この魔人の振り下ろしをそらすことができるとは驚いたが。所詮はちっぽけな存在よ!!』
魔人の薙ぎ払いが岩場の岩を意図も容易く砕きながら、ハクリ達めがけて切り進んでくる。
「くっそ!!!間に合わねぇ!!おりゃぁぁあぁ!!」
レオグは、ハクリを真上へとぶん投げた。その瞬間真珠が割れ辺り一帯が光へと包まれる。
「ほぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」
魔人の巨大な剣がレオグの真横で静止する。ハクリは、一瞬瞼を閉じるが、空中から一部始終が見えた。
「ぐおおぉ…。おっ!!??」
「ふー…。ふー…。ぐがぁぁ…。」
そこには、異様な姿となったアピスが右手で巨大な剣を掴み受け止めていた。
「アピちゃぁぁぁんっ!!」