第五章 殺し屋の実地検分
また遅い投稿となってしまいました。
桜雫あもる です。
前回も申しましたが、最近忙しくて困っています。
期末試験や部活、責任を持ってやらないといけないこと、今後のこと。色々考える事が累積してます。
この間執筆、投稿した『しじまの談』後書きでも書きましたが、先日ピース又吉さんが芥川賞を受賞されたのを見て、とりあえず自分も学生の間に、どこかの賞に応募しようと思い立ちました。
どこぞやで自分の作品を見かけたときは、生温かい目で見守ってやってください。
それでは『優しい殺し屋の不順な事情』第五章、引き続きお楽しみください。
久し振りにネクタイを結ぶHLuKiの手は、襟元で逆三角を作る手付きを忘れていなかった。
明るく朝日の射し入るアパートの一室で、HLuKiは姿見に映った自分の姿をチェックする。ベルトのバックルの位置、シャツの皺、ネクタイの形や角度、そしてネクタイピンを第二ボタン下に挟む。
最後にHLuKiは、紺のシングルブレストのテーラードジャケットを羽織った。
普段通勤に使うのとは別のブリーフケースの中身を何度か見返してから、HLuKiは車と部屋の鍵を手にリビングを後にする。
* * * * *
フレズノ郡は、カリフォルニアを五十八に分かつ地域の一つだ。
州の中央部を陣取るフレズノ郡は、元は一八四六年にアメリカがメキシコを侵略した米墨戦争の影響でアメリカが得た土地の一つだった。その後一八五六年、マリポサ、マーセド、トゥーレアリ各郡の一部から成立した新たな郡は、とある水路梣の小運河から「フレズノ郡」と名付けられた。
広く平らで自然豊かなセントラルヴァレーにすっぽりと収まるフレズノ郡は、ヴァレー内でも特に水資源の豊富な地域として知られている。
郡総面積の実に九・一パーセントが水域で、郡庁所在地フレズノ市の中心部近くであってもちらほら大小の池沼を見つけることができる。沢山の河川や運河に恵まれ、広大な自然保護区も有するフレズノ郡はカリフォルニア州内でも比較的上位に食い込む面積と人口も持ち併せている。
三つの美しい湖を湛えるシエラネヴァダ山脈や、自然保護区に数えられる複数の国立公園が集まっていることから、景観を売りにした観光の拠点としても人気が高い。
そんなフレズノ郡を支える主要産業は、その肥沃な大地を活かした農業である。西岸海洋性気候を利用して様々な農産物を生産するカリフォルニア州の中で、最高の販売額を誇るのがフレズノ郡なのだ。
小高い丘に差し掛かる山道で、自家用車のハンドルを握る男はフロントガラス越しに一つの看板を見た。
簡単にその表示を確認して、男は交通の少ない道路の真ん中でアクセルを踏み込む。
この先は有数のオレンジの栽培地、タンジェール市。
山間の窪地では、涼しい風がミカンの葉を揺らしていた。青い空に流れる綿のような巻雲が速い。
途中から山道を徒歩で登ってきたHLuKiの首元の熱を癒やすように初秋の風がフレズノ郡の中央を吹き抜ける。
HLuKiは左手首に巻いた高価そうな腕時計をちらりと見たあと、視線を横へ向けた。
その先には、草木の中に取り残されたような建物があった。
灰色のコンクリートと所々鉄錆が見て取れる、ちょっとした製造工場のような外観だ。規模は大して大きくない。それらしいプラントやパイプはないが、紅色のトタン屋根や外壁の清掃が行き届いていない感じが、稼働中の工場という印象を与えてくる。
外灯が建物の側に立っているが、辺りの木々がその高さを軽々と越してしまっていた。
見ようによっては廃工場のように見えなくもない。
HLuKiが建物の内装を想像していると、壁に取り付けられたドアが外に開いて一人の男が飛び出してきた。
灰色のスーツを着た太った男は、紙束を手にゆっくりとHLuKiに走り寄った。
「どうも、お待たせしてしまって申し訳ありません」
息を切らした男は、元気そうに顔の汗水を拭いながらHLuKiに話しかけた。紺のテーラードスーツを着込んだHLuKiは微笑んで、
「いいえ。こちらこそ、お休みの日に急な来訪をお許しください」
そう言って懐から一枚の名刺を取り出した。
「いやあ、農家に休みはありません」
「そういえばそうですね、失礼しました。──お電話で連絡をしたエリッコです。全米農民組合で職員をやっています」
「ご丁寧に、どうも」
男は慣れない手つきで名刺を受け取って、それをまじまじと見つめた。
「しかし……全米農民組合の方が来られるのなんて、初めてです。なにかあったんですか?」
「自分もフレズノに来るのは初めてです。いいところですね、来られてよかった」
エリッコ、もといHLuKiはさりげなく男の地元を賛美する。
「こちらの組合支部に、農業に従事しているブラジル移民に対する苦情が寄せられた……と連絡が入ったものですから。一応事の詳細を知っておいたほうがいい、と上が申しまして」
「はあ、なるほど……。それはご苦労さんです」
男は偽造された名刺に疑いを向けることもなくそれをポケットにしまって、首にかけたタオルで最後の汗を拭い取った。
「彼に関する資料はご用意いただけましたか?」
「ええ、ここに」
男は脇に抱えていた紙束を、豆だらけの手でHLuKiに渡す。
「あ、挨拶を忘れてました。自分は、電話を受けた職員の上司です。農業組合にはもう二十年近く勤めていますが、何分こういった依頼はさっきも申したとおり初めてなもんで。不備があったら知らせてください」
「どうも」
会釈とともに殴り書きされた古い書類を受け取って、HLuKiはそれを細部まで、穴が空くまで注視した。そこに記されているのは、一人のブラジル移民に関する公式の情報だ。
「これは組合員の個人情報ですか?」
「ええ。この人を雇っている農家が提出したものです。タンジェールでは移民も大事な労働力ですから、移民用の登録制度があるんです」
「なるほど。……この、ラランジェス氏は現在はここタンジェール市で、オレンジ農家を手伝っているんですね」
「はい、そうみたいです。オルビスっていう農家で雇われてます」
「そのようですね。あなたは、彼に直接会ったことはありますか?」
「いやあ、ありませんね。移民は登録だけしても滅多に組合には顔を出しませんし、普段は私も自分の畑のほうに出てるんで」
そうですか、と呟いてHLuKiはまた黙々と書類に目を通す。
「こちらに来るまでに、彼がいた地域や農家の情報はありませんか?」
「さあ……他の地域では、移民は農業組合とかそういう集まりに入りませんから……経歴は残ってないんじゃないですか。本人から直接聞くしかないと思います」
「ふむ……」
忙しく目を動かすのをやめずに、次にHLuKiはこう尋ねた。
「……確認のために訊きますが、彼はどんな迷惑行為で訴えられたんです?」
「ああ、それはですね」
男は予想以上にじっくり書類を監査するHLuKiに緊張の汗を滲ませながら、
「なんでも、強い農薬を使ったせいで食中毒を引き起こしかけたとか」
* * * * *
首をぐるりと巡らせても、農家以外の建造物、施設は見つけることができない。
四方を小高い山に囲まれた窪地ではあったが、熱が篭るような不快感は感じなかった。寧ろ逆、neutの薄手のポロシャツを上から叩くように心地よい涼風が度々吹きつける。
オレンジ畑地帯の只中で木々に紛れるように潜むneutは、体勢を屈めて木陰から遠方を窺っている。
neutが一心に睨むのはある一軒の農家。
母屋ではなく、隣の農耕用の機械や道具などを収めていると思しき小さなプレハブ小屋。その唯一の出入り口をじっと睨みつける。
背筋を襲った突風に、neutは小さくくしゃみを漏らした。
「ちょっと涼しすぎるかも……。上に羽織るジャケットでも持ってくればよかったかな」
辺りに人がいないかを再度確認しつつ、neutは掌で肩を摩る。
一帯は実の生ったオレンジの木が柵に囲まれて乱立している。そのなかで、一部柵が破損している箇所に身を屈めてneutはオレンジの木と雑木の隙間で息を潜める。
カリフォルニアの秋はインディアン・サマーなどと呼ばれ、残暑が非常に厳しい時節だ。元々の乾燥気候に加えて昼と夜の寒暖差も激しくなり、特に生活に困る時期となる。残暑は十月に入っても収まることを知らず、西海岸の冬に暖房器具も必要としないような暖かさを残していく。
カリフォルニアがオレンジの栽培に適していると言われるのは、この乾きと暑さに起因する──のだが。それはあくまで理想の話。
カリフォルニアも近年叫ばれる温暖化の例外ではなく、オレンジの栽培域を北漸すべきという意見が出てきたのだ。
その対策として、多少涼しい地域でも充分に育つよう品種改良が行われた農作物が最近、試験期間を終えて実際に農家で栽培されつつあるらしい。
neutが事前に手に入れた情報では、この農家もその冷涼地用に品種改良されたオレンジを受け取った農家リストに入っている、とのことだった。
タンジェール市では、気候上の特徴から冷涼地用オレンジは試験的に広く作られているらしい。
HLuKiに受けた教示を守って、保護色となるよう緑系統の色合いで身体を包むneutは手元に収まった小型カメラの調子を確認した。
電源を入れ、正常な起動を確認。カメラの望遠機能と写真を閲覧するモードへの切り替えを数度確かめてから電源を切る。
慣れない実地での潜入に、neutの指は軽く震えていた。
「……大丈夫。HLuKiさんたちから、色んなことを教わった。俺はできる。俺はここで隠れながら、ラランジェスの写真を撮って、ラランジェスに不審な行動がないかを見張るだけ……」
暗示をかけるようにぶつぶつと、言葉を肌に染み込ませる。
無機質なデジタルカメラの液晶は何も答えないが、neutにはそれでよかった。
そうこうしている内に半時が過ぎ、neutの視線の中心で何かが小屋の扉を開けて出てきた。
「……! 来た……」
neutはすかさずカメラを構える。
* * * * *
「……は?」
予想だにしない答えに、思わずHLuKiは書類から目を離した。
「え、な、なんです?」
HLuKiの反応に驚いた農業組合の男は、汗を垂らしながらたじろぐ。
「もう一度、お願いできますか? ラランジェス氏はいつ、誰からなんと訴えられたんですか?」
「え、ええと、訴訟とかではないんですけどね」
強い言葉に目玉を上へ向けて、男は必死に聞き知った情報を思い出そうとする。
「たしか、匿名の垂れ込みがあったんですよ。うん、そう書面で」
「それはいつですか?」
「えー、三ヶ月か……四ヶ月前くらいじゃなかったかな」
ぽりぽりと頭を掻いて男は首を傾げる。
「なんでも〝オルビス農家の雇われが、キツい農薬を使ったオレンジであわや食中毒を引き起こしかけた〟みたいな文句が書いてあったそうです」
「その書面、残っていますか?」
「いやあ……もうないでしょう。問題が本当なら私たちも証拠として置いておきますけど、実際はたちの悪いイタズラでしたから」
「……ということは、実際には農薬による被害はなかった?」
「ええ。いや、垂れ込みを受けて調べてみると、たしかにオルビスから出荷されたオレンジでの食中毒の被害は出てたんですけどね」
男はまた頬を伝った汗をタオルで拭って、
「実際にはその被害者の自業自得だったのが分かりまして」
「自業自得? どういうことです?」
「ですから、農家側の過失じゃなかったんですよ」
説明しにくそうに、男は一度うーんと唸った。
「中毒症状は、オレンジを食べた本人の体調不良、オレンジの不適切な処理が原因だって病院が判断したんです」
「………」
男の言葉を聞いて、HLuKiは少し黙った。
「市場で仕入れたあと家で常温放置して雑菌付けまくって、それを洗いも熱しもしないまま使ったんだから。腹が痛くなって当然ですよねえ」
男は自分も気を付けないと、と苦笑いした。
「……オレンジは、どんな調理で食べられたんですか?」
「ジュースですよ。オレンジジュース。皮を剥いで実をミキサーに入れて、ジュース自体も滅菌しないまま飲んじゃったそうです」
「………。あとで、食中毒になった人のことも教えていただけますか。その人が掛かった病院も」
「はい、手配します」
失礼、と男は上着のポケットから古い携帯電話を取り出して誰かに連絡を入れた。
「よお俺だ。うん、あのな、そう、その全米の組合の方の要望だ。四ヶ月前か、食中毒になった男がいたろ。……そう、そいつ。そいつについても知りたいそうだ。だから………」
通話を始めた男の横で、HLuKiは再び渡された資料に目を通した。
資料によると、ラランジェスが郡の農業組合に加入したのはここ一年の事らしい。
それ以前の経歴は紙束のどこにも書いていないが、加入後のことは月ごとに大まかに記されている。そこからは、毎月欠かさず組合費を納め、精勤に働くラランジェスの様子が無機質な黒いインクに乗って読み取れた。
「………給料の行き先……、は流石に訊けないか」
頭の中で何かを組み立てるHLuKiはぼそりと呟いて、脳内に浮かんだ行動を目の前の男に気取られる前に諌めた。
「あの、エリッコさん」
携帯電話下部に手を当てた男が、申し訳なさそうにHLuKiに話しかけた。
「食中毒の資料、明日には揃うって話なんですが……」
HLuKiは困り顔の男に笑顔を向けて、
「それでしたら、名刺に記載してあるオフィスに送っていただければ助かります。代金はこちらで持ちますので」
「分かりました」
男はほっと安堵した顔を見せて、通話に戻った。
「おう、後で住所を送るから、そこに送付してくれ。……うん、代金は向こうが持ってくれるそうだ。ラッキーだな。……ああ、頼んだぞ。それじゃあ」
通話終了のボタンを押した男はHLuKiに歩み寄った。
「では食中毒の件は、そういうことで」
「ええ。よろしくお願いします」
二人は軽く会釈を交わした。
「ほかにご要望はありますか?」
「では……最後に一つだけ。ラランジェスのいる農家では、どんなオレンジを育てているんですか?」
HLuKiは人差し指をぴんと立てて尋ねた。
「それは、品種って意味ですかね?」
「まあ、そういうことになります」
「バレンシアのフレズノ・コールドです」
「………えっと」
HLuKiの顔に不透明さが広がった。
HLuKiは間髪入れずに訊き返す。
「フレズノ・コールドというのは?」
「あれ、ご存知ないですか? ここフレズノ郡で試験的に作られている、冷涼地に適したオレンジの品種の一つです」
HLuKiはその名称に得心した。
男は得意になって滔々と説明を続ける。
「カリフォルニアでは、栽培されているオレンジの種類がとっても豊富なんですよ。たとえば……同じミカン科でも、一般的なバレンシアオレンジ数種からネーブルオレンジ、メロゴールド、モロ、カラカラオレンジ。あ、日本のクリスマス・オレンジって品種を取り扱ってるところもあります」
「なるほど、例の政策のオレンジですか。ということは、バレンシアオレンジがベースになっているんですね?」
「ええ」
即興で話を合わせたHLuKiに、ますます男は活き活きとして頷いた。
「コールド・バレンシアはこの政策で一番たくさん作られた改良種でして。フレズノ郡で育てられたもののブランド名を、フレズノ・コールドとか言うんですよ」
「シンプルでいいネーミングです」
HLuKiは不勉強を詫びるように首を縦に振った。
「では、ラランジェス氏もそのフレズノ・コールドを育てているんですね」
「そのようです」
男は満足げに腕組みをした。
「納得がいきました。ありがとうございます」
「いえ、お力になれてよかったです」
男は再度伝ってくる汗と格闘しながら、頭を下げるHLuKiに笑ってみせた。
頭を上げたHLuKiは不意に、あらぬ方向に目を逸らしながら、
「………あの」
「はい?」
歯切れの悪いHLuKiの様子に、男は怪訝そうな声を出す。
「どうしました?」
「その、これはとても個人的なお願いなんですが……」
「はあ……なんです?」
非常に申し訳なさそうに、HLuKiは最後にこう申し入れた。
「もしよければ、オレンジを使ったおいしい料理を教えてくれませんか?」
* * * * *
ぱしゃり。
neutが構えたデジタルカメラが小さなシャッター音を漏らした。
音はごく小さく、風がオレンジの木や雑木の葉を擦らせる音に紛れて男にまで到底届かない。
「見えた、顔……」
男が辺りを見回したタイミングで、neutはもう一度撮影ボタンを押した。また微音が細く響く。
カメラの画面越しにneutは首を傾げた。
「……?」
肩にかけた鞄を探って先日配布された正式な依頼書を参照しようとして、
「………」
運悪く、宿泊するビジネスホテルのベッドの上に忘れてきたことを思い出した。
「……気のせいか」
気を取り直し、neutはカメラを構え直す。
画面の向こうでは髭を小綺麗に整えた茶髪の男が軍手で鉄製リヤカーを小屋から運び出している。慣れた手付きで押すリヤカーの上に並んでいるのは、なにかが大量に詰まった幼児ほどもある大きさのビニール袋や鉄のシャベルだ。
おそらく、ビニール袋に入っているのは肥料だろう。土で汚れた厚い袋を見て、neutはそう推定した。
男は暫くそうして、リヤカーの上に別の肥料の袋を乗せたりシャベルの調子を確認していたが、やがて農具が満載したリヤカーを押してオレンジ畑へと踏み入った。
その様子をneutは逃さずカメラに収める。
「そういえば……肝心のオレンジはどこだ?」
neutがふと抱いた疑問は見当違いではなかった。
辺りにはオレンジの木が生え、青く堅い葉が重なるように茂っている。が、その果実はいくら見回しても生っている様子はない。
オレンジの収穫は、カリフォルニアでは広く六月から十一月にかけて行われる。
とすると、この畑のオレンジはもう摘み取られた後なのだろうか。
neutがファインダーを覗く向こうでは、男がリヤカーを手近のオレンジの木へ押していく。実のなくなった木の根元をショベルでざくざくと掘り返す。
暫くそうして出来た穴に、男はリヤカーに乗せておいた厚い袋から大量の土をどさどさと流し込んだ。
そして、
「……ん?」
男は周りを気にするようにきょろきょろと首を動かす素振りを見せたあと、肥料を入れた穴に別の小さい袋から白っぽい土を注いで加えた。
小さい袋から土を振り出す男の顔は、遠目に嬉しそうに見て取れた。
その日一日、男はその作業を夕方まで繰り返して小屋へと戻っていった。
百枚弱の写真を撮り終えたneutはやがて夕暮れのなかひっそり立ち上がると、木の陰に紛れてその場を去ろうとし、
「……あ」
今まで隠れていた茂みの近くのオレンジの木に、一つの実が残っているのを見つけた。
なにか考え込むようにしてそれを見つめていたneutだったが、男がこちらへ戻ってこないのを確認して、彼はその一つを無遠慮に捥ぎ取った。




