第四話:気になるあの子は食堂で隣の子
第四話
気になる子がいる。
食堂で必ず隣に座る人だ。気になる子じゃねぇな、年上みたいだし気になる人か。
「お邪魔するわね」
「あ、はい」
誰だろう、誰だろう…一生懸命考えて一週間。
「そうか、生徒会長だ」
「呼んだ?」
豪快にうどんを食べている生徒会長がこっちを見てきた。口からはみ出てる!うら若い女性がそんなことしていいのか!?
「あ、いや…呼んではいないです。何処かでみた事あるなぁと思ったら生徒会長さんだったんですね」
この学園の生徒数をはっきり知っている奴なんて生徒会長ぐらいだと言う奴がいる。
この学園の生徒の中で一番偉いのが生徒会長だという奴がいる。
この学園の生徒会長は人使いが荒いと定評があるという生徒会役員がいる。
「貴方、自分の学園の生徒会長も知らないの?」
あきれた…そんな顔をしないで下さい。というか、口からうどん出したまんまの人に言われたくないです。
「知らないって言うか、何と言うか…知らなくてもここの生徒で居られますから」
「いいわけね」
先輩がうどんをすする隣でカレーを食べる。
「あの、ついでに聞いておきますけど…何で俺の隣に最近座っているんですか」
「そうねぇ…強いて言うのなら友達がいなさそうな君と友達になろうと思ったからかしら」
「は」
俺だって友達の一人や二人、一人や…二人ぐらいは…いるさ。すぐに出てこない顔とか名前の友人もいるけれど二回以上話した人は俺の友達とみなさせてもらう。
「お言葉ですが居ますよ。友達ぐらい。友達には困っていません」
「あら、じゃあ私と友達になりたくないと?」
「いや、別にそう言うわけじゃ…在りませんけど」
「じゃあ今日から私と君は、友達ね」
差し出された右手を何となく掴んでシェイクハンド。
「私は晩冬六花」
「俺は夢川冬治です」
「夢川?変わった苗字ね」
晩冬とかそっちの方が稀だと思いますが如何でしょう…とは言えなかった。
「ところであなたこんな格言は知ってる?」
「どういったものですか」
「私は、自分の為に…みんなは私の為にという素晴らしいジャイアニズムよ」
もしかしたら友達にならないほうが良かった部類の人かもしれない。
「そ、そうですね」
「わがまま、自己中心的、唯我独尊、俺様最強…どれもいい響きよね」
「それは…どうなんでしょうか」
それからは特におかしな話もせずに先輩の食べる口調に合わせて昼食を続ける。主に生徒会での愚痴や、先生の愚痴、学園生活の愚痴やらストーカーっぽい学生の愚痴っぽいものを聞いた。
「って、俺聞いてばっかりやん」
「ありがと、あなたに聞いてもらえたおかげで塵も積もれば山とナルシーな気分だわ」
明日もまた来るからと先輩は食器を置いたまま、去って行った。
「…これ、俺が…やらないと…駄目か」
「駄目よ。ほら、さっさと持って来て頂戴」
おばちゃんにせっつかれ、俺はため息をひとつだけ吐いた。




