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第十七話:有意義な夏休み

第十七話

 夏休みに入って二週間が経った!

 毎日春成さんと一緒だ!

 やったね!二人の関係が急接近…冷房が切れた部屋で二人の愛を…

「なんて展開は一度も無いな。俺の計画は破たんしちまったぜ」

 夏休みに入って二週間が経った…。

 毎日春成さんと一緒である…。

 やったね、夏休みの課題が一週間で終わった。冷房完備の春成さんの部屋って凄いや…。

 勉強がはかどる捗る…二週間目は何をすればいいのか悩んでいたら春成さんが使っている苦手克服超ドリルを二人で解く羽目になった。しかも、口をひし形にして固まりそうな量だったのに気付けば進行度合いが半分を超えていたよ。

 苦手?何それ…今の俺に解けない問題なんて無いよ。何でこの頑張りを、テストの時に生かせなかったのか凄く不思議だよ。やればできるんじゃない、やらざる負えない状況だからやってるだけだ…最近頑張りすぎて目もちょっと悪くなった気がする。

「そろそろ復習だね」

「そ、そうだね」

 このドリルが終わったら今度は二年一学期の復習が始まるのだ。

 夏休みが終わったら俺、勉強の事しか頭の中に残らないかもしれない…これは、有意義な日々と言えるのだろうか。

「今度の日曜日は私の家でやろうよ」

 この前の日曜日は俺の部屋で、冷房効かせながら勉強しました。朝から春成さんはやってきて八時ぐらいまで勉強してたよ…。母さんなんて最初はにやにやしてたのに『何処か頭を打ったんじゃないかと思った』と言って医者を呼んできたぐらいだ。

 春成さんの部屋に来た時はそりゃあ、嬉しかったさ。

 でもさ、今は違う。今度の日曜日はちょっと休みたかった。

「ご、ごめん、その日はちょっと海に行くんだ…友達と」

 告白しようかな―と思っていた相手とこうして一緒に居るのは嬉しい。うん、多分、嬉しい。でも、だ。

 こんなに毎日…しかも、特に話をするわけでは(基本的にご飯を食べるとき、わからない事を教えてもらうときだけ)無いので辛い。話しかければ返してくれるだろう…でも、あんなに真剣な表情の春成さんを邪魔したくはなかった。真面目な顔の春成さんは、綺麗だ。

 よって、俺は本当に久しぶりの夏休みを頂こうと思ったのだ。春成さんには悪いが、まだ友達と連絡を取り合っていない計画だ。

「そう、わかった」

「お土産でも買ってくるよ」

「気を使わなくていいよ。私も行くから」

「そうだよね。たまには遊ばないと体が持たないよ」

 主に精神がもちそうにありません。

 で、でもこれはやばいぞぉ…まだ計画段階だし、俺と春成さんしかいない。あと、二日しかない。

「駅前集合?」

「う、うん。俺達は一応其処で待ち合わせって事にしてる」

「わかった」

 それから特に話すわけでもなく、ただひたすら白紙を文字で埋め尽くす作業に戻った。教え方がうまいし、時間が経つのも早いから休みが勿体なく感じられる。

 だらだら過ごしていた去年までの夏休みは一体どこへ行ったのか…夜更かしをするでもなく、健康的な日々を過ごして居たらあっという間に明日が海に行く約束の日だった。

「…まずいぞぉ」

 あらかたの知り合いに連絡したところ…『家族と旅行に』『恋人と温泉巡り』『外国でアバンチュール』『子作りする…あ、荷造りだったてへ』と言った理由で断られてしまった。

 こうなったらもう春成さんに電話するしかない。

「っと、思っていたら渡りに船だ」

 春成さんからの着信。一度目で通話状態へ。

「もしもし?」

『とるの速いね。まだかけたばっかりだけど』

「ちょうど明日の事で電話しようと思ってさ」

『私もそうなんだー。明日何時集合だったか聞き忘れてて』

「えっと、九時を予定していたんだけど…」

 って、俺の馬鹿。何反射的に…いや、でもね、いいわけじゃないけど、友人にその事を電話したりしてたんだ。何度も言っていたからツーと言えばカー…違うな、山にたいしての川みたいな感じになったんだ。

『わかった。じゃあまた明日ね。明日に備えてもう寝るからお休み!』

「あ、うん…お休み」

 明日中止なんだ。その言葉が出てこなかった。やっぱり、毎日勉強していたから…すごーく、楽しみにしているようだ。

 そんな春成さんに『無理だよ、無理。友達全部だめになっちゃった。てへ』とか嘘を言えない。

「……正直に言うか?いや、ごまかそう」

 嘘を一度ついたらその嘘を守るために再び嘘をつかねばならない。

 嘘に嘘を重ねる人間は綱渡りがうまいそうな。

 結局、嘘なんて付ける自信が無い俺はすぐさま電話を入れた。あの残念そうな声を聞いて確信した。

「あのさ、今度の夏祭り俺と一緒に行かない?企画倒れさせた俺の責任ってことで…奢らせてもらうよ」

 海が無いから夏が終わったと言うわけでもない。俺は春成さんと一緒に夏祭りへ行くことになった。


本編じゃたぶん終わるまで語られない部分。四季兄弟についてです。春に登場するのは四季統也、夏は四季真由、秋は四季和也、冬は四季美也子だったりします。考えた段階での話ですがねー…そもそも、夏は基本的に二人だけの話なので外野が出てくることはめったにないですけども。美也子が長女、和也と統也が一つ下の双子、真由がさらにその一つ下となっています。

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