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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第一章 〜救ってくれるもの【出会い編】

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【優芽】いきなり衝撃の告白するはるくんは、結果しか言わない

今日は祖父母の家に行ってきた。


来週からバスルームのリフォームが始まるから、おばあちゃんたち、片付け間に合ったかな?


って気になってた。



昨夜、明日おばあちゃんち行くって言ったら


「送っていこうか?」


って約束してくれたんだ。


はるくんが、昔こわしたバスルームのタイル。


工務店の同級生、山口くんが


思い出があるなら、なにかに加工して保存してもいいかもって教えてくれた。


それをはるくんに言ったら、


「記念だし欲しい!」


っていうから、一緒に見に行くことにしたんだ。



時間は少しさかのぼる。



昨日の夜は、はるくんちに泊まった。


わたしにベッドゆずってくれて、はるくんはソファーで寝たんだけど。


朝起きてきたら、はるくんの寝てるソファーの足元とテーブルの隙間に、凪くんが寝てた。


というか、ハマってる? と言ったほうがぴったり


「どういう状況?」


まだ夢見てるのかな、わたし。


と、そのとき凪くんが、目を開けてこっち向いた!


「あ、優芽〜おはよ〜」


なんか、両手を広げて待ってるんだけど、そこにはごめん、飛び込めない。


「遥希におはようのちゅーすれば?」


凪くんが言ってる。


「そうしようかな」


だからわたし、ソファに近づきたいんだけど、凪くんがそこにいると、パンツ見えちゃうから行けない。


グズグズしてたら、はるくんが目を覚ました。


昨夜の缶チューハイのチューも、いちごキスも結局叶わなかった。


ただの缶チューハイ。


ただのいちご。


せっかくのわたしの準備が全部だいなし。


はるくんはHUNTER×HUNTERラストミッションまでみたいなーと言い出し、わたしはまた今度見るから寝る!


って、先にベッド借りて寝たんだよ。


はるくんの枕は、はるくんのにおいがした。


シャンプーのにおい?


それとも洗濯洗剤?


どっちなのかわからなかったけど、


「好きな人のにおい」


だった。


はるくんに抱きしめてもらって眠りたかった。


でもそれが叶わなかったから、


はるくんのにおいの枕を、わたしは抱きしめて眠った。



朝ごはんを3人で食べてる図って、


「なんか、シュールだよね?」


凪くんが言ってる。


「なんでいるの?」


「昨日、結菜とつきあえた報告にきた」


「えー本当?」


つきあえたんだ、いいなあ……


「やりたい放題やれる」


もう我慢しなくてもいいんだ、なんて笑ってるけど、結菜ちゃんの凪くんへのイメージはきっとそんなんじゃない。


なんとなく、抱きしめあって、添い寝みたいな雰囲気が似合いそう。


それを凪くんに、言ったら


「たまにはそれも癒やされるかもな」


「そか」


てっきり、そんなのやだーって言うのかとおもってた。


抱きしめるだけの癒し。


確かにそれは、昨日感じたっけ。


……枕だったけど。


「結菜、ちょっと体が弱いみたいだからさ」


何度か体調不良で泣いたり落ち込んだりしてたから心配なんだって。


それ、おまえのせいじゃん?


思ったけどだまっておいた。


「それなら、スローなんとかってやつがいいんじゃね?」


って、はるくんが凪くんにアドバイス?


「はるくん、スローなんとか? それってなに?」


聞いてみたら、


「や、なんでもないっす」


朝からする話じゃないな、忘れてって言われた。


良くわからないまま朝ごはんを終え、凪くんはいまから結菜ちゃんとデート行ってくるって先に出ていった。


「凪くんと結菜ちゃん、よかったね」


はるくんに言ったら


「そうだな、よかった」


ねえ、じゃあわたしとはるくんは? 聞こうかなって思ったけど、きっとなにも言ってくれない。


わたしは、朝ごはんの後片付けをしようとして、手を止めた。


わたし、お客さん側なんだし、やらなくていいんじゃないかな?


そう思って、キッチンに持っていくだけにしよって立ち上がったら


「置いてていいよ、俺が洗う」


はるくんが言ってくれた。


ちょっと前に結菜ちゃんが言ってた


「最初やったら、ずっとやらなきゃならなくなる」


お母さんになっちゃだめ…って。


たしかにそう。


拓海さんの前の元カレのときそうなってたし、尽くしてたのに浮気された。


ちょっとしたことだけど、ちょっとしたことの積み重ねはやがて壊れる。


それはもう、わたしは過去に知ってる。



朝ごはんは、実は凪くんが作ってくれた。


ロールパンとベーコンエッグ、それにコーヒーっていうメニュー。


見かけによらず、家庭的?


普通にしてたら、いい子なのにな……



「凪くんって、良くここに来るの?」


まるで自分のうちみたいに、キッチンに立って料理始めたから少しびっくりした。


「うん、わりと」


「ふーん、そうなんだ、いいな」


なにが「いいな」なんだろ?


自分で言っといて、わからない。



「そろそろ用意して行くか」


おばあちゃんちに行くの、ちゃんと覚えててくれたんだね。


なんていうかもう、はるくんにあんまり期待するのやめよ。


って思ってたあとだからなんか嬉しい。




おばあちゃんのうちでは、工務店の山口くんが、はるくんにタイルの説明してるところを見て、なんか変な感覚だった。


山口くんは、タイルを使ったいろんなアイデア集みたいなものを置いて、すぐ帰った。


その後、4人でお昼ごはんを食べた。


おじいちゃんもおばあちゃんも、はるくんのこと、覚えてて、和やかな食事風景。


はるくんはバスルームの片付けも手伝ってくれたし、ほかにもいろいろ、おばあちゃんからお願いされてやってくれてた。


この家に、なんかなじんでた。


本当はバスルームだけじゃなく、キッチンもリフォームしたかったけど、予算が足りなくて断念したんだよね。


そしたらはるくんが、


床と壁紙の張り替え、


あとはキッチン扉の張り替え、


蛇口の取り替えくらいやれば、見た目はかなりきれいになるって言ってた。


自分で、DIYやるんだって。


数万円でできるって言ってた。


おばあちゃんに、今度来るとき、壁紙のサンプル持ってくるなんて約束までして。



「いろいろ手伝ってくれて助かったよ」


ありがとうねって、おばあちゃんがはるくんに言ってる。


はるくんを見る目が優しい。


帰り際、おばあちゃんが、缶ビール6本パックをはるくんに持たせてた。


そしてまだ、つきあってもないのに、おじいちゃんが、


「優芽を、嫁にもらってくれ」


ってはるくんに言ってた。


つきあってないのに、


「早くひ孫の顔が見たいねえ」


と、おばあちゃんまで。


つきあってないけど、はるくんまで


「はは、そうですね」


なんて答えてた。



そして帰りの車の中ではるくんが


「優芽ちゃん」


呼んだから


「ん?」


って言ったら


「嫁になる?」


「……………………………え?」


つきあってないのに。


どういうこと?


は?


意味わかんない。


無言でスルーしちゃった。


「あ、ごめん、おじいちゃんから言われてさ、ちょっとそれいいなって思っちゃって…」


つい、口から出たらしい。


つい?


つきあっては言えないくせに?



え?





「なに!?」

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