【凪】結菜のために頑張った水族館デートだったのに泣かせてしまったのは意味不明だった
「遥希ー! 助けて」
結菜が水族館行きたいとか、ドライブしたいとか言ってきた!
仕事中だけど、遥希に助けを求める。
水族館に行ったことはある。
だけど、あんま面白くなかった。
「魚なんか食うもんじゃん」
見ててなにが楽しいかわかんねー
って言ったら、そのときの女の子が機嫌悪くなってさ、そんな顔すんなら俺もう帰る!
て経験しかない。
「あー水族館ね」
ちょっと待て、と言って遥希はスマホで調べ始めてる。
「なんだ、遥希も詳しくねーのか」
じゃ、いいや悠真さんに聞くからと言って悠真さんを探した。
「おい、凪!」
どこ行くんだよって止められる
「先に仕事しろよ」
「あーそか、めんどくさいな」
そのとき悠真さんが来た
「凪、なにがめんどくさいって?」
「あ、いや、その」
「ここは、どこだ?」
「そんなの会社に決まってんじゃん」
悠真さんがいちいち聞いてくるけど、そんなこと言われなくてもわかってんだよ。
「遥希がさっさと調べねーから怒られたじゃん!」
遥希のせいにして逃げた。
「あーもう、遥希使えねーな」
しょうがないから自分で調べることにした。
あ、そうだ。
先にさっさと仕事片付けてからだな。
「よし、頑張るぞー」
いつものらりくらりやってる仕事だけど、水族館のこと調べなくちゃならないし、本気だしてやるか!
本気になれば早いんだよ。
早いからあとから
「暇だったらこれも」
とか押し付けられるのが嫌で、のんびりやってんのに、みんな俺ができないやつって思ってるんだ。
悠真さんがめんどくさいから、俺は余裕持って仕事を終わらせ、定時で退社してきた。
「おい、凪! あれちゃんとやったのか!?」
遥希までうるせー
「やったから帰る」
いまは別に遥希になんか聞かなくても、AIに聞けばちゃんとわかるようになってんだ。
自分でもやれるけど、遥希が構ってもらいたそうだから、甘えてやってんのに
「なんか誤解されてるとこあるよな」
はあ……
みんな、めんどくさ…
そして翌朝、実家に行った。
ドライブとか言われたって、車ないし。
運転だってめんどくさいし、好きじゃない。
でも、俺から聞いたんだ
「今度は結菜が決めて、どっかいきたいところあったら言っていいからね」
って、優しくしたんだ。
だから結菜の希望を叶えてやりたい。
実家には母親と祖母が2人で住んでる。
母親は今日も仕事でいない。
昨日のうちに車借りることは約束できた。
一応そこにいた祖母に声かけておく
「ばあちゃん元気?」
「凪か、なんだその頭は」
あれから結局、髪色はシルバーブルーのままなんだ。
社長が「いいね」って言ったから許可された。
「ばあちゃんもお揃いにしよ、若くなるよ」
そう言ったら「そうする」だって。
車借りてくねって言って実家を後にする。
母親の車はムーブキャンパス?
結菜の好きそうなブルーと白のツートンだからな、絶対喜ぶに決まってるんだ。
で、運転すんのにメガネ必要だし、これも絶対喜ぶやつ。
「なんか俺って、結菜のために生きてる?」
悠真さんは、自分のために生きろってよく言ってるけど、そしたらなんか、間違ってんのかな?
「ま、いっか楽しいし」
車に乗り、結菜んちに走る。
「おはよう凪くん」
出てきた結菜は、白い服着てた。
「かわいい」
って褒めたら
白ニット、タイトなシルエット?
マーメイドラインがどーのこーの言ってたけど、めちゃめちゃ体のラインが見えてエロい。
あ、ダメダメ、爽やか爽やかって抑えつつ結菜を車に座らせる。
水筒持ってきた、それからばあちゃんから預かってきた母親手づくりのはちみつレモン?
とかの水筒まであるんだけど、それ言ったら結菜
「はちみつレモン好き」
って喜んでたから正解だったみたい。
結菜はCD持ってこなかったから、俺の好きなセカオワワールドに浸りつつのドライブ。
眠くならず、ちゃんと運転できた。
頑張ってるよな、ほんと、俺ってすごい。
運よく車も停められたし、AIに聞いた通りやったからなにもかもバッチリ
チケット予約も、ランチタイム予約も、ほかのイベントに合わせてスムーズに動けた。
前半はよかったんだ。
ランチタイム終わって、クラゲの前でゆらゆらやって、それからイルカのショー。
そのとき、急に結菜が泣き出したんだ。
え、俺なんかやらかした?
ドキッとした。
そしたら結菜、体調悪そうで。
そういや今朝もなんとなく元気なかった気がしたから
「無理させちゃったかな」
そう思って、早めに帰ることにしたんだ。
本当は最後に計画してたことがあった。
結菜を送ってって、車の中で、ちゃんと告白タイムしよっかなって思ってたんだ。
でもとてもそんな雰囲気じゃなかった。
帰ってからも気になって、LINEしたけど、
「ごめんね」
しか言われなかった。
体調不良だけで、あんな泣くもんなの?
俺が泣かした自覚あるときならわかるけど、そうじゃないのに泣かれるのは、
「わかんね……」
あんまり早く帰ってきてしまって、時間たくさんあまってしまった。
土曜日だしな、車あるしなと思って
優芽がいるカフェに行ってみた




