表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AIさんに異世界転生物語を書いてもらいました  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/9

悪役令嬢なんて無理無理!だって私いい人だもんって、周りがハンパなくちょーイイ人だらけで…ハイ?!まさかのバッドエンド決定ですか、ありえなす…。

「君って、いい人すぎてつまんないよね。」


その言葉を聞いた直後、私の世界は強制終了した。


正確には…、猫をかばって飛び出したら、トラックが突っ込んできたんだけどね。

反射的に「猫ちゃん逃げて!」って叫んだ私は、次の瞬間、空を飛んでいたのだ。



目覚めたら、そこは…異世界だった。


「エリザベティカ!ああ、私の…愛娘! 可愛すぎる! 目が覚めてよかった、よかったよ~!!」


ひげ面のおっさんが、ボロンボロンと涙をこぼしながら…私の頬をべろんべろんと舐めている。


え、誰? 

え、なに? 

え、舐めるの…やめて?!



……混乱する頭を、整理してみる。


どうやら私はそこそこ人気のあった乙女ゲーム「聖~善人の住まう星~」という、善人しかいない世界に転生したらしい。

確か、キャッチコピーは…

「悪役令嬢は必ず破滅する運命です。処刑、島流し、生き埋め…どれがいいですか?」


ちょっとまて。

そんな選択肢…いらないから!!!!


私はなぜか「悪役令嬢エリザベティカ」に転生してしまったようだ……。


「え、ちょっと待って。私、悪役令嬢? いやいや、無理無理! だって私、いい人だもん!」


前世では「いい人すぎてつまんない」と言われたけど、それでも私は人に優しくすることが好きだった。だから、異世界でもそのままでいこうと、即、決めた。


「悪役令嬢? そんなの演じる必要ないよね。平凡に、善良に生きていこ!」


というわけで、善人プレイ、開始だぁ!!




……そう思っていたのだ、最初は。




「おはようございます、エリザベティカ様。今日もお美しいですね!」

「おはよう、マリア。今日も笑顔が素敵だね!」


メイドに笑顔を向けながら、挨拶を返す。

これが普通の礼儀だもんね。


だけど、マリアは震えながら言うのだ。


「エリザベティカ様が…私に笑顔を…! これは…何かの罠?」


なんでそうなるの!? 

私、ただ挨拶しただけだよ!?


どうやらこの世界、私のキャラ設定が「冷酷無比な悪役令嬢」らしく、ちょっとでも優しくすると「裏がある」と思われてしまうらしい。


孤児院に寄付しようが、落ちてるゴミを拾おうが、おばあちゃんの荷物を持とうが、魔法で花を咲かせて村を彩ろうが、なにをしようが……。


「エリザベティカ様、なんて慈悲深い…!」

「悪役令嬢なのに善行…、これは罠ですね」

「きっと裏で何か企んでるに違いない……」

「エリザベティカ様、孤児院を支配しようとしているのですね!」

「迷子の子を利用して人気取りとは…さすが悪役令嬢」

「魔獣を操って自作自演とは…恐ろしい…」

「落ち葉掃除? ああ、わざとらしく見せ付ける事で民衆に労働を強いるつもりか…」


「エリザベティカ様、また善行ですか? その裏にどんな陰謀があるのか…、楽しみです」


「違うってばああああ!!!!!!!!!!」


なんと、周りの人々は、私の善行を「悪の策略」として受け取るのである!

みんなの善人レベルが異常すぎて、ちょっとでも目立つと「悪役ムーブ」に見えるらしい。


なんで??

ねえ、なんでこんなことになっちゃってんの?!


しかも地味に、周りの人々が…善人すぎる。


友人クラリッサは、毎朝孤児院に手作りのパンを100個届けてるし。

はとこの騎士団長は、魔物討伐の報酬を全額寄付してるし。

三つ下のこの国の王子は、毎晩孤児たちの寝かしつけをしてるし。


「ねえ、私より善人が多すぎない!?」


前世の記憶をフル活用して善行を積み重ねているのに、周りの善人たちがそれを軽々と超えてくる。

結果として、私の行動が「偽善」「計略」「悪役の罠」と認定されてしまうのだ!!!


このままじゃ、私が“相対的悪役”になっちゃうよぉぉぉぉぉぉぉ!!!


「なにしても悪人に認定されちゃうんですけど!? 私の善行、霞むのがデフォ…?」


はっきり言って、泣きそうだった。




「エリザベティカ様、残念ですが王都での慈善活動が“民衆操作”と判断されました。裁判にかけられます」

「はああああ!? なんで!? ただの炊き出しだよ!? カレー配っただけだよ!?」


どうやら、私の行動が「民衆の心を操る悪役令嬢の策略」として、王国の議会に報告されたらしい。

バッドエンドフラグが立ちまくっている。マジありえなす…。


「このままじゃ処刑される…!」


私は決意した。

善人バトルを仕掛けるしか、ない。


「善人度で勝負だ!」


私は貯金をはたいて孤児院の真ん前に学校を建て、併設病院を完備した。

前世の知識を使って衛生管理や教育制度を整え、人々がより暮らしやすい環境を与えることだけを考え、善行に励んだ。


だが、周りの善人たちは…さらに上をいくのだ!!


「エリザベティカ様が病院を建てた? では私は、病気を治す魔法を開発しましょう…できました~!」

「学校を作った? 私は、子供たちに夢を見せる魔法絵本を配布しますね!」

「魔物退治? 私は魔物と和解しましたよ! これで争う事はなくなるでしょう!」


え、もう無理なんですけど。


絶対勝てない。

善人度、インフレしすぎ……。



裁判の日、私は王城の広間に立っていた。


「エリザベティカ・フォン・ルミナス。あなたは悪役令嬢として、民衆を操り、王国を混乱させた罪に問われています」

「違います! 私はただ…いい人でいたかっただけなんです!」


私は叫んだ。

涙がデロンデロンとこぼれてくる。


「前世でも、いい人すぎてつまんないって言われました。でも、それでも私は、人に優しくしたかった。誰かのために、何かをしたかっただけ。それが…罪なんですか?」


沈黙が広がる。


その時、ひげ面のお父様が立ち上がった。


「エリザベティカは…私の娘だ。誰よりも優しく、誰よりも強い。でもってかわいくて、思わずなめ倒さずにはおられないような…う、ゴホ、ゴホンっ!!! え、えーとだな!!! 悪役令嬢? そんなのは…ただの役割だろう! みんなで寄ってたかっていたいけな少女をいたぶって…この、ド畜生どもめ!!!」


民衆が、立ち上がった。


「エリザベティカ様は、私たちに希望をくれたんだ!」

「彼女の善意は、本物だ!」

「悪役令嬢なんて、もういらない!」

「この世界に、役割なんて必要ない!」


私を擁護する声が、瞬く間に広がっていく。


世界が変わった瞬間だった。



私は処刑を免れた。


そして…「善人すぎる悪役令嬢」として、世界の価値観を変える存在になったのである!


うぉおお…長かった、長かったよぉおおおおお!!!

よかった、ホント悪役令嬢の呪いから抜け出せてよかった!!!


…ふ、ふふふ、ふふふふふふ!!!


「ねえ、いい人すぎてつまんないって言った人。今の私、ちょっと面白いでしょ?」



私は、悪役令嬢さながら…声高らかに笑うのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ