聖女なんてそうそう簡単になれるはずないじゃんって決めつけて舐めた事ぬかしてた私に罰が当たりました、まさかの大聖女任命です、ハナホジすらできない毎日にくたばりそう…魔王さん…助けて…。
第一章:聖女?無理っす!
あたしの名前はミナ。
どこにでもいる、ちょっとおバカな女子高生。
異世界に転生したとき、神様に言われた。
「この世界の秩序が、あなたを聖女に選びました。魔王と戦い、世界を平和に導くように」
……は?
「聖女?あー、そんなん無理っす!だってあたしおバカちゃんだしー」
そう言ったのに、なぜか“世界の魔力の均衡を保つ存在”として任命されてしまった。
しかも、ただの聖女じゃ…ない!
「おお!!神より遣わされた…大聖女よ!!」
大聖女って何!?
あたしにとって、地獄の始まりだった—————
・24時間監視
・食事は栄養管理された粥のみ
・排泄もガッツリ記録される
・はなうた禁止(魔力が撒き散らされるらしい)
・ハナホジ禁止(魔力が乱れるらしい)
「ちょ、なにこの辱しめ、なんてプレイ!?マジ勘弁してください!!」
あたしは全力で叫んだ。
「誰でもいいから、タースーケーテー!!」
第二章:監視地獄と魔王の囁き
大聖女になってからの生活は、まさに“管理された牢獄だった”。
毎日、魔力の安定を祈る儀式をやんなきゃいけない。
笑顔で民に手を振りまくらなきゃダメ。
魔力の流れを整えるために、呼吸までダメ出しされる。
「ハナホジしたら、魔力が乱れます」
「くしゃみは魔法障壁で抑えてください」
「寝言は禁止です」
「今のおかしな音程、歌ですよね?」
……人権って何?
そんなある夜。
あたしの夢に、黒い影が現れた。
「……苦しんでいるようだな、聖女よ」
「え、誰!?こわっ!……って、あれ? もしかして…魔王?」
彼は、この世界の魔王——ゼルグレイド。
本来なら敵対するはずの存在だ。
「お前の苦しみ、よくわかる。聖女とは、民の希望であると同時に、秩序の奴隷なのだ」
「うわ、めっちゃわかってくれるじゃん……」
ゼルグレイドは言った。
「もし、自由を望むなら——手を貸そう」
あたしは、迷わず言った。
「貸して!ていうか、連れてって!連れ出せ、今すぐ!はよ、はよ!!!!」
第三章:大聖女、魔王城へ逃亡
あたしは、魔王ゼルグレイドの力で、聖女神殿から脱出した。
向かった先は、魔王城。
「ここが……自由の城……!」
魔王城では、誰も監視しない。
ハナホジもくしゃみも寝言も自由。
食事は豪華、お風呂は広いし誰も見てない。
ベッドはふかふか、トイレもオマルじゃなくてOK。
「ここ、天国じゃん……!」
はしゃぐ私を見て、ゼルグレイドは言った。
「どちらかと言えば地獄の方が近いわけだが…、まあいい。はしゃいでいるところ水を差すようで悪いが、世界の魔力は不安定になりつつある。聖女がいないと、秩序が崩れるようだな」
「え、じゃあ、戻らなきゃダメなの!?」
天国を知ったあと地獄に戻るのは…うん、絶対に、イヤ。
「…いや。新しい秩序を、ミナが作ればいいと思うぞ」
「どうやって?!そんなのやったことない上に、もともとおバカちゃんなんだよ?!」
「まあ…試行錯誤しながらやってみるしかあるまい。色々と模索しているうちに道が開けることもある。この世界で俺と並ぶ莫大な魔力の持ち主なんだ、できないことはない…ハズ。そう卑下するな」
「……だって、だって!!! …ねえ、手伝ってくれる?」
全力で無害&無力アピールをして、涙目で見上げた結果。
魔王と聖女が手を組んで…、世界の魔力を“分散管理”する新システムを構築することになりましたぁ~!!
あたしは“魔力調整官”として、自由に動ける立場に落ち着いた。
と言ってもまあ、こっちに力流してって言われたら流して、これやってと言われたらやって、これ食べなって言われたらおいしく食べて、もう寝なって言われたら寝るだけなんだけどね!!
「これなら…、思う存分ハナホジしても怒られない!」
「あんまりほじってると鼻血が出るぞ…?」
世界が、少しずつ変わり始めた。
聖女制度は見直されることになり、民も魔族も、魔力を共有する時代が幕を開けた!
第四章:聖女と魔王、世界を変える
すっかり常識が変わり、平穏でやや堕落した生活が身に馴染んで…早一年。
あたしは、魔王城の一室で、のんびりお茶を飲んでいた。
ゼルグレイドは今日も隣で…手際よく、手早く書類をまとめている。
いつ見てもスマートで優秀な魔王でウケるwww
「ね、ゼルグレイド~、あたし、ホーント、聖女向いてなかったよね」
有能魔王がいなかったら…この世界はどうなってた事か!
「いや。お前ほど、世界を動かした聖女はいないから安心しろ」
「ええ~?! でも、最初はハナホジ禁止で死にそうだったんだよ?」
「それを変えたのは、お前だろう」
変えることができたのは…、お節介で、ちょっと意地悪なくせにフォロー上手のあなたがいてくれたから、なんだけど。
「あたし、これからも、自由に生きていいかなあ?」
ゼルグレイドは、ニコッと笑ってうなずいた。
「もちろん。ミナは、世界の“新しい秩序”だからな」
——これは、聖女なんて無理って言ってたおバカな少女が、
世界の秩序をぶっ壊して、魔王と一緒に新しい世界を作った物語。
そして今日も、あたしは…自由に。
ハナを、ホジホジ…、うん?
「ヤバっ!!血、ちぃ出てきた~!!!」
「ちょ!!!これ、ティッシュ…おい!!!重要な書類で鼻を押さえるんじゃ…無い!!!」
気の抜けた、毎日を送っている(*'ω'*)




