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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

同衾してみた結果

作者: 群雲

はじめまして。

閲覧ありがとうございます!


診断メーカー「140字BLお題ったー」さんのお題を元にした、おっさん同士(ノンケ×ゲイ)の恋未満なお話です。たのしく書いていたら140字をだいぶ超えてしまいました…!(Xに投稿済です)

↓お題内容

群雲へのお題は「同衾してみた結果」、甘いBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。



ベッドに大の字の全裸のおっさんが2人。

「年、取ったなぁ」

あがる息を整えながら呟く。先ほどまで俺の上でこれでもかと腰を振っていた隣の相手も同じく息を切らしていて、まあそうよな、と目を閉じた。

(いい年して、何やってんだろうな。でも、これできっと…)



きっかけは、昨夜。

長年密かに惚れている友人から、久しぶりに飲まないか、なんて誘われたら、いそいそと出向くに決まっている。

「随分ハイペースで飲むな。大丈夫か?」

「…実はさ、嫁さんと別れたんだよ。浮気相手と再婚したいんだと。」

返す言葉に迷っていると友人は、独り言のようにポツポツと喋り出した。

「いやぁ、この年で独り身になるとは思ってもみなかった。おかげで色々溜まってるよ…でも風俗って、こんなおっさんが行くのも悪いだろ?」

笑う顔が寂しそうで、「男、試してみるか?」と気づいた時には口に出してしまった。

「じょうだ…」

「いいのか?」

内心慌てて誤魔化そうとしたのに、返ってきた言葉は予想外な内容で。でも、こんな機会二度と訪れないだろうし、まあ、一回やりゃこの不毛な恋もちゃんと終われるかもしれないし。最後の記念に…こいつがいいならいいよな?なんて、瞬時に思ってしまった。

「いいけど、お前、俺に勃つのかよ。しかも酒、飲みすぎだし」

茶化していないと、緊張で心臓が破裂しそうだった。自分は上手く笑えているのだろうか。

「いや…心配いらない、と思う」

「なんだそれ」

「とりあえず、出よう。」

「あ?おい、まて、展開はやすぎ」

酔っ払ってぽやんとしていた雰囲気はどこへやら、さっと立ちあがり会計に歩き出す友人に、俺は混乱するばかりだった。

(俺は、夢でもみてるんだろうか)

その後殆ど会話する事なく歩き、ホテルに入ってもまだ夢なんじゃないかという気がしていたが…どうやら夢ではなかったようだ。



「大丈夫か」

昨日を思い返していたら、賢者タイムが終わったらしい友人が起き上がっていた。

「おう。スッキリできたかよ」

「おかげさまで…なあ、今更なんだけど」

ベッドの上で正座しだす友人。しかも全裸。いや、何事!?

「お前、付き合ってるやつとかいたんじゃないのか…よかったのか?」

あまりにも予想外を繰り出す友人に、寝転んだままずっこけそうになる。

「もの凄い今更だな。…安心しろ。特定のやつはいない。いたらあんな事言わないだろ」

「特定のやつ…」

「なんだよ」

「いや。調子のいいことだとはわかってるんだが…この先、オレ以外がお前を抱くのは嫌だなと思って」

「はぁ!?いや、まてまてまて。お前、おかしくなってるぞ」

「オレは正気だ。」

まっすぐにこちらに向かう視線に、居た堪れなくなってくる。俺は、棚ぼたではあったものの、この恋を終わらせるために、こいつとセックスしたはずなのに。こいつの言い方ではまるで…

「お前を独占する権利が欲しいんだが、どうしたらいい。」

全裸で、正座で、真面目な顔をする友人に、とりあえず枕をぶつけておいた。


そんな「同衾してみた結果恋が始まりました」みたいな話、こんなおっさんに起こるのかよ?



お口にあいましたでしょうか。

気に入っていただけたら、幸いです。

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