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今世は幸せでありますように!  作者: ゆる


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Stage10-7 山の主


島の中心にある火山。その山頂には小さな宿がある。そこに住む主は、全ての賊を束ねるボスの拠点と言われている。しかし、そのボスの顔を見た者はまだいない。その情報を知る者は、この島の住人となんくるだけである。


三人同時に目を覚ます確率は相当低いだろう。

今、目の前に広がる光景。それは三人全員が同じ光景に見えているだろう。火山を正三角形で囲むように椅子が配置されている。その各位置に三人の男が座っており、手は後ろで拘束されている。暫く眠っていたのか、顔を上げると後頚部が痛む。少し距離を置いて、二人の男と目が合う。

しかし、互いに睨み合ったまま誰も口を開こうとはしなかった。

何も起きないまま一時間が経過し、一人の男が口を開く。


「俺の名前はユウヤです。サンさんとハンモクさんでよろしいですか?」

二人は睨んだまま相槌をする。それほど悪い事を言ったつもりもないが…。

すると足元に何かが書かれている事に気が付いた。


『八人の中にライトをこのゲームに引き込んだ犯人がいます。犯人の目的は、邪魔者を全て消し去る事。今目の前にいる人物が犯人の可能性もあります。あなた方を拘束したのは犯人です。』


これを誰が書いたのかは分からない。だが、目の前の二人が犯人の可能性もある。ここは焦らず冷静に行動するべきだと判断した。


「ここは何処なんでしょう?」

俺の問いに返答したのは、サンさんだった。

「火山だろうな。なんの意図があるかは知らんが、始末しやすいとかじゃないか?」

「確かに、落とせば即死ですもんね。」

明るく返答すると、それを不審に思ったのか二人の目付きが変わるのが分かった。

「…お前、何がそんなにおかしい。」

ハンモクさんの眼光に一瞬気が引けたが、負けじと明るく返答した。

「だっておかしくないですか?わざわざ火山口の周りに配置するなんて。始末しやすいというのも有り得ますが…山の何処かに何かがあると言っているようにも捉えられますよね?もしくは山に関係した何か。」

「確かに…」とサンはこちらを向いて呟く。

「…だが、俺達を縛る理由はなんだ?」

「…そんなの二択ですよ。一つは全ての犯人が近くに待機している場合。もう一つは、この中に犯人がいる場合です。」


二人の表情は硬く、青ざめるように血の気が引いていた。それは被害者としての恐怖なのか、それとも正体を明かされてしまう恐怖なのか。全ては犯人と神のみぞ知る。


『…ドクッ…ドクドクッ……ドゴォォォォォンッ!』

「な!?」

「ふ、ふ、噴火だ!」


この火山の噴火によって俺達三人は火山口から姿を消した。誰が生きていて誰が死んだのか。犯人さえも予想外の展開となった。


次回もお楽しみに!

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