Stage8-17 決断の刻
俺達はライトの案内の元、内側の村へと足を運んだ。
「…村長さん、何度も尋ねてしまってすみません。見ず知らずの私達を招き入れて下さって感謝しています。」
「ふぉっふぉっ良いんじゃよ。それより…。」
村長さんはなんくるに目を向けた。
なんくるは体勢を直し、軽く頭を下げた。
「…御無沙汰しております。」
「…お主はこの島に何をしに来たんじゃ?」
「…可能であれば、過去の償いをさせて頂けたらと思っております。」
村長は顔を顰めて、思い詰めている様子だった。
「…村長、なんくるは皆様に何かしたのでしょうか?」
「…いや、彼自身からは何も。ただ…厄災がのぉ。」
「村長、もしかするとなんくるは無関係かもしれません。」
ライトの言葉に村長は目を見開いた。
「…その厄災とは下界の歯車によるものかも知れません。」
「歯車じゃと?」
この世界の村人は、歯車によって支えられている事や下界の入口が開く事を知らない様子だった。
「…なるほど。ではお主達は、歯車を再起動させてわし達を助ける為にやって来てくれたのじゃな?」
「その通りです。」
村長は、俺達四人を見渡すと土下座をした。
「村長!顔を上げてください!」
「…お主達にはどんなに頭を下げても足りぬ。せめて今だけはお主達の為に頭を下げさせてくれ。至らぬ事もあるじゃろう、頼む、力を貸してくれぬか。」
俺達は顔を見合せて最後の決断をした。
「…喜んで協力させて頂きます。」
そう、最終決戦は目前。最後の歯車が起動したのだった。
一方その頃…。
「クソックソックソックソックソッ!!!!!」
金髪男が無実の村人を一人、二人と痛め続けている。
「イライラするのも分かるけどその辺にしなよ。死んじゃうって。」
水色の髪の女によって金髪男は殺意の目を向けたまま手を止める。
「…あの赤髪野郎…絶対殺すッ!」
「楽しそうだな。俺も混ぜてくれよ。」
険悪なムードの中、一人の男が三人に近付いて来た。
「…あぁん?」
「お前ら、偶数組だろ?俺も奇数組に倒したい奴がいてさ。」
「誰だてめぇ?」
「バレットって言うんだ。知人には神の足って呼ばれてる。」
「神の足だって!?」
ずっと無口だった前髪の長い男が動揺した。
「何何、どうしたの?」
「…か、神の足 バレット。凄く有名だよ。問答無用の速さで敵を仕留める。今まで負け無しと言われている。」
三人は驚きの目でバレットを見返した。
「…こちらからも是非参戦をお願いします。」
奇数組の異例の事態、偶数組が知るのはもっと先の事であった。
次回もお楽しみに!




