Stage5-29 悪魔討伐編 決意の朝に
悪魔討伐編 最終回!
次回からは【カナディアンロッキー~謎の女~編】になります!
今後ともご愛読宜しくお願い致します!
【カナディアンロッキー】
自然が生み出した絶景スポットしても有名なカナディアン ロッキー山脈は、ブリティッシュ コロンビア州とアルバータ州の両州にまたがっている。高くそびえるロブソン山など、山頂が氷で覆われた山々が連なるこの地域は高山湖や多様な野生生物で知られている世界遺産だ。
サン隊長は、最近妙な噂を聞いたという。
カナディアンロッキーの何処かに自然を操る女性が住んでいるという話だ。その女性は、日本人で赤いキノコの格好をしている。
「…ふざけてんの?」
「…知るかよ。そいつに聞け。」
簡単に言えば、悪魔による被害や日本の現状をその女性に話し、自然を元に戻してもらうという話だ。
「だけどよ、カナダだって悪魔の被害があったかもしれないだろ?自分の所で体いっぱいかもしれないぜ?」
サン隊長は人差し指を立て、三回ほど舌打ちをした。
「…そこでもう一つ面白い話があってだな。カナダには悪魔の出入りが一切無かったらしいんだ。」
カナダに悪魔の出入りが無かったとするなら、その理由はなんだ。
悪魔にとっては住みやすい環境などが存在するのか。
「私、聞いたことあります!悪魔は自然のエネルギーに弱いとか。」
メグミが手を挙げて発言する。かわいい。
「でもおかしくないか?日本での悪魔達の拠点となった所は、どこも比較的自然が綺麗な所だろ?」
なんくるが珍しく鋭い所を突いた。
俺はプレシャスを召喚しようと試みたが、プレシャスは現れなかった。ステータスを見ると、俺の熾天使のデータも消えていた。どうやら市村を討伐した事で、天使や悪魔の存在は完全に消滅したらしい。
結局、悪魔の事については分からずじまいだ。
「その謎も含めて調査するんだ。」
サン隊長の言葉と同時に、俺の目の前に文字が表示された。
【今回のステージで悪魔討伐編が完結致します。お疲れ様でした。
達成していないミッションがございます。クリア後に再度挑戦する事も可能です。
以降は、【カナディアンロッキー~謎の女~編】に突入します。同時に新たなミッションが発動します。】
リズム感のある音と共に新たなミッションが表示される。
【新ミッション カナディアンロッキーの噂】カナディアンロッキーでの謎の女性について調査してください。
【ミッションを受注しますか?】
【はい】 【いいえ】
俺は【はい】を選択した。
【それでは、引き続き最後の悪魔討伐編をお楽しみ下さい。】
その文章を最後に目の前の文字は消えた。
何度も忘れかけるがこの世界はゲームの世界。うっかり忘れてこの世界で生きていく事になるのではないかと不安になる。
「そういえば、俺部屋でゲームに入り込んだきりだよな。飯も食ってないし死ぬんじゃないか。」
「…げーむ?」
メグミが不思議そうな表情でこちらを見ていた。
しかしそんな事を気にしている余裕はなかった。
何も気にせずにゲームをプレイしていたが、本当にこの世界に住む事になりかねない事実を思い返して焦っていると、突如音声が鳴り響いた。
【ご安心ください。この世界での一年が現実世界での一分となります。】
「…マジ!?よかったぁ………いや、そんな親切いらねぇよ。だったら一度現実世界に返してくれよ。」
アナウンスは無視した。
なるほど、このゲームの開発者は変態でクズらしい。
そりゃそうだよな。主要キャラバンバン殺すし、残ってるのなんくるとメグミだけじゃねぇか。
危ねぇ、当然の展開のように受け入れてたけどやっぱりおかしいよな。すんげぇ泣きそうになったよ?いや、生存ルートあんならそっち行きてえと何度思った事か。
唇を噛み締めながらも我に返ると…
「…げーむって何?」
「なんかよく分からないこと呟いてたが大丈夫か?」
メグミとなんくるが心配そうな表情で見つめていた。
「…気にするな。大丈夫だ。」
「…話を戻すが、俺と一緒にカナディアンロッキーに行ってくれるか?」
三人は目を合わせて頷いた。
「…その代わり、独断行動したら帰りますから。」
「わ、分かってる。気を付けるよ。」
俺の圧にサン隊長は萎縮する。
「やれやれ、もうどっちが立場上なのかよう分からんさ。」
「だね♪」
なんくるとメグミは微笑みながら二人の背中を追い掛けた。
「ちなみに、どうやってカナダ行くの?」
「徒歩に決まってんだろぉ!」
「決まってねぇよ。相場は飛ぶぅ。」
「お兄ちゃん!空飛べるのぉ!?」
「…あぁ…うん…違うんだぁ。」
こうして、船や飛行機を探す所から新たな物語が始まるのであった。
※東京からカナダまでの距離は約8000kmです。
仮に1日10km歩いたとしても、2年以上掛かります。
次回もお楽しみにー!




