Stage5-22 悪魔討伐編 リズ!覚醒の眼!
「…ちょっと待て。俺がお前に闘いを申し出てるんだ。」
「悪いが俺はお前に興味がない。あの女を殺したら考えてやってもいいぜ。」
そう告げ、リーブスはアイネをメグミ達の閉じ込めている光の球体へと押し込んだ。
俺は歯を食いしばりながら、大人しく引き下がることにした。そして、リズの肩に手を置いた。
「…すまない。」
「何が?今更迷惑かけてすみませんなんて謝罪いらないよ。兄妹でしょ。」
リズは俺の横を通り過ぎて行き、「行ってきます」と小さな声で呟いた。
この世界に来て初めてリズに会った時もそうだ、俺はお前を止められなかったんだ。あの時は見つける事は出来たが、今回は訳が違う。あの鬼畜野郎が相手だ、お前にもしもの事があったら…。
心の声が漏れてしまったのかと思わせるようなタイミングで、なんくるが俺の背中を叩く。
「しっかりしろ!あいつはお前の妹だろ?そう簡単に負けねぇよ!」
「…そうだよな。」
「保証する!俺はあいつと五年一緒にいたんだぜ!」
なんくるの言葉に俺は少し心を落ち着かせ、リズとリーブスの試合を見届ける事とした。
『それでは、両チーム了承を頂きましたので改めて説明致します。今回の試合に関しましては、団体での勝ち抜き戦となります。勝った者はそのまま残り次の試合をして頂きます。敗北が決定した時点で次の選手に闘って頂きます。最後の一人まで立っていたチームの勝利となります。』
審判の説明に会場にいる全員が理解し、試合が再会された。
『改めまして!リズ対リーブス、試合開始!』
「やっぱりあんた綺麗だぜ。」
「…は?」
「はやく血を流してくれ!絶望の顔を拝ませてくれ!」
リズは大きな溜息を吐いた。
「…やっぱり悪魔って嫌い。私はさ、あんたの為に無駄な血を流す気は無い。私は全力であんたを潰す、そしてアイネさん達を取り戻す。それだけよ。」
リーブスがニヤニヤと鉤爪を取り出した瞬間、硝子のように砕けたのだ。リーブス自身も何が起きたのか分からない様子だった。
「…三分よ。」
鉤爪に気を囚われていると、正面から様々な色の電撃がビリビリと伝わってきた。それは、橙色を中心となり、赤や緑、青等も時々混ざり走っていた。そんなリズの戦闘服は、電撃のような四色の色に変わっていた。
「…これは一体。」
「一分以内、全てを終わらせる。」
リーブスが唖然としていると、見えない速さでリズはリーブスの顔面に蹴りを入れた。その蹴りは重く、更には全身に電流が走った。
リーブスは重力を上手く利用し、空中でブレーキを掛けた。しかし、麻痺で反撃の動作が取れなかった。すぐ目の前を向くも、既に短剣を向けたリズが立っていた。
「…分かるでしょ?あんたじゃ私には勝てない。」
「んな訳あるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
リーブスが殴り掛かろうとすると、リズはその手を短剣で斬った。右腕を失った状態で、リズはリーブスの顔面の同じ位置へ再び蹴りを入れた。リーブスの首や頬の骨は折れ、そのまま観客席へと蹴り飛ばされた。
リーブスの意識は消失し、宣言通り勝負は一分で片が付いた。
『リーブス選手、戦闘不能!リズ選手の勝利!』
観客席は大いに盛り上がった。
「約束通り、アイネ達を返して貰うよ。」
リーブスの意識が無くなった事でマリオネットの力や魔法が解け、アイネ達は光の玉から解放された。
リーブスの近くで目が覚めたアイネは、気を失っているメグミとダイスを抱えてその場を後にした。
「おい!お前の仲間、一人仕留めたぞ!」
なんくるが市村を煽ると殺意の眼で睨み返した。
「リーブスは弱いの。最弱悪魔を倒したからといって調子に乗らない事ね!」
「…じゃあ、強さ順なら次あたりでお前が出てくるのか?」
話に割って入ったと同時に盛大に市村へ挑発をした。
怒りのボルテージがマックスとなった市村は物凄い形相で前に出てきた。
すると、観客が少しずつざわつき出す。
「お、おい。市村様がもう出るのか?」
「まさか、ブラフだろ?」
「あいつら…煽りが過ぎたな。」
すると、もう一人の悪魔サスラーが市村を止めに入った。
「市村様、お待ちください!市村様は最後まで残っていてください!」
「何故だ?私が負けるはずがないだろう。」
サスラーは何も言い返せなくなってしまった。確かに「負けたら元も子もないですよ!」等とは流石に言えないのであろう。市村は悪魔の上司、口が滑れば首が飛びかねない。
しかし、サスラーの表情を察したのが市村は後退した。
「…興が醒めた。」
市村の背中を見送ったサスラーは、再びステージ側を向き歩き出した。
『おっとぉー!続いてはサスラー選手の登場だァ!』
サスラーはリズと向かい合った。
「女性と言えど手加減はできない。覚悟は良いのだな。」
「さっきの不愉快な悪魔よりは強いんでしょうね。」
「案ずるな。遥かに上だ。」
サスラーはニヤリと笑い、戦闘態勢に入った。
その姿にリズは驚いた。
「…あなたまさか武闘家なの?」
サスラーは武器や防具を所持していない。赤と橙色のボーダーに黒いズボンのみだ。その姿でファイティングポーズを取っているのだ。
「心配するな。多分だが、お前よりは強い。」
次回もお楽しみに!




