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Stage5-21 悪魔討伐編 最終決戦

悪魔討伐編!盛り上がって参りました!

いつもご愛読頂きありがとうございます!


「…汝よ、安らかに眠りたまえ。」

棺に入ったさーたーは美しく、穏やかな表情で眠っていた。

その姿を見送り、さーたーは土へと還った。

そして、濡れた頬を拭った俺達は本戦会場へと向かった。


夜の会場は昼間よりもステージを目立たせる程の明るさで照らされていた。

メグミやダイスは観客席へと向かい、俺達四人は市村の待つステージへ足を運んだ。

本戦会場に続く一本道、俺達は話をする事も無く歩み続けた。

光の向こう、それは最終決戦の場であった。


ステージを挟み、俺達四人は市村達と睨み合う。

悪魔四天王のサスラーとリーブス、謎のフードを被った背の低い人物、そして市村清子がそこにいた。

「逃げずによく来たわね♥」

市村の言葉に他のメンバーも馬鹿にするように笑う。

「逃げるわけが無い。今日全てを終わらせる。」


『皆様皆様皆様ッ!大変長らくお待たせいたしました致しました!これより!特別試合、市村清子様の無敵チーム!アンビータブルデビルと、なんくると愉快な仲間たちとの試合を始めたいと思いまーすっ!』


会場に響き渡るアナウンスに、観客の全員も大いに高ぶっている様子だった。


『ではでは!早速第一試合を開始します!先鋒前へ!』


一息つく暇もなく、第一試合のアナウンスが響き渡る。

「…俺が行こう。」

市村清子のチームからは全身黒が多めのコスチュームで、目が細く無愛想な見た目の男が前に出た。市村も同様だが、全く悪魔には見えない容姿だ。

それを見て、「私もそろそろ活躍しちゃおうかな。」と アイネがステージへと向かった。

観客席からは「お母さーん!」と大声で応援する声が聴こえてきた。

「あの子達のためにも頑張らないとね。」


『さぁ出揃いました!青、アイネ。赤、リーブス!試合開始ッ!』

同時に小さくベルの音が鳴り響く。


「…貴様からは何も感じない。闘うだけ無駄だと思うが?」

それを聞いたアイネは日本刀を抜き、リーブスに先端を向ける。

「…親ってのは全力で子供の未来のために生きるんだよ。」

「…子供ね。」

リーブスはメグミやダイスのいる観客席を眺めた。

「…あれか。」

そして、手を翳しそれを握った。

「何をしている。」

「…賭けをしようか。俺が勝ったら、あんたとあの二人の命は俺が預かる。あんたが勝ったら俺は全てを捨てて一生をあんたに捧げよう。」

リーブスが手を開くと、目の前に小さな光の玉が浮いていた。それを凝視すると中には小さくなったメグミとダイスが囚われていた。

「メグミッ!ダイスッ!」

「…さぁ、ショーの始まりだ。」

リーブスはニヤリと笑った。その表情は、この状況を楽しんでいるようであった。

「…鬼畜が。」

私は日本刀を構え、リーブスは鉤爪を装備した。

「「俊足ッ!」」

二人は同時に飛び出し、斬りかかった。

カキンッカキンッと至る所から音のみ聴こえている。これが見えているものは二人に近い俊敏さを兼ね備えている者のみだろう。即ち、両チーム全員がその戦闘を目で追えていたのだ。


『な、何という攻防戦!全く見えません!しかし、両チームの選手は目で追えているぞぉ!』


「フンッ、俺様の速さに付いてこれるのか!やるな!」

リーブスは鉤爪を大きく振りかぶる。しかし、アイネはそれを上手く弾き返す。

「それはこちらの台詞だ!」

アイネは空中で中腰になり、日本刀を左に引いて構えた。その構えは、代々伝わる伝説の侍の構えであった。


「…かつての勇敢なる戦士よ。我が魂にその命宿りし時、己の力を我に託せ!」

次の瞬間、蒼い炎がアイネの身体を包み込むように纏い始めていた。

「遅せぇよッ!」

リーブスは鉤爪に橙色の気力を注ぎ込み斬りかかった。しかし、アイネは蜃気楼となって消えた。

「…遅い。」

「なっ!?」

アイネはリーブスの後ろに回り込み、日本刀を引き抜いた。

「蒼炎!煉獄斬り!」

蒼炎の斬撃がリーブスの腹部を斬り裂いた。そして、その斬撃は観客席へと落ち、一部大破した。リーブスの下半身は空中からステージへと落ちた。

しかし…。

「クククッ…惜しい惜しい。」

これまでの闘いを嘲笑うかのように軽く拍手をしながら宙に浮いていた。

「…俺の能力教えてやるよ。」

そう言うと、ステージへ落ちたリーブスの下半身がゆっくりと上がってきた。そして、リーブスの上半身とくっついたのだ。それは見えない糸で繋がれていたように元へ戻ったのだ。

「俺の能力はマリオネット。どんなものでもその気になれば操る事が出来る。あんたの子供を俺の手元に連れてきたのもそれさ。」

アイネは、膨大な体力や魔力を使用した。その反動は身体へ影響し、痛みにより苦悶の表情を浮かべていた。

「しっかり相手を分析しないからそういうことになる。確かに強い技だったが、俺のマリオネットには勝てない。」

リーブスは、闘いの最中密かにアイネの四肢へ糸を繋いでいた。アイネは身動きが取れず、そのままリーブスに引き寄せられた。

そして、リーブスは耳打ちをした。

「□□□、□□□□□□。」

アイネはもがき続けるも、抵抗は無意味に等しかった。

リーブスに何を提案されたのかは分からないが、メグミとダイスは解放された。そして、リーブスに肩を組まれたアイネはマリオネットの力により意識を失った。

リーブスはアイネをお姫様のように抱き抱え、ステージ上へと舞い降りた。

「おい、審判。判定だ。」

審判は口を開けたままボーッと見ていた。それに対してリーブスが腹を立て、「審判ッ!!」と大声を出した。

『あ、は、はいっ!アイネ選手戦闘不能とみなし、リーブス選手の勝ちとします!』


「…おい、アイネを返せ。」

俺はステージに上がり、リーブスが去ろうとするのを止めた。

「それは無理な相談だ。この女は俺の女になったんだ。子供のために、俺に身体を捧げたんだ!」

リーブスはアイネを宙に浮かせ、胸部と陰部をまさぐった。意識を失っているアイネの反応は無いが、リーブスはそれに興奮するように手を止めずに進めた。観客もそれに釘付けになってしまっていた。

乳房が見える前に俺は、リーブスの手を止めた。

「…ルールを変えないか?」

「は?」

「…ここからは勝ち抜き戦だ。貴様が負けたら、アイネ達を解放しろ。」

リーブスは不気味な笑みを浮かべた。

「…面白い。ただし、相手はお前じゃねぇ。」

リーブスは俺の肩を弾き、「お前だ」と指を指した。

その指先はリズへと向いていた。

「わ、私?」



次回もお楽しみに!

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